fbpx

トップページ > 円満な財産管理を実現!家族信託で後悔しないための対処法

円満な財産管理を実現!家族信託で後悔しないための対処法

老後の財産管理対策として近年注目されている家族信託ですが、さまざまな理由から契約内容や信託業務の実行に関して失敗したり後悔したりする例が増えているようです。ここでは、家族信託のデメリットや後悔を避けるための対処法について説明していきます

 

家族信託のメリットとデメリット

家族信託とは、委託者が自らの老後の生活や介護などに備えて、所有する財産の管理を家族に託す信託契約のことをいいます。財産には預貯金や不動産などさまざまなものが含まれ、委託者自身が認知症などになったとき、その介護や生活のために財産を使って対応してもらうことが可能です。

 

家族信託では、財産を所有しその管理を家族に託す人のことを委託者委託者から財産管理や運用を任せられる受託者信託財産から生じた利益を得る受益者の3つに分けて契約内容を考えていきます。

 

「柔軟な財産承継」を可能にする家族信託のメリット

家族信託では次のようなメリットを得ることができます。

 

認知症対策

本人が認知症になり判断能力が低下したとみなされると、本人の意思で財産を動かすことができなくなります。金融機関の口座が凍結されたり有価証券の取引ができなくなったりするのです。

 

元気なうちに家族信託契約を成立させておくことにより、もし認知症になってしまったとしても受託者が財産を適切に管理・運用してくれるので、委託者としては安心して任せられるでしょう。

 

親が委託者、子が受託者である場合、高齢者施設の入居費用を親の財産から支払ったり空き家を処分したりすることも可能です。

 

二次相続・三次相続

遺言では二次相続や三次相続の財産承継者を指定できませんが、家族信託を利用すれば、たとえば孫やその子にいたるまで財産承継者とすることができます

 

親:A

子:B

孫:C

ひ孫:D

 

この場合、親Aが遺言書で財産相続について指定できるのは子Bまでです。家族信託であれば、委託者である親Aが亡くなった後は子Bを受益者とし、子Bが亡くなった後は孫C、孫Cが亡くなった後はひ孫Dが財産を承継することができます。これを受益者連続型信託といい、家族信託の大きな特徴の1つとなっています。

 

「後悔」に繋がる家族信託のデメリット

メリットがある一方でデメリットが存在することも事実です。家族信託を利用したことへの後悔に繋がることもあるので、十分注意しましょう。

 

親族関係悪化の可能性

家族・親族間の人間関係が良好であり、家族信託によって委託者の希望する財産承継が理解される状況であれば問題ありません。しかし、家族信託は当人同士が契約内容に合意すれば成立することから、委託者の財産を受託者1人が管理することについてトラブル化する可能性も考えられます。特に、相続に関わる可能性のある家族・親族にはあらかじめ事情を説明しておき、同意を得ることも必要になってきそうです。

 

自力で作成した契約書が無効

書籍やインターネットに出回る情報を集めれば、自分の力で信託契約書を作成することは可能です。しかし、家族信託契約を正しく機能させるためには、相続や信託の仕組みや関連法を理解しておく必要がありますし、何より契約書に不備がないよう細心の注意を払わなくてはなりません

 

自力で信託契約書を作成する場合でも、なるべく専門家に相談しながら丁寧に契約内容や契約書を作り上げていくことが大切です。

 

家族信託の失敗や後悔を回避するために

家族信託を上手に活用し、失敗や後悔しないためには、影響を及ぼす可能性のある人物からの同意や委託者の希望への理解が欠かせません。加えて、次に挙げるような法的知識を理解しておく必要があります。

 

1年ルール

信託法の第163条では「受託者が欠けたあと新たな受託者が就任しない状態が1年間続いたとき」「受託者がすべての受益権を有する状態が1年間続いたとき」は、信託契約が終了すると明記されています。1年という期限が区切られていることから「1年ルール」とよばれています。

 

30年ルール

信託法の第91条では、「家族信託契約の成立から30年経過した場合、新たな受益権の承継は一度しか認められない」ことが明記されています。30年という期限が区切られていることから「30年ルール」とよばれています。

 

家族信託には、子や孫など世代をまたいだ財産承継を可能にする「受益連続型信託」という仕組みがあります。ただし、この仕組みが有効であるのは信託契約設定時点から30年以内とされており、30年を超えて受益者となった人物が亡くなった場合は(新たな受益権の承継は一度しか認められない/信託法第91条)、受益連続型信託は終了してしまいます。この点に注意して信託契約書を作成する必要があるでしょう。

 

家族会議による同意

非常に重要な要素として、家族・親族の家族信託に対する理解と同意を挙げることができます。

 

通常、親が亡くなるとその財産は、遺言書があればその指定にしたがって分配されますし、遺言書がなければ遺産分割協議により相続割合に基づいて相続人に分配されます。

 

家族信託契約がある場合、対象となる財産の名義は受託者となり、親の生存中から死後にいたるまで受託者が財産管理を行って財産を活用していくことになります。親が遺言書を遺していた場合でも、家族信託契約で指定された財産は遺言書に優先して受託者が管理しますので、場合によっては家族・親族間に不公平感が生じることも考えられるでしょう

 

このような事態を回避するためには、繰り返しになりますが事前の話し合いと理解が欠かせません。委託者は家族信託を希望する時点で家族会議を行い、配偶者や子、兄弟姉妹などに対し十分に説明することが大切です。

 

まとめ

家族信託は遺言書にはない機能が備わっていることから、昨今特に注目を集めている財産管理・承継の手段だといえます。身内の関係性悪化を避け、適正な財産管理を実現するためにも、できるだけ家族信託を扱う専門家に依頼することをお勧めします。

 

当事務所では、家族信託や遺言書といった生前対策から相続手続き全般にいたるまで、一連の業務経験を有しています。司法書士や税理士との連携によるトータルサポートが可能ですので、家族信託契約内容のご相談や遺言書との併用など、ご不安に感じていることをお聞かせください無料相談をご用意しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

無料相談の予約はこちら