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法的に問題ない?散骨するために必要な手続きとは

日本で散骨を行う人は、お墓や納骨堂に納骨する人に比べるとまだまだ少ない方だといっていいでしょう。しかし、散骨という弔い方への関心は深まっている傾向にあるようです。ここでは、散骨を行う際に必要な手続きについて説明していきます

 

散骨に法的規制はない

墓地・埋葬等に関する法律は散骨を想定したものではないため、散骨に関する規定や法的手続きは存在しません

 

事業者向けガイドラインの存在

法律上の定めはないものの、散骨への関心の高さや実際に散骨が行われている現状を鑑みて、令和3年(2021年)3月に厚生労働省は「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」を公開しました。ガイドラインによると、散骨という行為において散骨事業者は次のことを守るよう指導されています。

 

  • 墓地、埋葬等に関する法律・刑法・廃棄物の処理及び清掃に関する法律・海上運送法・民法などの関係法令、地方公共団体の条例やガイドラインなどを遵守すること
  • 散骨場所(陸上):河川および湖沼を除くあらかじめ特定した区域
  • 散骨場所(海上):海岸から一定以上離れた海域
  • 粉骨:焼骨は粉状に砕くこと
  • 地域住民や漁業関係者などに対し十分に配慮すること
  • プラスチック他を含む副葬品などの投下により自然環境に悪影響を与えないこと など

※厚生労働省「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」参照

 

誰でも簡単に海洋散骨ができるわけではありませんので、厚生労働省のガイドラインに沿った事業者を選ぶことが大切です。

 

散骨事業者との契約に必要な書類

散骨に伴う法的な手続きは定められていませんが、散骨事業者とのスムーズな契約に備えて次の書類を用意しておくといいかもしれません

 

火葬許可証

故人の死亡届を提出することで役所から火葬許可証が発行されます。火葬を行ううえで欠かせない書類です。

 

埋蔵許可証

埋蔵許可証とは、火葬した後の遺骨をお墓や納骨堂など適切な場所に埋葬する際に必要になる書類です。

 

改葬許可証

現在すでに納骨されている遺骨を、お墓や納骨堂から取り出して別の場所に移す場合、改葬許可証が必要になります。散骨する場合も「別の場所に移して供養する」ことになりますので、事業者から提出を求められることがあるようです。

 

これらの書類は、「遺体を火葬し、納骨するためのもの」「納めた遺骨を移動させるためのもの」になりますので、散骨そのものを想定した書類ではありません。しかし、散骨にあたり粉骨や遺骨の移動の必要性などが認められることから、あらかじめ準備しておくと良さそうです

 

なお、自治体のなかには散骨を禁止あるいは制限しているところもあります。北海道でも夕張郡長沼町では「長沼町さわやか環境作り条例」において、次の通り定めています。

 

(散布の禁止)

第11条 何人も、墓地以外の場所で焼骨を散布してはならない。

※「長沼町さわやか環境作り条例」より抜粋

 

このような自治体条例は道内他地域でもみられるため、あらかじめ事業者とよく相談して散骨場所を決めるといいでしょう。

 

散骨に位牌は必要か

散骨は、亡くなった人の遺骨を自然に還すことを目的とした行為です。1つの供養の形として徐々に認知されてきていますが、散骨したら手元供養は必要なくなるのでしょうか。

 

供養の仕方は人それぞれですから、散骨を区切りとして以後の供養を止める場合もあれば、位牌を作って手元供養を続ける場合もあるでしょう。生前の故人の思いをくんだり遺族として安心感を得たりするためには、位牌を持つことも選択肢の1つになってくると考えられそうです。

 

まとめ

散骨に関し札幌市では特に定めがないようですが、それ以外の自治体については事前に確認した方がいいでしょう。

 

自分が亡くなった後どのように弔って欲しいか、散骨を含めた希望を伝える方法として、遺言書の作成や死後事務委任契約を活用することができそうです。当事務所ではこれら生前対策に関するご相談をお受けしておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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