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遺言執行者の指定を!遺言書で不動産売却を希望する場合

被相続人が不動産を所有しており、死後はこれを売却して欲しいと考えているケースがあります。手続き上、相続人によるトラブルを避けるためにも、遺言作成時に遺言執行者を指定しておいた方が安心かもしれません。ここでは、遺言書に不動産売却の希望があった場合どう対処すべきか説明していきます

 

死後の不動産売却には遺言執行者の指定を

自分が所有している不動産をそのまま相続させるより、売却して現金化した方が相続がスムーズになることがよくあります。複数の不動産を所有している場合や相続人が複数いる場合などは、不動産を換価した方が公平かつ平和的な相続を実現できるといえそうです。

 

不動産を売却して現金化し、これを相続人に相続させる手続きを「清算型遺贈」といいます

 

相続の形として清算型遺贈を選択したい場合、遺言書で遺言執行者を指定しておくことが大切です。もし遺言執行者がいなければ、相続人の誰が売却手続きの負担を引き受けるのか、手続きを行った報酬はどうするのかなど、トラブルになるケースが少なくありません。また、利害関係者ではない専門家を遺言執行者に指定した方が、特定の相続人に負担させることがなくなるだけでなく、相続人にとって公平かつ不動産売却の確実な遂行が実現できるでしょう

 

遺言執行者の業務とは

遺言執行者になると、おおむね次のような業務をこなしていくことになります。

 

1.就任通知書を送付

遺言書で指定された人物が遺言執行者の任を受け入れることを「就職する」といいますが、就職したあかつきにはすべての相続人に対して就任通知書を送付し、以後の相続手続きにおける権限を持ったことを知らせます。

 

遺言執行者となった人は、ただちに遺言書の内容を実現するために行動を開始する必要があり、まずは遺言書の内容を知らしめるべく相続人に遺言書の写しも送付します。

 

2.財産目録の作成

民法1011条に基づき、遺言執行者はすみやかに財産目録を作成して相続人に交付することが求められています。

 

財産目録を作成するためには、被相続人名義の不動産や預貯金を扱う必要があるため、権利証や銀行口座通帳などの保管および管理、残高証明書や不動産の全部事項証明書の取得などを行います。また、相続人を確定させるために戸籍謄本を収集することも重要な業務の1つです。

 

3.遺言内容の実施

もろもろの準備が整ったら、遺言内容を実現する段階に移行します。遺言で不動産を相続させる指定がある場合は所有権移転登記をしたり、預貯金を相続させる指定があれば銀行口座からの払戻しをしたりします。

 

子の認知や相続人廃除などの手続きが必要な場合は、役所や裁判所に対して必要な手続きを行います。

 

清算型遺贈に関する遺言執行者の業務

被相続人が、先に述べた清算型遺贈(不動産を換価し現金で公平に相続させる)を希望している場合、遺言執行者はこれを実現するための手続きを行うことができます。

 

清算型遺贈の定義

清算型遺贈について詳しく定義してみましょう。

 

被相続人の主な相続財産が現金や預貯金である場合、相続人への分配は比較的スムーズにいくことが多いですが、主な財産が不動産である場合は簡単に分けることができません。そこで、遺言により遺言執行者を指定し、当該人物が不動産を売却して換価して得た代金を相続人や受遺者に遺贈することがあります。これを清算型遺贈といいます。

 

清算型遺贈における遺言執行者の権限

清算型遺贈では、遺言執行者は自らの名義で不動産売買契約を行ったり登記手続きを行ったりする権限を有します。たとえば、売却を前提とした相続登記や不動産の登記識別情報の取得、不動産売却手続きなどが該当します。

 

なお、不動産を売却するまでの間、遺言執行者は当該不動産をしっかり管理する必要があります。不動産が賃貸物件である場合は、手続きが完了するまでの間、遺言執行者がその賃料を預り管理するケースが多いようです。

 

まとめ

遺言執行者を指定していなかった場合、不動産に係るさまざまな手続きを相続人の誰かが引き受けなければなりません。売却手続きや代金の受領、遺言書に基づいた相続人への分配など、その業務は引き受けた人にとって大きな負担になることが考えられ、不満や揉め事の原因となることもあるでしょう。もし、自分が遺すことになる財産に不動産が存在するのであれば、遺言書作成時に遺言執行者を指定しておくことも選択肢の1つになってくるでしょう

 

当事務所では遺言書作成から相続全般の手続きにいたるまで、個別あるいは包括的なサポートを行っております。相続開始後のトラブルを回避するためには、相続後の状況を見越した遺言書の作成が欠かせませんので、ぜひ当事務所の無料相談をご利用ください。

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