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相続であとから借金が見つかったときの対処法

相続財産とは、現金や預貯金といったプラスの財産だけを指すのではなく、借金などマイナスの財産を含むすべての遺産のことを意味します。では、被相続人の死亡により、今まで知らなかった借金が見つかった場合はどうすればいいのでしょうか。ここでは、あとから借金が見つかったときの対処法について説明していきます

 

あとから借金が見つかったときの対処法

被相続人が健在であるうちは気付かなかったものの、本人の死亡により、被相続人名義の借金が発覚することがあります。このような状況になった場合、相続人としては次の対処法を採ることができます。

 

相続放棄または限定承認を行う

相続放棄すると、プラスの財産・マイナスの財産すべてについて相続する権利を失います限定承認すると、相続したプラスの財産の範囲内でマイナスの財産も引き継ぐことになります

 

相続する財産のうちマイナスの財産が占める割合が高い場合は、相続放棄を選択することを検討するのもいいかもしれません。また、マイナスの財産よりプラスの財産が多い場合は、限定承認を選択して債務を解消する方法を採ることもできます。

 

ただし、相続放棄を行う場合は相当な理由が求められるため、「借金はないと思っていた」という信じ込みだけでは裁判所に認められない可能性もあります。なぜ借金がないと信じ込んでいたのか納得できる理由を示す必要がありますので、借金に関する情報が一切なかったなど、裁判所を納得させるに十分な事情をきちんと説明しなければなりません。

 

法定単純承認事由に注意する

民法第921条では、次の3つの事由に該当する場合は単純承認したものとみなされ相続放棄ができない旨が記載されています。

 

 

これらの事由に該当することがないよう、相続放棄や限定承認の意思がある場合は相続財産に一切手を付けず、熟慮期間中に必要な手続きをきちんと行うことが必要です。

 

相続放棄や限定承認ができない場合の対処法

相続放棄や限定承認ができなかった場合、次の手段により対処することも検討してみましょう。

 

債権の消滅時効を援用する

債権の消滅時効援用」とは、民法に規定された期間を超えた場合、当該債権が消滅するというもので、民法第166条を引用すると次のように記載されていることがわかります。

 

(債権等の消滅時効)

第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。

二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から二十年間行使しないときは、時効によって消滅する。

3 前二項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を更新するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。

※民法より抜粋

 

貸金業者からの借り入れなど、債権が成立してから一定以上の期間が経過しているのであれば、民法に定められた消滅時効を援用できるか確認するといいでしょう。ただし、債権者に対して債務の弁済を行ったり債務の存在を認めたりした場合は、時効援用できなくなりますので注意が必要です。

 

相続した財産で弁済する

相続財産にプラスの財産が多く含まれている場合は、相続したプラスの財産で債務の弁済を行い、問題解決を図ることもできます。

 

 債務整理を検討する

相続した債務をどうしても弁済できないときは、専門家に依頼して債務整理をすることも検討してみましょう。任意整理・個人再生・自己破産のいずれかを選択することになるため、専門家とよく相談し、最も適切な方法を見つけ出す必要があります。

 

債務整理は、相続により債務者となった相続人の信用情報にも影響する手続きですから、丁寧な相談と慎重な判断が求められます。

 

信用情報機関を利用して借金の有無を調べる

あとから借金があることがわかると、相続人はその対処について大変苦労しますし、相続人の間でトラブルの種となることも考えられます。そのような事態を回避するために、相続手続きの初期段階で行う財産調査では、信用情報機関への照会を利用して、正しい債務情報を得ることが大切です

 

日本貸金業協会によれば、信用情報とは次の事柄を指しています。

 

信用情報とは、ローンやクレジットなどの取引に関する客観的な事実を表す情報です。本人を識別するための情報のほか、契約内容、返済、支払状況、利用残高などが該当します。いわば個人の信用を客観的に示した情報で、貸金業者やクレジット会社などで顧客の信用を判断する情報の一つとして利用されています。

※日本貸金業協会ホームページより抜粋

 

つまり、個人の信用情報を取り扱っているのが信用情報機関であり、与信判断を目的とした貸金業者の求めに応じて情報提供しているのです。なお、信用情報機関として内閣総理大臣から指定を受けているのは、株式会社日本信用情報機構(JICC)株式会社シー・アイ・シー(CIC)の2社となっています。

 

被相続人の信用情報を照会すれば、携帯電話その他のローン契約状況や借金の状況を把握することができます

 

まとめ

相続であとから借金の存在が発覚した場合の対処法について説明しました。すでに亡くなっている被相続人の債務状況を個人で調べることもできますが、財産調査にかかる手間と労力は大変なものです。できるだけ相続手続きの専門家に相談し、協力を得ることも検討してみましょう。

 

当事務所は相続手続き全般に関する豊富な経験を有しています。相続手続き全般のご依頼はもちろんのこと、財産調査のみのご相談・ご依頼にも対応していますので、お困りの場合はぜひお気軽に無料相談をご利用ください。

 

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