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早めの準備が肝心!事業承継を行うべきタイミングとは
経営者は、みずからが高齢化していくにつれ、事業の行く末を考えるようになるものでしょう。ここでは、事業承継を行うべきタイミングについて説明していきます。
事業承継前に確認すべきポイント
事業承継を進めるためには、事業承継計画書の作成や後継者の選定、税金対策や株式譲渡(または相続あるいは贈与)の手続きなど、いくつものプロセスを経ていかなければなりません。事業承継を行うと決めてから実際に承継が完了するまでには、年単位の時間が必要ともいわれているため、あらかじめ重要ポイントを理解しておくことが大切です。
会社の経営状態を正しく把握しておく
会社が保有する株式の数や名義人、会社としての資産状況など、財務を中心とした状況把握が欠かせません。後継者に会社の状況を理解してもらうためにも、財務書類は丁寧に作成しておきましょう。
財務上の問題がある場合は、その原因を究明したうえで改善策を検討し、見通しをつけた状態で後継者と話し合うことも大切です。問題がある状態のまま事業承継をおこなうことは大変困難ですし、後継者の意欲にも影響しかねないからです。
後継者の素質を確認しておく
1つの会社・事業所の承継は、決して軽い気持ちでできるものではありません。後継者たる人物が明確なビジョンを持ち、会社・事業所経営に対する高いモチベーションを持っていることが不可欠です。
親族内承継を行うにしても第三者承継を行うにしても、後継者の素質は必ず確認しなければならないでしょう。たとえば以下に挙げるような点に注意してみるといいかもしれません。
- 事業を受け継ぐことに高いモチベーションを持っている
- 会社や事業所が抱える問題点に取り組み改善する意欲がある
- 事業に対する具体的なビジョンを持っている など
どうしても適切な人材が見つからない場合は、M&Aも視野に入れる必要性が出てくるでしょう。ただし、M&Aは最終的な手段ですから、できるだけ時間をかけて丁寧に後継者を探していくことが大切になります。
経済産業省データ「事業承継のタイミング」
経済産業省の資料として、日本政策金融公庫が2009年に実施した「中小企業の事業承継に関するアンケート」のデータが公開されています。当該データからは、全国の経営者の年齢と事業承継のタイミングに関する情報を読み取ることができます。
次に、後継者が事業を承継するのに、最適な年齢を見てみる。第2-3-4図は、事業承継時の現経営者の年齢別に、事業承継のタイミングを示したものであるが、「ちょうど良い時期だった」と回答する割合が最も高い年齢層は、40~49歳である。
事業承継のタイミングについて、具体的で理解しやすいものを示すため、「ちょうど良い時期だった」と回答する現経営者の承継時の平均年齢を見ると、43.7歳となる。この年齢と、最近5年間の、現経営者の承継時の平均年齢(50.9歳)を比べると、最適な年齢は、実際の年齢よりも約7年早く、また、「もっと早い時期の方が良かった」と回答する現経営者の承継時の平均年齢(50.4歳)でも、実際の平均年齢を下回っており、後継者への事業承継は、総じて遅れているものと推測される。
※経済産業省資料より抜粋
データによれば、事業承継について動き始める年代は40代が最も多くなっていますが、実際の承継は50代に入ってからであることがわかります。事業承継について検討し始める時期と実際に承継が行われる時期にタイムラグがあることから、時間を要するものであることがうかがえるでしょう。
では、具体的なタイミングはどのようにして図ればいいのでしょうか。
事業承継を行うべきタイミング
事業承継は、経営者側と後継者側の状態がそれぞれ整ったタイミングで行われることが理想的です。具体的には、次のような状態が整ったときを目安にし、手続きを開始するといいかもしれません。
【経営者側】
- 事業計画書の用意
- 財務諸表の用意
- 会社の課題の確認と改善策の提案
- 従業員・取引先・顧客に対するスムーズな引き継ぎの用意 など
【後継者側】
- 事業を継ぐための十分な熱量
- 経営状態や今後の方針への十分な理解
- 従業員や取引先との顔合わせ完了
- 十分な現場研修
まとめ
事業承継のタイミングについて説明してきましたが、会社・事業所によって経営状況は異なりますし、ベストなタイミングも変わってくるのが実情です。できるだけ専門家に相談しながら、適切な頃合いを見定めることをおすすめします。
当事務所では、行政書士を窓口として、司法書士や税理士といった専門家との連携を活かして事業承継のトータルサポートを行っています。無料相談をご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。