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開封は手続き後!裁判所における遺言書の検認の流れ

遺言書には3つの種類がありますが、なかでも自筆証書遺言と秘密証書遺言については家庭裁判所による検認を受けなければ開封できないことになっています。ここでは、遺言書の検認の流れと必要書類について説明していきます

 

遺言により変わる検認の要不要

遺言書は自筆証書遺言・秘密証書遺言・公正証書遺言の3つに分かれますが、種類によっては家庭裁判所による検認を受けて開封することが法律で義務づけられています。検認を受けずに遺言書を開封した場合は、5万円の過料が科せられますので注意しましょう。

 

(遺言書の検認)

第千四条 遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。

2 前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない

3 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。

(過料)

第千五条 前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する

※e-Govより抜粋

 

検認の対象となるのは自筆証書遺言と秘密証書遺言の2種類です。公正証書遺言および法務局による遺言書保管制度を利用した自筆証書遺言については、検認を受けずに開封することができます。

 

なお、検認とは、遺言書が正しい形式で作成されているかどうかを確認し、紛失や改ざんを防ぐために行われる手続きです。遺留分の有無など遺言書の内容そのものをチェックするわけではありませんので、遺言書作成時には専門家の助言を受けることをおすすめします。

 

検認の流れ

家庭裁判所による検認はどのような流れで進められていくのでしょうか。必要書類とともに整理していきましょう。

 

1.相続人の確定

当該相続における法定相続人が誰なのかを確定します。

 

(子及びその代襲者等の相続権)

第八百八十七条 被相続人の子は、相続人となる。

(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)

第八百八十九条 次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。

一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。

二 被相続人の兄弟姉妹

(配偶者の相続権)

第八百九十条 被相続人の配偶者は、常に相続人となる。

※e-Govより抜粋

 

民法によれば、配偶者・子・親や兄弟姉妹が法定相続人の範囲となります。ただし、相続順位は以下の通りであり、子がいなかった場合に限り被相続人の親または兄弟姉妹を法定相続人とします。

 

【法定相続人のパターンと相続順位】

 

2.戸籍謄本などの収集

遺言書の検認に際し、法定相続人と遺言者の関係性を証明するすべての戸籍謄本を取得する必要があります。

 

3.家庭裁判所への申立て

遺言書を発見または保管していた相続人が代表となり、管轄の家庭裁判所に検認の申立てを行います。

 

【必要書類】

※裁判所により指定の金額が異なる場合がありますので、あらかじめ申立て先の家庭裁判所に確認しておきましょう。

 

4.検認期日の調整と決定

申立て後、家庭裁判所から申立人に対して検認期日の調整連絡が来ます。また、期日が決定したら、すべての相続人に対して検認期日の通知が送られます

 

5.遺言書の検認

検認期日には、申立人および他の相続人が家庭裁判所に集まり、遺言書の開封に立ち会います(申立人以外の立ち会いは任意)。検認に際し、次の書類などを用意し持参しますので忘れないようにしましょう。

 

【検認期日に持参するもの】

※検認期日の通知書に同封されていた場合は、検認済証明申請書や原本還付申請書も持参

 

6.検認済証明書の交付

検認後は調書の作成をもって修了となります。遺言書の内容を実行するためには、遺言書に検認済証明書の添付が求められるので、忘れず交付を受けましょう。

 

まとめ

検認手続きは決して難しいものではありませんが、最も手間と労力を要するのが戸籍謄本の収集です。法定相続人といっても順位がついており、順位が離れるほど遺言者との関係性を証明する書類が多く必要になるからです。このため、検認にまつわる書類取得・収集を専門家に任せる人も多いといえます。

 

検認手続きに伴う戸籍謄本の収集や遺言書の取り扱い、相続全般に関してお困りの方は、ぜひ当事務所の無料相談をご利用いただき、お気軽にお問い合わせください。

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