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信託財産が不動産である場合の手続き

信託財産が不動産である場合に必要な家族信託手続きとは

 

 信託財産の中に不動産がある場合、信託契約書の作成後に所有権移転登記手続きと信託設定の登記手続きを同時に申請する必要があります。これは、この二つの登記手続きを取らないと、その不動産が現在、信託財産となっていることを第三者に主張できず、せっかく信託契約をしたとしても未登記ということでその信託自体が不完全な権利関係となってしまうからです。

 

 不動産を信託財産とする場合、信託契約書作成の段階で、受託者がその不動産をどの程度まで運用・管理・処分できるのか、その受託者の権限を明確にしておく必要があります。信託契約書が出来上がりましたら、次に登記の手続きに移っていきます。実際の登記手続きは複雑な面もあるので、登記のプロである司法書士に依頼すると安心して手続きができると思います。司法書士に頼まず手続きをする場合は、信託する不動産の所在地を管轄する法務局で、信託契約書作成段階で相談をしながら進めるとよいと思います。

 

 所有権移転登記と信託設定の登記手続きには、その登記申請の時点で登録免許税を納める必要があります。所有権移転登記は非課税ですが、信託設定の登記については、土地について不動産評価額の0,3%、建物について不動産評価額の0,4%(それぞれ令和5年8月の本記事執筆時点の税率)の税金となっています。司法書士にその登記手続きを依頼する場合は、依頼する司法書士事務所が定める報酬が別途かかります。司法書士事務所により報酬は異なりますので、依頼する場合は、事前にどの程度の報酬がかかるのか確認をしたらよいと思います。

 

 不動産が信託財産の場合に、特に注意が必要なのは、前述したとおり、受託者がその信託された不動産をどの程度まで運用・管理・処分できるのかということです。どの程度の権限があるのかを信託契約書の中で明確にしておかないと、受託者がせっかく不動産を信託されたとしても、その不動産を使って資産運用したり、売買処分して受益者に換価された金銭を引き渡すことができなくなる恐れもあります。

 

 また、信託する不動産に抵当権が付いている場合(不動産購入時のローンがの残っている場合)、信託契約前に債権者側(お金を貸している側)に対し、信託設定の通知や相談もしておくべきでしょう。不動産のオーナーが形式的であれ変更になるので、債権者側の判断も仰いでおく必要があります。抵当権設定契約上の義務違反にならないように、そのあたりはよく相談してください。

 

 賃貸不動産の信託であれば、物件の借主から支払われる賃料の振込先口座も通常は受託者の口座に変更することになりますので、その通知も受託者から不動産借主側(管理会社が入っていれば、管理会社)へ行う必要があります。その他、不動産の火災・地震保険会社へのオーナー変更の通知、固定資産税の関係官公署への届出なども行います。

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