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どうやって取る?相続人全員の戸籍謄本の請求方法
遺産相続の際には、被相続人の戸籍謄本だけではなく相続人全員の戸籍謄本も必要になってきます。ここでは、相続人全員の戸籍謄本をどうやって取得するか説明していきます。
戸籍謄本が必要な相続手続き
被相続人の戸籍謄本をひもとくことによって法定相続人を確定させたら、すべての相続人についてそれぞれ戸籍謄本を取得しなければなりません。関係者すべての戸籍謄本が揃ったところで初めて次のような相続手続きが可能になるのです。
ただし、被相続人が遺した財産評価額が基礎控除額より低い場合などは、相続手続きを行う必要がありません。
相続人の戸籍謄本を必要とする手続き
不動産の名義変更手続きである相続登記や相続税申告などを行う際、相続人の戸籍謄本が必要になります。具体的には、次の手続きを挙げることができます。
- 不動産の相続登記(名義変更)
- 預貯金を払い戻すための名義変更
- 有価証券を売却したり解約したりするための名義変更
- 自動車を利用したり売却したりするための名義変更
- 相続税の申告
- 相続放棄および限定承認の申し立て など
これらは主な手続きであり、実情としては被相続人名義だった財産を引き継ぐほとんどの場合において相続人の戸籍謄本が必要になるといえるでしょう。
相続人の戸籍謄本の取得方法
法定相続人を確認するための書類として、相続人全員の戸籍謄本が必要です。遺産分割協議を経て相続分が決まったときも、手続き上、すべての相続人の戸籍謄本が必要になる可能性があるため、あらかじめ全員分を取得しておいた方が無難です。
なお、戸籍謄本は本人の本籍地のある市区町村で発行されるため、現住所と本籍が異なる場合は、現住所の役所で戸籍謄本を取得できないこともあります。希望すれば郵送での取得にも対応してもらえますので、あらかじめ当該市区町村に確認しておくことが大切です。たとえば、札幌市で戸籍謄本を取得する場合について、市ホームページの情報を整理しておきましょう。
札幌市各区役所に出向いて戸籍謄本取得する場合
本籍が札幌市内にある場合、市内各区役所窓口で戸籍謄本を請求することができます。手数料は戸籍謄本が1通あたり450円、戸籍の附票が1通あたり350円などとなっています。
マイナンバーカードを所有している人は、全国のコンビニエンスストアなどで戸籍謄本を取得することができますので便利です。
コンピューター化以前の戸籍が必要な場合
札幌市では、平成13年(2001年)から平成15年(2003年)にかけて、戸籍をコンピューター化しています。このため、同期間以前の戸籍が必要な場合は、戸籍謄本にあわせて改製原戸籍を請求する必要があります。手数料は、戸籍謄本1通450円+改製原戸籍1通750円です。
各区における戸籍コンピューター化実施日は次の通りです。
- 中央区・厚別区・清田区・手稲区:平成13年3月3日
- 東区・豊平区・南区:平成14年3月2日
- 北区・白石区・西区:平成15年3月1日
札幌市から郵送で戸籍謄本を取得する場合
札幌市から郵送で戸籍謄本を取得したい場合、札幌市証明郵送センターに連絡して請求することができます。必要書類を同センターに送付すると、通常10日間ほどで札幌市各区が発行する戸籍謄本が送られてくるので、現在遠方に住んでいる人はぜひ検討したい方法だといえます。
代理人が戸籍謄本を請求する場合
直系血族以外の代理人が請求するか第三者の代理人が請求するかによって、委任状など必要書類の内容が変わってきます。
直系血族以外の親族が代理人となって請求する場合
被相続人の直系血族以外の親族が代理人となって戸籍謄本を請求する場合、次の書類が必要になります。
- 請求書
- 運転免許証などの写真付き身分証明書
- 委任状
- 委任者本人(直系血族の人)が記入した委任状(任意代理人の場合)
- 札幌市以外の市区町村から取得した戸籍謄本や登記事項証明書など法定代理人としての資格を証する書類(法定代理人の場合)
第三者の代理人が請求する場合
本人など以外の第三者が代理人として戸籍謄本を請求する場合、以下の書類が必要になりますが、特に請求理由を疎明する資料は不足のないよう丁寧に作成しなければなりません。
- 請求書
- 運転免許証などの写真付き身分証明書
- 疎明資料(請求に至るまでの経緯や対象者との関係が分かる書類等)
なお、「第三者」とは次の条件を満たす人を指しています。
- 自己の権利行使や義務の履行を目的として戸籍謄本を必要とする人
- 国や地方公共団体など公的機関に戸籍謄本を提出する必要のある人
- その他、戸籍謄本の請求・利用に正当な理由がある人
専門家への依頼を検討することも
行政書士や司法書士、税理士や弁護士は、たとえば遺産分割協議書の作成上必要な場合に他人の戸籍謄本を取得できる「職務上請求」が可能です。ただし、戸籍収集のみを目的として依頼する場合は、委任状を必要とします。
自分や親族、親しい関係の人に代理人を依頼できない場合などは、専門家に相談したうえで依頼することを検討してもいいかもしれません。
まとめ
相続人全員の戸籍謄本を取得するには、想像以上の手間と労力を要する場合があります。相続人の人数が多い場合や、相続人が戸籍謄本の取得に協力してくれない場合など、なかなかスムーズにいかないことも少なくありません。
相続に関する問題解決のヒントを掴むために、あるいは相続手続きを丸ごと任せるために専門家に相談するのも1つの方法です。札幌市ではトップクラスのご相談・ご依頼実績を誇る当事務所では、無料相談をご用意しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。