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相続権の剥奪!本人および遺言書により相続人廃除を行う方法

相続人である配偶者や子が被相続人(遺言者)に対して悪行・非行におよんでいた、というケースも散見されます。ここでは、本人および遺言書により相続人廃除を行う方法について説明していきます

 

相続人廃除の対象となる事由

すべての家庭が円満というわけではなく、なかには配偶者との関係・親子関係に問題があるケースがみられます。たとえば次に挙げる例が当てはまります。

 

 

このように、相続人に著しく程度のひどい悪行・非行があった場合、被相続人たる人物は当該配偶者や子についてその相続権を剥奪することができます

 

相続人廃除の方法は2つ

相続人を廃除するには、次の2つの方法のうちいずれかによって手続きする必要があります。

 

  1. 被相続人がまだ存命のうちに自ら家庭裁判所に相続人廃除の申立てを行う
  2. 相続人廃除について遺言書に記し遺言執行者が家庭裁判所に申立てを行う

 

生前あるいは死後いずれの手続きでも相続人を廃除することができますが、被相続人本人の意思によるものであることが大前提です。したがって、他の相続人が相続人廃除の申立てに関与することはできません

 

相続人廃除が認められる可能性は低い

被相続人にしてみれば、長年に渡る家庭内暴力や浮気など心身に大きな傷を負わされたことから、できれば自分名義の財産を相手に相続させたくない、と考えるのも自然なことかもしれません。

 

しかし、法律が相続人に認めた相続権を剥奪する行為もまた非常に重たいものであり、裁判所としても審理に大変慎重になります。相応の事情があったとしても、もし被相続人にも過失があると判断されれば、相続人廃除の申立ては通らないことになるでしょう。相続人廃除は非常に繊細かつ重大な手続きであり、決して簡単に認められるわけではないことを理解しておきましょう。

 

生前および遺言書による相続人廃除の請求

すでに述べた通り、相続人廃除の請求は、被相続人が健在なうちに行うこともできますし、遺言書を通して遺言執行者に手続きしてもらうこともできます。

 

健在なうちに自ら家庭裁判所に申立てを行う

自分自身がまだ元気なうちに、自ら家庭裁判所に対して相続人廃除の申立てを行うことができます

 

(推定相続人の廃除)

第八百九十二条 遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。

※e-Govより抜粋「民法」

 

管轄の家庭裁判所に対し、推定相続人廃除の審判申立書・申立人の戸籍謄本・廃除したい相続人の戸籍謄本に手数料分の収入印紙を加えて提出します。これにより家庭裁判所では推定相続人廃除の審判が行われますので、当該相続人を廃除する旨の審判がくだされたら、期限内に役所に届出を行いましょう。受理されると、当該相続人の戸籍謄本に「推定相続人廃除」の旨が記載されることになります。

 

遺言書で相続人廃除の意思表示を行う

相続人廃除は遺言書を通して自らの意思表示をすることもできます。

 

生前に同申立てを行った場合、当該相続人の戸籍謄本に推定相続人廃除の旨が記載されてしまうため、それが原因で暴力行為や嫌がらせを受けてしまうリスクがないとも言い切れないでしょう。遺言書に相続人廃除について記載する方法を採れば、自分自身の死亡後に当該相続人の相続権を剥奪することができるので、あえて遺言書を介した意思表示する人もいるのです。

 

遺言書に記載された相続人廃除の申立ては、遺言執行者によって行われます。

 

(遺言による推定相続人の廃除)

第八百九十三条 被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければならない。この場合において、その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。

※e-Govより抜粋「民法」

 

直接相手と顔を合わせることなく相続人廃除の申立てができる点はメリットといえますが、現場の混乱を抑えるためにも、あらかじめ対策を講じておくことが必要です。

 

 

まとめ

遺言書で推定相続人廃除を行う場合は、その理由をきちんと明記し、他の相続人や第三者が遺言書を読んでも「廃除すべき」と判断できるよう、丁寧に作成する必要があります。

 

大変繊細なテーマを含むことになりますので、遺言書案について検討する際はぜひ当事務所によるサポートをご利用ください。行政書士が丁寧にご事情をうかがい、適切と思われる文面をご提案いたします。

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