fbpx

トップページ > 財産はどうなる?独身者の場合の相続手続き

財産はどうなる?独身者の場合の相続手続き

独身で配偶者や子がおらず、両親はすでに他界しており、兄弟姉妹もいない場合の相続はどうなるのでしょうか。ここでは、独身の人が亡くなったとき相続人が誰になるか説明していきます

 

独身の人の法定相続人

独身の人が亡くなったとき、その法定相続人は誰になるのでしょうか。相続順位ごとに整理していきます。

 

1.父母

配偶者・子ともにいない場合、独身の被相続人の法定相続人はその父母となります。父母のうちいずれかがすでに亡くなっていた場合は、健在である親1人が財産を相続します。たとえば父が亡くなっている場合は母のみが、母が亡くなっている場合は父のみが法定相続人となるのです。

 

また、両親がすでに離婚している場合でも、戸籍上の父母であることに違いはないため、両者とも法定相続人になります

 

2.祖父母

すでに被相続人の父母が他界しているが祖父母が健在である場合は、祖父母が法定相続人となります。被相続人の年齢によってはすでに父母・祖父母とも他界している可能性があり、その場合はい次順位の法定相続人が財産を相続します。

 

3.兄弟姉妹

被相続人の父母・祖父母がすべて亡くなっている場合、次順位の法定相続人は被相続人の兄弟姉妹になります。なお、兄弟姉妹もすでに亡くなっているときは代襲相続が発生し、兄弟姉妹の子(甥または姪)が法定相続人です

 

4.父母・祖父母・兄弟姉妹がいない場合は相続人不存在

被相続人の父母・祖父母・兄弟姉妹がすべて亡くなっている場合は、法定相続人となる人物が存在しないことになり、「相続人不存在」として扱われます。相続人不存在の場合の手続きについては次章で説明します。

 

相続人不存在の場合の手続き

法定相続人となる人物がすでに亡くなっているなどして「不存在」と認められた場合は、通常の相続手続きとは異なる形で被相続人の財産管理や清算が行われます。

 

相続財産清算人の選任

被相続人の財産管理や清算などの手続きを行うためには相続財産清算人を選任することが必要です。本来であれば相続人が行うべき財産管理を、相続財産清算人が担うことになります。

 

官報における公示

選任の申立を行う人物は受遺者や債権者、検察官などであり、家庭裁判所に申し立てることによって、まずは選任の手続きが行われます。相続財産清算人が選任されたら、選任の旨および相続権の主張などを最低でも6ヶ月にわたり官報で公示し、相続人が申し出るのを待ちます

 

また、相続財産清算人選任および相続権の主張を公示すると同時に、債権者や財産の受遺者などに対し請求の申し出を行うよう2ヶ月以上にわたり催告を行います

 

相続人が現れた場合

公示期間中に相続人が現れたら、相続財産清算人による相続財産管理手続きはストップします。ただし、当該相続人が相続放棄した場合は、相続人不存在として相続財産清算人が引き続き財産管理を行うことになるでしょう。

 

特別縁故者が現れた場合

公示期間中に名乗り出なかったとしても、期間終了後3ヶ月以内に限り、被相続人と特別な関係にあった人物は特別縁故者の相続財産分与を申し立てることができます

 

ただし、誰でも特別縁故者として認められるわけではありません。裁判所ホームページによれば、申立人となれるのは「被相続人と生計を同じくしていた者」「被相続人の療養看護に努めた者」「その他被相続人と特別の縁故があった者」としています

 

申立人は家庭裁判所に対して申立書と申立人の住民票を提出し、家庭裁判所はこれら書類の確認および相続財産清算人の意見聴取を行ったうえで、申立人を特別縁故者とした財産分与の可否について決定するのです。

 

残余財産の国庫帰属手続き

相続人や特別縁故者などの申し出がない場合や裁判所に認められなかった場合、相続財産は行く宛てを失いますので、民法第959条に基づき国庫に帰属することになります。

 

(残余財産の国庫への帰属)

第九百五十九条 前条の規定により処分されなかった相続財産は、国庫に帰属する。この場合においては、第九百五十六条第二項の規定を準用する。

※民法より抜粋

 

財産の種類により国庫帰属手続き先が変わり、現金や動産などについては家庭裁判所に、その他不動産や受益権などについては財務局長に引き渡します。

 

管理終了報告書の提出

相続財産清算人は管理終了報告書を作成して家庭裁判所に提出し、財産処分の手続きを終了します。

 

まとめ

被相続人が独身者であっても、子や親、祖父母、兄弟姉妹がいる場合は法定相続人による相続手続きが可能です。しかし、法定相続人がいない場合は相続財産清算人を定めて、債権者や受遺者、特別縁故者に財産を分配したり国庫帰属手続きを行ったりする必要があります

 

財産を引き継ぐべき人物が誰も見つからなければ、死後の手続きが複雑化することが想定されますので、まだ元気なうちから遺言書を作成しておくことをお勧めします。遺言書があれば、相続財産清算人を選任することなく、被相続人の意思を反映させた形での財産処分が可能になるからです。

 

当事務所は、相続手続き・遺言作成関連のご相談・ご依頼について、札幌市ではトップクラスの実績を誇っております。ぜひご安心のうえ無料相談をご利用ください。

無料相談の予約はこちら