fbpx

トップページ > 非課税枠は適用?相続放棄した相続人の生命保険受け取り

非課税枠は適用?相続放棄した相続人の生命保険受け取り

相続放棄をすると生命保険を受け取れなくなるのではないか、と心配するケースは少なくありません。ここでは、相続放棄した人が生命保険金を受け取った場合の相続税算定について説明していきます

 

生命保険金は受取人固有の財産

亡くなった家族にかけられていた生命保険金は、あらかじめ指定されていた受取人が受け取ることになります。亡くなった被相続人にかけられていた生命保険だからこそ、その保険金も相続財産に含まれるのではないかと考える人もいるでしょう。しかし、たとえば親の保険の受取人が子に指定されていた場合、保険金は子に認められた固有の財産となるため、相続財産とは別に扱われることになるのです。

 

したがって、亡くなった被相続人が多額の借金を残して亡くなった場合などは、相続放棄によって負の財産を受け継がず、その一方で生命保険金を受け取ることが可能です。

 

「受取人が誰か」に注意

相続放棄した相続人が生命保険を受け取るにあたり重要なのは、「指定された受取人が誰か」という点にあります。受取人が誰かにより、生命保険金の非課税枠を使えるか課税されるかが変わってくるからです。

 

【受取人が相続放棄した相続人の場合】非課税枠を使うことができる

【受取人が亡くなった被相続人の場合】相続財産として課税される

 

生命保険金の非課税枠の考え方や計算式については後述します。

 

「生命保険の種類」に注意

生命保険のなかには入院給付金を備えたものがあり、被相続人が亡くなる前までに発生した入院給付金が生命保険金と合わせて給付されることも珍しくありません。ただし、入院給付金は生命保険金とは別に受取人を指定できるため、やはり「受取人が誰か」によっては相続税の課税対象となるのです。

 

たとえば、受取人が亡くなった被相続人の場合、入院給付金は被相続人の財産とみなされるため、相続税が課税されます。相続人が相続放棄した場合は、入院給付金を含む財産一切を相続することはできません。

 

非課税枠の考え方と計算式

受取人が相続人である生命保険金は受取人固有の財産ですが、税法上は相続税の計算対象となります。厳密には相続財産ではないものの、被相続人が亡くなったことによって財産が発生し受取人がその所有権を得ることから「みなし財産」として扱われるのです。

 

生命保険金を含むみなし財産は、相続税の計算上、必ず算入する必要があります。

 

【例】

 

上記例については考えてみましょう。子Aが生命保険金5,000万円を受け取り、子Bが預貯金6,000万円を相続したとします。このとき相続税は、生命保険金5,000万円+預貯金6,000万円=1億1,000万円についてかかります。

 

すべての財産から生命保険非課税枠分を控除

一方、生命保険には非課税枠が設けられており、【500万円×法定相続人の人数】分までであれば課税されません。ただし、次の点について注意しましょう。

 

(※相続放棄した相続人が受け取った生命保険金全額に対して課税される)

 

先ほどの【例】で考えてみます。

 

【例】

 

生命保険の非課税枠は【500万円×2=1,000万円】ですので、子Aが受け取る生命保険金5,000万円から1,000万円を差し引いた4,000万円が課税対象となります。ただし、子Aが相続放棄した場合、子Aは生命保険金5,000万円を受け取ることはできますが、非課税枠は適用されません。

 

◆子Aが相続放棄しなかった場合

(預貯金6,000万円+生命保険金5,000万円)-非課税枠1,000万円=合計1億円に対して課税

◆子Aが相続放棄した場合

(預貯金6,000万円+生命保険金5,000万円)-非課税枠は適用されず=合計1億1,000万円に対して課税

 

まとめ

生命保険金は受取人固有の財産とされていますが、相続税を計算する際には必ず組み込まれることになります。生命保険の非課税枠を活用することで課税対象額を軽減させることが可能ですが、保険の受取人が誰か・受取人が相続放棄しているか・どのような保険商品かといった条件により、計算方法は変わってきます。

 

自分のケースではどのような計算式になるのか、最終的な相続税額はいくらになるのかなど、法律に基づいて算出する必要がありますので、できるだけ専門家に相談し正しく納税することが大切です。

無料相談の予約はこちら