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相続における「換価分割」とは?

相続における換価分割と税金の問題

 

 

 相続は普通、現物分割で行われます。現物分割は、財産を個別の単位でそのまま渡す方法です。例えば、自宅を兄が引き継ぎ、弟が銀行預金を引き継ぐ形です。

 

 

 換価分割という方法もあり、財産をすべて換金します。そのお金で分配する方法です。さらに、代償分割と言う方法もあります。ある相続人が他の相続人に金銭などを払って適正な分割比率にする方法です。例えば、自宅を兄が引き継ぎ、弟は何も引き継がずに兄から1千万円もらうと言う形です。

 

 

 換価分割をした場合は、譲渡所得の計算が必要になります。例えば、財産が自宅だけだったとします。この自宅に弟が暮らしていました。その自宅を換金しました。その時、遺産分割協議書に兄が単独で相続登記をした形にしました。換金すると2億円でした。兄と弟は、1億円ずつ分けました。その自宅は1億3500万円で購入したものでした。譲渡費用は500万円でした。譲渡所得は、2億円から取得費と譲渡費用を引いて求めますので、6千万です。二人で分けたので、一人3千万円ずつです。譲渡所得が生じたので、確定申告が必要です。

 

 

 このケースで税金が発生しない場合があります。弟は自宅を売却したので、『居住用財産』を売却したわけです。所得税法には、居住用財産は、3,000万円の特別控除が出来る事になっていすので、弟は、譲渡益3000万円は3000万円の特別控除が出来る事から税金は発生しません。

 

 

 税金が発生する場合もあります。兄は、弟と住んでいません。従って居住用財産ではありません。譲渡益3000万円に対して20%の税金を払う事になります。今回は長期譲渡所得と言って、 譲渡した年の1月1日現在で、所有していた期間が5年を超えたケースです。短期譲渡所得と言って、譲渡した年の1月1日現在で、所有していた期間が5年以下だったら、税金は39%でした。

 

 

 ちなみに、平成25年から平成49年までは、復興特別所得税が、基準所得税額の2.1%を払う必要があります。このケースのような換価分割では贈与税は発生しません。弟は兄から3千万円をもらっているから、贈与税がかかると言われる方がいるかも知れませんが、国税庁の質疑応答事例集には税金がかからないと記載されています。

 

 

 今回のケースのように兄の名義で相続登記をしたのは、換価分割をするのが目的です。代金が、実際に分配されているのなら、贈与税の問題はないのです。注意点は、遺産分割協議書に、換価分割である事、さらに、売却代金の分配割合を明記する事です。このあたりは、税理士の指導をもとに遺産分割協議書の作成をすべきでしょう。

 

 

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