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自分が亡くなった後の葬儀や法要を親族に任せたい

葬儀や法要を若い人に任せる

 Xさんは、高齢であることに加えて体も弱ってきたことから、自分が亡くなったときに葬儀や法要を誰かに任せたいと思っています。Xさんは結婚しておらず子供もいないため、兄弟などの親族の中から任せられる人を探しています。Xさんには、兄弟のAさん、Bさん、Cさんがいますが、いずれも既に高齢であり、いつまで法要を続けることができるか分かりません。そこで、Xさんの甥にあたる、Aさんの長男のYさんに葬儀や法要を任せようと考えています。Xさんは、Yさんに過度の負担をかけたくないと思っていて、金銭をYさんに渡して祭祀の費用に充ててもらい、七回忌までの法要を任せたいと考えています。

 

祭祀を親族に任せるには

 配偶者や子供がおらず、葬儀、法要、墓所の管理といった祭祀や死後の事務処理を家族に任せることができない場合があります。また、子供はいるが結婚して遠方で暮らしており、それらを行うことが容易ではない場合もあります。このような場合、親族の誰かに任せることが考えられます。

 

 親族に祭祀を任せる一般的な方法として、生前に「遺言書」を作成しておき、祭祀を負担した者に財産を渡す「負担付遺贈」という方法があります。「負担付遺贈」は、財産を受け取る「受遺者」がきちんと祭祀を行ってくれるのか分からないという問題があります。

 

祭祀を任せる場合、このような問題があります。

・遺言書で祭祀を任せる人を指定しておいても、実際に祭祀を行ってくれるかは不確実です。

・いつまでも祭祀を負担することになると、引き受ける人が見つからない可能性があります。

 

家族信託を活用する

 祭祀や死後の事務処理を人に任せる場合、「家族信託」を活用することが考えられます。祭祀を任せる目的で家族信託を使うときは、次のような仕組みを作ることが考えられます。

 

1.祭祀を任せる目的の家族信託では、金銭が、管理を任せる財産である「信託財産」となります。

 

2.「信託財産」の管理を他者に任せる「委託者」には、本人を設定します。

 

3.「委託者」のために「信託財産」の管理を行う「受託者」には、親族、知人、お寺の住職などの祭祀を任せることのできる人を設定します。また、「受託者」が信託財産を適切に管理しているのか監督してほしい場合は、別途「信託監督人」を設定します。一般的には、法律の専門家に依頼して「信託監督人」となってもらいます。

 

4.「受託者」が管理する「信託財産」から利益を受ける「受益者」には親族を設定します。

 

5.一定の期間が経過するなどして信託が終了したときに「信託財産」の清算を受ける「帰属権利者」には、「受託者」などを設定します。

 

事例における家族信託の例

 この事例では、委託者が亡くなったときに信託を開始するため、Xさんは財産を信託することを遺言書に記載しておきます。

 

・家族信託の目的:信託財産を適切に管理・運用すること、祭祀等の事務処理を適切に行うこと

・信託財産:金銭

・委託者:Xさん(本人)

・受託者:Yさん(親族)

・受益者:Aさん(相続人)、Bさん(相続人)、Cさん(相続人)

・終了事由:七回忌の期間の経過、信託財産の消滅

・帰属権利者:Yさん(親族)

 

家族信託はどのように働くのか

1.委託者が亡くなり遺言の効力が発生することで家族信託が始まります。受託者は、信託契約で定めた信託財産に当たる金銭の引き渡しを受けて信託財産の管理を開始します。

 

2.受託者は葬儀、法要、墓所の管理といった祭祀を行い、信託財産からその費用を支払います。

 

3.七回忌の期間が経過したときは、帰属権利者である受託者に信託財産が帰属します。

 

まとめ

 祭祀を任せることのできる子供がいない場合、家族信託を活用することにより、親族やそれ以外の第三者に祭祀を任せる仕組みを作ることができます。これにより、祭祀の担い手が見つからないという悩みを解決することができます。

 

 当事務所では、皆様のご事情にあわせて家族信託の仕組みをお作りしております。身近に祭祀を任せられる人がおらず悩んでいるという方は、ぜひ当事務所までご相談ください。

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