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相続登記義務化!共有名義の土地に関する対応
相続財産に土地が含まれていた場合、法定相続割合に基づいて相続人が持分を取得するか、または特定の相続人が土地を相続することになります。実際、複数の相続人がそれぞれ持分を相続し共有名義となる土地は決して少なくないのです。ここでは、相続登記義務化にあたり共有名義の土地をどうすればいいか説明していきます。
土地を共有名義にするメリットとデメリット
被相続人が土地や預貯金、有価証券など複数の財産を所有していた場合、相続人は遺産分割協議あるいは遺言書の指示にしたがい、それぞれの相続財産を受け継ぐことが一般的です。しかし、次のようなケースに該当する場合、1つの土地を共有名義で相続することも多々あります。
- 主な相続財産が土地であるため分割ができない
- 遺産分割協議で揉めたため法定相続割合に基づく共有持分を相続した
土地や建物は実際に分けることができませんので、複数の相続人が相続した場合、どうしても共有名義になってしまいます。また、遺産分割協議を行っても決着がつかない場合、その場を収めるためにひとまず法定相続割合に基づいて共有名義とすることも少なくありません。
ただし、名義人が複数いる場合でも、当然ながら相続登記は必要です。
令和6年(2024年)からは相続登記義務化がスタートしますので、土地の名義人が1人であっても複数人であっても漏れなく手続きを行わなければいけなくなります。相続登記義務化は所有者不明土地の解消を主な目的とするものですが、土地の所有者側にとってはメリットもデメリットもあるのが事実です。義務化の両側面についてみていきましょう。
共有名義にするメリット
法定相続割合に基づいて土地の持分を分割し、複数の相続人による共有名義にする場合について考えてみましょう。相続人の間で細かな調整を行い、土地を含む相続財産を公平に分け合うことができれば最善ですが、話し合いがうまくいかないこともあります。
そのようなとき、共有名義にすることで、相続登記という義務を果たすこと自体は可能になるのです。ひとまず義務を果たすことはできますので、相続人間での合意に時間がかかりそうなケースではメリットとなるでしょう。
共有名義にするデメリット
土地を共有名義で相続することにはデメリットもあります。
相続税の申告期限が10ヶ月間と短いなか、期限内に相続登記を済ませるためには、共有名義は便利な方法かもしれません。しかし、土地を明確に分け合うことはできないため、将来的に売却や活用などの必要性が出てきたときは、名義を共有する他の相続人と話し合い合意を取り付ける必要があります。このとき、相続人同士の利害が一致せず揉めるケースも見られますので、土地の将来的活用・処分について取り決めを行ってから共有名義として相続登記するといいでしょう。
共有名義の土地の相続登記タイミング
相続土地を共有名義にして登記手続きを行うメリットとデメリットについて説明しましたが、具体的にはどのタイミングで相続登記を行えばいいのでしょうか。
3年以内に共有登記を行う
令和6年(2024年)から始まる相続登記義務化では、「土地の所有権が自分にあることを知ってから3年以内」に相続登記を行えば罰則の対象にはなりません。ただし、3年以内に共有名義人である全相続人が話し合って解決策を見出す必要があります。
また、共有名義から単独名義への変更に合意ができたとしても、次のような問題点が発生すると想定されますので、あらかじめ理解しておきましょう。
- 単独名義による登記手続きをあらためて行う必要がある
- 登録免許税を納める必要がある
※登記手続きも登録免許税の納付も、共有名義を含め2回行うことになります。
相続開始後に相続人申告登記を行う
遺産分割協議が難航しそうな様子が見えたら、すみやかに相続人申告登記を行うといいでしょう。当該手続きを行うことで相続登記を済ませたことになるため、3年以内という期限を心配することはありません。ただし、遺産分割協議が無事に終わったら、そこから3年以内にあらためて相続登記を忘れず行わなければいけません。
まとめ
相続登記義務化は令和6年(2024年)からスタートしますが、現時点から速やかな登記手続きを行うよう心がけましょう。
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