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専門家不要?令和5年施行の改正戸籍法の変更ポイント
相続手続きに欠かせない書類として戸籍謄本を挙げることができます。令和5年中には戸籍謄本にまつわる改正法が施行されますので、その内容に留意していきましょう。ここでは、令和5年施行の改正戸籍法について説明していきます。
利便性向上のための改正戸籍法
マイナンバーカードがあればコンビニエンスストアで戸籍謄本を取得できるため、時間を気にせず最寄りの店舗で書類を入手することができます。しかし一方で、各種行政手続きを行うためには毎回戸籍謄本を取得する必要性があるため、コンビニエンスストアで戸籍謄本を取得した後に役所に赴かなければなりません。
手続きのたびに戸籍謄本を取得しなければいけないのは、自治体同士のコンピューターネットワーク連携が完成していないためで、その分私たちは社会保障手続きや身分証明などさまざまな場面において戸籍謄本を都度取得する必要があったのです。
そこで改正されたのが改正戸籍法です。令和元年5月24日に成立し令和5年中に施行される同法では、手続きのたびに戸籍謄本の取得が必要になる、という課題を克服する策として注目されています。法務省の戸籍データ管理システムを土台とした新たなシステムを構築し、より利便性の高い環境を整えることとなったのです。
改正戸籍法で可能になること
戸籍法が改正されることで、相続手続きを始めとする各種行政手続きの利便性はどのように向上するのでしょうか。
本籍地以外の土地でも戸籍謄本を取得できる
マイナンバーカードを持っていれば、本籍地以外のコンビニエンスストアで戸籍謄本を取得できる場合がありますが、すべてのコンビニエンスストアで可能なわけではありません。一方、改正戸籍法が施行されれば、自分の戸籍謄本だけではなく配偶者や子、親などの戸籍謄本を、最寄りの役所で一括申請することができるようになります。
相続手続きに関していえば、被相続人の戸籍謄本および被相続人との間柄を証明するための相続人の戸籍謄本が必要とされます。従来であれば戸籍収集に大変な手間と労力がかかっていましたが、改正戸籍法により負担が大幅に軽減されることになるでしょう。
戸籍電子証明書により各種手続きがスムーズになる
従来であれば役所の窓口まで行ってさまざまな行政手続きを行う必要がありましたが、改正法が施行されるとそれら手続きがオンライン行えるようになります。そのために必要なのが戸籍電子証明書で、あらかじめ自分の電子証明書を申請すればよりスムーズで安全な手続きが可能になるとされています。
多くの行政手続きに戸籍謄抄本が不要になる
戸籍謄抄本の提出が求められるシチュエーションとして、以下を挙げることができます。
- 親子関係証明
- 婚姻関係証明
- 公金受給
- 社会保障手続き など
改正戸籍法では、マイナンバーを活用すれば行政機関側が事実関係を確認できるため、各種手続きにおける戸籍謄抄本の取得が不要になるケースが増えると見込まれています。
専門家による戸籍収集代理の可否
相続手続きなど、いくつもの戸籍謄本を収集しなければいけないことは、当事者にとって大変大きなストレスであったといえます。平日日中しか開庁していない役所に時間を作って赴き、待ち時間を経てようやく戸籍謄本を取得できる仕組みだったからです。
だからこそ、第三者の戸籍謄本を取得できる権限を持った行政書士に「戸籍収集の代理を依頼する」ことは当事者にとって大きなメリットですし、実際にストレスも軽減されていたことでしょう。
しかし、今後の専門家の関与ついては具体的に述べられていないため、改正法が施行されるのを待ち、引き続き専門家による戸籍収集が可能かどうかを確かめる必要がありそうです。
まとめ
戸籍法が改正されたことにより戸籍謄本収集のハードルが低くなることは事実ですが、相続手続きは戸籍謄本を集めて終わりではありません。遺産分割協議書の作成や不動産登記、準確定申告に相続税の申告と納税まで、数多くの手続きを正しく済ませていく必要があるのです。迷わず相続手続きを完了させるためにも、専門家による助言を受けたり必要に応じて依頼したりすることが大切だといえるでしょう。
当事務所では、行政書士を筆頭に税理士や司法書士と連携し、相続を全方位からサポートしています。無料相談もご用意しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。