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権利も相続できる?借地権・借家権の相続と評価額計算

土地や家屋を借りている状態とは、借地権や借家権を有している状態ともいえます。ここでは、借地権や借家権の相続税評価額について説明していきます

 

借地権・借家権とは何か

借地権とは、建物を建てることを前提として土地を借りる権利のことをいいます。したがって、建物を要しない駐車場などは、借地権の対象から除外されます。

 

借家権とは、生活に直結する家屋を借りる権利のことをいいます。家の所有者との賃貸借契約のもとに家を借りた場合、借家権や貸借権が生じることになるのです。

 

借地権・借家権とも相続財産としてみなされますので、遺言書あるいは遺産分割協議により相続人がこれら権利を相続することになります。

 

借地権・借家権の相続

借地権や借家権の相続人は、土地や家屋の貸主と締結した賃貸借契約について、借主の名義変更を行うことが勧められます。また、借地権・借家権の相続税評価額を計算し、相続税額に反映させなければなりません

 

借家権の相続

被相続人が世帯主であった場合、相続人である同居の妻や子は当然に借家権を引き継ぎますので、被相続人の死後も継続して住み続けることができます。相続人が複数にわたる場合、借家権を相続割合に応じて相続することも可能ですが、実際問題として権利関係が複雑になり、居住環境に影響することも考えられますので注意しましょう。

 

借家権の相続税評価額の算出方法

借家権の相続税評価額は、次の計算式によって導き出すことができます。

 

建物の固定資産税額×(1-借家権割合×賃貸割合)

 

固定資産税額は、毎年送られてくる固定資産税課税証明書に記載された金額を使います。借家権割合は全国一律で30%です。また、賃貸割合とは、全部屋のうち現に貸し出されている部屋の割合を指しており、戸建ての場合は100%となります。

 

【計算例】

※以上の数値を計算式に当てはめると、「2,000万円 ×(1-0.3×1)=1,400万円」となり、借家権の相続税評価額が1,400万円であることがわかります。

 

借地権の相続

相続財産のなかに借地権が見つかった場合、何らかの手続きを行う必要があるのでしょうか。実は、土地の所有者からの承諾は必須ではありませんが、借主が死亡して相続人が次の名義人となる旨は連絡した方がいいでしょう。できれば賃貸借契約書の名義変更も行ったうえで、引き続き土地利用(家に居住)するのが良いと考えられます。

 

借地権の相続税評価額の算出方法

借地権の相続税評価額は、国税庁による路線価図(財産評価基準書)を確認し計算します。

 

路線価図を活用し、たとえば「札幌市中央区大通西11丁目」について調べてみると、地図上に数字とアルファベットで「600C」と記載されていることがわかります。数値は1㎡あたりの路線価を示しているので、この場合は1㎡あたり600,000円ということになります。また、アルファベットは借地権割合を示しており、上記例ではC(70%)であると覚えておきましょう。

 

札幌市中央区大通西11丁目に100㎡の住宅用地があり、借地権者がそこに家を建てていた場合について考えてみます。次の計算式によって借地権評価額を求めることができます。

 

自用地評価額✕借地権割合=借地権評価額

600,000円(路線価)×100(㎡)× 70%(借地権割合)=4,200万円

 

借家権・借地権の相続手続き

借家権・借地権を相続するときの手続きは、一般的に次の流れを辿ります。

 

  1. 遺言書にしたがう/遺産分割協議で相続人を決定する
  2. 地主あるいは家主に相続の開始を報告
  3. 賃貸借契約書の名義変更を行う(場合による)

 

1.遺言書にしたがう/遺産分割協議で相続人を決定する

遺言書が遺されており、そのなかで借家権または借地権の相続人が指定されていた場合、その人物が相続します。

 

遺言書があっても借家権または借地権の相続に関する記載がない場合、または遺言書が遺されていない場合は、遺産分割協議を行い、相続人や相続割合について決定します。

 

2.地主あるいは家主に相続の開始を報告

家屋や土地の所有者には、被相続人が亡くなったため相続人が相続する旨を連絡しておきましょう。これに伴い、以下の通り賃貸借契約書を作成し直すこともあります。

 

3.賃貸借契約書の名義変更を行う(場合による)

家や土地を借りるうえで、今まで被相続人名義で賃貸借契約を交わしていましたが、相続の開始により名義人が変更になります。貸主・借主双方が名義変更に合意した証として、賃貸借契約書の名義変更をしておくと良いでしょう。

 

まとめ

現金や預貯金、不動産といった「わかりやすい財産」とは異なり、借家権・借地権は目に見えない「権利そのものが財産」であるため、相続の在り方に混乱してしまうかもしれません。

 

借家権・借地権ともに相続税評価額を算出して相続税を納めなければいけませんので、相続手続きを進める一方で、税理士の助けを得て正しい税額を算出することが重要です

 

当事務所では、相続手続きの経験豊富な行政書士を窓口として、税理士や司法書士といった専門家と連携しトータルサポートを行っています無料相談もご用意しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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