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死後事務委任契約の委任者死亡後の流れを整理

委任者は自らの死後に備えて死後事務委任契約を結びますが、実際に亡くなってしまった場合、どのような実務が生じるのでしょうか。契約書にどのような項目を記載したかによっても変わりますが、ここでは、死後事務委任契約が開始してから受任者がどのような手続きなどを行っていくか、死亡後の流れについて説明していきます。

 

自治体への死亡届提出

委任者が死亡すると、受任者は役所に対して死亡届を出さなければなりません。この作業は、死亡の事実を知った日から7日以内に行うと定められているため、受任者は期限内に手続きを行います。

 

死亡届は死亡診断書と同一の用紙ですので、死亡時に立ち会った医師による死亡診断書を受け取ったら必要事項を書き入れ、別途入手した火葬許可申請書と併せて提出します。すると火葬許可証が発行されるので、これを持参し葬儀社に渡します。

 

葬儀・火葬・埋葬に関する手続き

あらかじめ委任者との間で取り決めた契約書の内容にしたがって、受任者は葬儀の準備に取りかかります。葬儀準備は時間との戦いですので、取り決めていないことがらが出てきたら受任者が自らの判断で臨機応変に対応します。委任者は契約時に、自分が望むような葬儀となるよう細部にわたって受任者と合意し取り決めを行うことが大事です。そうすることで受任者はよりスムーズに動けるようになるからです。

 

葬儀を執り行うために、受任者は委任者の関係者に連絡を入れ葬儀準備をリードします。葬儀社との交渉も受任者の仕事となりますので、予算に合わせた葬祭プランや会場を選んだり、仕出しや香典返しの手配をしたりするなど細かに対応していくのです。

 

葬儀を執り行い火葬を済ませたら、委任者が希望した形で遺骨を墓地あるいは納骨堂に収めますが、菩提寺の指定がある場合は菩提寺に連絡するなどして手配を進めていきます。

 

どのような形で遺骨を収めたいかは委任者の希望によるため、葬儀に関する希望だけではなく葬儀を終えた後のことについても細かに契約事項に盛り込むことが大切です。

 

各種行政手続き・公共サービス等の解約・精算

続いて行政手続きや水道光熱などの公共サービスの解約と精算も進めていきます。特に行政手続きの場合は期限が設定されているものも多いため、葬儀準備を行いながら同時に行政手続きも進めていく必要があります。

 

行政手続きの主なものとしては、健康保険や年金の資格喪失・抹消の手続きがあります。委任者が社会保険に加入していた場合は会社側で手続きを行いますが、国民健康保険に加入していた場合は資格喪失届を提出し保険証を返還しなければなりません。期限は死亡日から起算して14日以内ですので、速やかに手続きを進める必要があります。また、国民年金に加入していた場合も同期限内に資格喪失届を提出することになります。

 

忘れてはいけないのが税金の支払いです。死亡したその年度までは課税対象となるため、受任者が変わって納税を行います。

 

同時進行で公共サービスの解約と精算も進めなければなりません。委任者が指定した公共サービスに対し受任者は連絡を入れ、解約と精算の手続きを行います。なお、一般的に公共サービスとは以下のようなものを指しています。

 

 

いずれも解約期限が設定されているものではありません。しかし、手続きが遅くなるほど料金が加算されていったり業者側に損害を与えてしまったりすることが考えられるため、速やかな手続きが求められます。

 

まとめ

死後事務委任契約は、あくまでも委任者が希望し契約書に記したことに基づいて受任者が行動することができるものです。その範囲は多岐にわたり、また委任者がすでに他界していることから主体性も求められるため、第三者に気軽に頼みにくいところがあるのも事実です。

 

そこで多くの人が選択するのは法律職への依頼です。法律の専門家であれば法的な問題が生じたときも適切に対処できますし、何より死後事務委任契約の経験が豊かな事務所であればスムーズな手続きも期待できます

 

当事務所でも死後事務委任契約のご相談をいただきますが、知人などに依頼するにはあまりにも負担をかけすぎてしまうのではないか、というお悩みは共通のようです。逆に全くの第三者で、かつ法律職でもある当事務所だからこそ依頼しやすい点は、ご本人にとって安心材料となるようです。当事務所としても寄り添いながらお話を聞かせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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