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焦らず対応!遺言書に記載されている財産がない場合の相続方法

仮に、遺言書に「〇〇に土地を相続させる」と記載されているにもかかわらず、当該土地がすでに処分済みであったため、実際には相続できないというケースが起こり得ます。ここでは、遺言書に記載されている財産がない場合の相続について説明していきます

 

遺言書に記載のない財産があった場合

「遺言書に記載されている財産が実際にはなかった場合」について説明する前に、「遺言書に記載がなかった財産が見つかった場合」についても触れておきましょう。

 

相続開始に伴い相続人は遺言書および財産目録を確認し、遺言内容に基づいて相続手続きを進めていくことになります。しかし、遺言書および財産目録に記載されていない財産が存在すると分かった場合、どう対処すればいいのでしょうか。

 

例えば、亡くなった親が金融機関Aと金融機関Bにそれぞれ口座と預金を持っていたとします。遺言書では「金融機関Aの預金を〇〇に相続させる」と記載されているものの、金融機関Bの預金については何も記載されていなかったとしましょう。

 

これが「遺言書に記載のない財産」の1つの例であり、誰が相続すべきか相続人が困惑したり揉めてしまったりする原因にもなりかねません。

 

このように、遺言書に記載のない財産については遺言書による遺産分割の対象外とされます。遺言書に記載のある財産は指示にしたがってそれぞれの相続人が相続していきますが、記載のない財産については法定相続割合に基づいて法定相続人が相続することになります。

 

ただし、記載のない財産が預貯金の場合は法定相続割合に基づいて分け合うことが可能ですが、対象となる財産が不動産である場合は簡単に分けることができません。このようなときは、法定相続人が遺産分割協議を行い、どのような形で当該不動産を相続するかを決定する必要があります。

 

遺言書に記載があった財産がない場合

それでは逆に、「遺言書に記載されている財産が実際にはなかった場合」はどうすればいいのでしょうか。この問題について考えるときは、「遺言書の撤回」について知っておく必要がありそうです。

 

遺言書の撤回

遺言者は自らが作成した遺言書をいつでも自由に撤回したり文言追加したりすることができます。このことは民法にも明記されています。

 

(遺言の撤回)

第千二十二条 遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。

※e-Gov「民法」より抜粋

 

ここで、「遺言書に記載されていた財産が相続開始時点でないことがわかった場合」について考えてみましょう。遺言書には「土地を●●に相続させる」と記載されていたのに、その土地がすでに売却されており、相続できる土地がなかったケースを想定してみます。

 

土地が処分された事実は遺言書の内容に抵触するものであり、すでに当該土地を所有していないことからも、遺言内容の撤回があったと見なされます

 

(前の遺言と後の遺言との抵触等)

第千二十三条 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。

2 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。

※e-Gov「民法」より抜粋

 

当然ながら、本来土地を相続するはずだった相続人は土地の所有権を得ることができません。このようなときは、遺言者が土地を処分して得た金銭を遺産として組み込み、法定相続割合に基づいて相続人が相続することになります。

 

まとめ

遺言者が所有する財産の種類や数が多く、遺言書の記載に漏れが発生する可能性がある場合は、遺言書に「この遺言書に記載のない財産については遺産分割協議により相続人が相続する/相続人○○が相続するなどの一文を記しておくといいでしょう。こうすることで、遺言文や財産目録に漏れがあった場合でも、相続人は当該財産についてきちんと対処することができます。

 

当事務所では遺言書作成サポートの一環として、財産目録の作成も承っております。相続人の負担を軽減するためにも、遺言書作成時点で正確に財産内容を把握し、誰に相続してもらいたいかを明確にしておくことが大切です。当事務所の行政書士が丁寧にお話をうかがいますので、遺言書作成についてお困りのときはぜひお気軽にお問い合わせください。

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