fbpx

トップページ > 元気なうちに備えておこう!相続前に準備すべきペット対策

元気なうちに備えておこう!相続前に準備すべきペット対策

ペットを家族の一員として大切に育ててきた場合、飼い主である自分が亡くなった後のペットの扱いについて心配になるかもしれません。ここでは、相続前に準備しておけるペット対策について説明していきます

 

「ペット」の法的位置付け

民法第85条に基づきペットは物として扱われるため、飼い主が亡くなったときは相続財産の一部となります。

 

(定義)

第八十五条 この法律において「物」とは、有体物をいう。

※民法より抜粋

 

飼い主が亡くなったときは、遺言書があればこれにしたがい、遺言書がなければ遺産分割協議を行ってペットを相続する相続人を決定します。なお、遺産分割協議ですべての相続人が合意にいたるまでの間、ペットは全相続人の共有財産になる点に注意しましょう。

 

ペットの飼育にかかる費用

ペットは生き物ですから、食事や排泄の世話をしたり必要に応じて怪我や病気の治療を施したりする必要があります。ペットの相続人が決まるまでの間、ペットの所有権は全相続人が持つことになりますので、飼育にかかる費用は民法第885条「相続財産に関する費用」として、相続財産の現金や預貯金から捻出することが想定できます。

 

(相続財産に関する費用)

第八百八十五条 相続財産に関する費用は、その財産の中から支弁する。ただし、相続人の過失によるものは、この限りでない。

※民法より抜粋

 

遺産分割協議が成立しペットの所有者が決まったら、それ以後の飼育費用はペットを相続した相続人が自ら支払うことになります。

 

ペットに財産を相続させたい場合

前述の通り、ペットは法的に「物」として扱われるため、被相続人がペットに財産を遺すことはできません。遺言書を使い「ペットに財産を相続させる」旨を記載したとしても、法的な効力を持たないのです。

 

もし、被相続人がペットの飼育費用を現金あるいは預金として保有していたとしても、相続が起こればそれら財産はペット用として分けられることはなく、法定相続割合に基づいて相続人の手に渡ります。

 

このため、自分の死後のペット飼育を案じるのであれば、生前に対策を採っておくことが必要です。ペットの飼育を引き受けてくれる人を決めておき、世話をしてくれることを条件として財産を相続させたり贈与したりする方法を検討してみましょう。

 

特定の相続人にペットを相続させる場合は、飼育費用と謝礼分を合わせて相続させるといいかもしれません。第三者にペットを託す場合は、「ペットの世話をしてくれる代わりに財産の一部を渡す」という契約を結ぶ必要があります。たとえば、負担付贈与(生前贈与)・負担付死因贈与・負担付遺贈がこれに当たります。

 

負担付贈与

自分が亡くなったときに備えて、ペットの世話を引き受けてくれることを条件に財産を贈与する、という契約が負担付贈与です。まだ健在であるうちに結ぶ契約ですので、生前贈与の一種となります。

 

負担付贈与とは、受贈者に一定の債務を負担させることを条件にした財産の贈与をいいます。

※国税庁ホームページより抜粋

 

負担付死因贈与

遺贈者の死亡により効力を発揮するのが負担付死因贈与です。ペットの世話を任せる代わりに財産を贈与する、という視点では負担付贈与と似ていますが、負担付贈与が生前に発行する契約であるのに対し、死因贈与は遺贈者の死亡をもって効力を発揮する点で異なっています。

 

負担付遺贈

「財産を渡す代わりにペットの世話を頼みたい」場合に利用できるもう1つの方法が、負担付遺贈です。遺言書で受贈者を指定し、「ペット飼育の依頼」と「財産遺贈」を合わせて行うものになります。

 

ただし、遺贈は遺言書による一方的な意思表示であることから、指定された人物がこれにしたがうことを強制できない点に注意しましょう。自分の死後、遺贈がスムーズに行われるよう、あらかじめ受贈者とよく話し合ってお互いに了解し、そのうえで遺言書を作成することが必要です。

 

相続や贈与以外のペット対策

相続人や受贈者の生活環境、あるいはその希望などにより、ペットの世話を引き受けることができない場合も考えられます。そのようなときに備えて、専門サービスを契約しておくことも方法の1つです。

 

代表的なのがペット信託サービスです。

  1. ペット飼育費用に関する財産管理についてペット信託会社と契約を結ぶ
  2. 飼い主の死亡によってペットが信託会社に引き取られる
  3. ペットの体調や年齢などを考慮し里親探しあるいは老犬老猫施設への移住が実施される

 

信託会社にペット飼育費用を移転しますので、飼い主の死後もペットに必要な金銭を確実に確保することができます。

 

まとめ

家族として可愛がってきたペットに不憫な思いをさせないためには、飼い主がまだ元気なうちから自らの死後を見据えた対策を採っておくことがとても大切です。負担付贈与や負担付遺贈、ペット信託サービスの利用など、適切な方法を探すためにも、まずは相続手続きの経験豊富な当事務所の無料相談をご利用ください

無料相談の予約はこちら