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正しい理解が必要!生命保険を代償分割に活かす方法

相続対策の一環として生命保険を活用する人は決して少なくありません。特に、相続に不公平が生じた場合などでは、生命保険金が非常に役立つことになります。ここでは、生命保険を代償分割に利用する方法について説明していきます

 

相続の不公平を解消するための「代償分割」

不動産など簡単に分割できない相続財産しか残されておらず、複数の相続人のうち1人が不動産を相続した場合、残る相続人は何も財産を受け継ぐことができず不公平が生じます。このようなとき、不動産を相続した相続人は、他の相続人に対して金銭などで代償することにより不公平を解消します。この仕組みを代償分割というのです。

 

民法では代償分割に関して明確に定義されていませんが、家事事件手続法第195条「債務を負担させる方法による遺産の分割」では、次のように定められていることがわかります。

 

(債務を負担させる方法による遺産の分割)

第百九十五条 家庭裁判所は、遺産の分割の審判をする場合において、特別の事情があると認めるときは、遺産の分割の方法として、共同相続人の一人又は数人に他の共同相続人に対する債務を負担させて、現物の分割に代えることができる。

※e-Govより抜粋

 

代償分割の具体例

次のようなケースについて考えてみましょう。

 

【例】

 

相続財産に現金や預貯金などが含まれていれば、不動産を相続する人と現金・預貯金を相続する人に分けることができますが、不動産しかない場合は遺産分割が簡単ではありません。子のいずれかが自宅不動産を相続すると、他方の子は何も相続できず不公平が生じてしまいます。

 

このような場合に有効なのが「相続しない方の相続人に対して代償金を支払う」という対処法で、これを代償分割といいます。たとえば子Aが自宅不動産を相続したとき、子Aが「何も相続していない子B」に対し法定相続割合に応じた金銭を支払うことで、公平な相続を実現するのです。

 

代償分割に役立つ生命保険金

代償分割は公平な相続を実現するためにとても有効な方法ですが、「代償を支払うだけの十分な資産をどう用意するか」という点がハードルになりやすいともいえます。十分な財産を持つ相続人であれば、財産を相続していない相続人に対して公平な対応ができますが、資産力のある相続人ばかりではないため、実際の代償には困難を伴うことが多いかもしれません。

 

そこで注目されるのが生命保険金なのです。受け取った保険金を代償金として役立てることができるので、比較的スムーズな相続が期待できます。

 

代償分割に生命保険金を活用したい場合は、保険加入時から次の点に注意することが大切です。

 

 

親名義の自宅不動産の評価額が3,000万円だった場合は、生命保険金額を3,000万円以上にしておくことをおすすめします。仮に子が2人いて相続財産は自宅のみとした場合、1人が自宅を相続するともう1人の子は何も財産を得ることができません。しかし、自宅を相続させる子を受取人とした生命保険金が給付されれば、その金銭をもって何も相続していない方の子に代償を行うことができます

 

生命保険金が贈与税の対象になる可能性

生命保険金といえば相続税のことを心配する声が多い傾向にありますが、注意したいのが贈与税の課税対象になるかどうかという点です。次のようなケースについて考えてみましょう。

 

【例】

 

例として、子Bが「平等になるよう生命保険金のうち1,000万円を子Aに渡した場合」が問題になります。子Bは固有の財産である生命保険金しか受け取っておらず、また財産を何も相続していない状態で子Aに金銭を渡している点が重要ポイントです。

 

代償分割は、自分が財産を受け取る代わりに他相続人に金銭・資産を渡して公平を図るケースを想定していますので、この例は代償分割に該当しません。子Bは自分の固有の財産である生命保険金の一部を子Aに渡していることから、贈与があったとみなされ、贈与税の課税対象となることが考えられます

 

まとめ

代償分割はスムーズかつ公平な相続を実現するためにとても有効な方法ですが、考え方を正しく理解して実行しなければ、逆に贈与税の対象となってしまう可能性も出てきます。

 

被相続人が亡くなることによって、相続税だけではなく贈与税や所得税など複数の税制に対応していかなければなりませんので、積極的に専門家に相談し仕組みを正しく活用することをおすすめします。当事務所では行政書士を窓口として、税理士や司法書士と連携しながら相続全般に対応しておりますので、ぜひ無料相談をご利用ください。

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