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民事信託(家族信託)手続きの流れ

家族信託手続きの流れを把握する 

 

家族信託手続きの着手前の段階

 

 家族信託の手続きをしようとする場合、その前提として、家族信託を使う必要性や目的を明確にすることからまずは始めることになります。専門家からのアドバイスでその必要性に気付くこともあります。親の認知症対策のためなのか(財産管理)、2代先・3代先の資産承継(遺言の代用として)のためなのか、それともその両方なのかなどです。

 

 本ホームページでは財産管理や資産承継の新手法としての家族信託について解説をしておりますが、家族信託はその他様々な機能があるので、まずはどんな目的(信託目的)があってこの家族信託を使うのか、なぜ家族信託を使う必要性があるのかを明確にしましょう。

 

 また、信託行為の仕方(ここでの信託行為は「信託契約」に絞って解説しています。)、信託契約の当事者の設計(誰を委託者・受託者・受益者にするかは最低限必要)、信託財産の範囲信託設定の期間や終了の時期などのアウトラインもおおまかに決めることになります。

 

 その後、できれば親族を集めて家族信託の利用について話し合いの場も設けたほうがよいと思います。形式的であれ、委託者所有の財産が受託者に移ることになりますので、贈与ではなくあくまで家族信託であるということを信託契約の当事者以外の家族にも理解してもらうほうが後々のトラブル回避にもつながります。

 

 こうして信託の目的・必要性の明確化を行い、基本アウトラインの決定、親族間での話し合いも済んだところで、実際の手続きに移っていきます。

 


家族信託手続きのスタート

 

 家族信託は信託契約の組み方、税務上の知識、登記のルール、委託者の財産についての利害関係人調整、その他信託利用のための様々な注意すべき点の把握が必要になるので、なるべくですが、信託の制度や信託法全体について知識と経験のある方に相談をしながら信託契約をスタートさせたほうがよいと思います。当事務所は行政書士ですが、士業では司法書士・弁護士・税理士に信託を専門に扱う事務所が多いと思います。

 

 専門家の探し方は、インターネットを利用できる方は、「家族信託+●●←お住まいの地域」のようなキーワードで検索して詳しそうな事務所に問い合わせしてみることからはじめてもよいと思います。インターネット環境のない方については、地域で開催されている家族信託に関するセミナーに参加し、そのセミナー講師に相談してもよいと思いますし、士業事務所をまとめる団体(行政書士会、司法書士会など)や法テラスなどに相談の申し込みをしてもよいと思います。大抵は相談料無料でお話しを聞いてくれるはずです。

 

 こうして信託契約手続きの着手となりますが、次に信託契約は通常、契約書の作成が必要になるので、その契約書を私文書で作成するか公文書(公正証書)で作成するかを検討します。当事務所としては、極力、契約書は公正証書にすることをオススメしております。専門家をアドバイザーとして信託契約を組む際も多くの専門家から公正証書による信託契約書の作成を勧められると思います。やはり、法律のプロである公証人が最終的に信託契約書を作成しますので、より間違いが少なくなります。(概ねどんな公証人も信託法の理解はあると思われます。)また、完成した信託契約書を使用して、その後に金融機関に出向いて契約書の説明をしたり、不動産の所有権移転登記や信託設定の登記手続きを取ったりする際、やはり公証人が作成した書類のほうが信用面でも高いのは間違いありません。公証人がフィルターをかけた文書になるからです。

 

 なお、公正証書による信託契約を作成すると公証人手数料が発生します。(公証役場の手数料のページ参照)信託財産の価格によって公証役場手数料表記載の手数料がかかることになります。

 

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