遺言書が見つからないときにやるべきこと
相続が始まっても「遺言書があるのかどうかわからない」「書いたはずなのに見つからない」というケースは多くあります。
遺言書がないまま遺産分割協議を進めてしまうと、後から遺言書が見つかった際に協議内容が無効になる可能性があるため、最初の段階で慎重に確認しておかなければなりません。遺言書が見つからない場合でも、「無い」と決めつけず徹底的に探すことが重要です。
公正証書遺言の探し方
遺言の種類で最も信頼性が高いのが公正証書遺言です。これは公証役場で作成され、原本は公証役場に保管されています。どこの公証役場で作成したかわからなくても 全国の公証役場で検索可能ですので、以下の書類を揃えて照会してみましょう。
【必要書類】
- 被相続人との関係がわかる戸籍謄本
- 被相続人の死亡が確認できる戸籍(除籍)謄本
本人限定で照会できるため、第三者が勝手に検索することはできません。公正証書遺言であれば、見つからないという事態は基本的に起こりません。
自筆証書遺言の探し方
自筆証書遺言は本人が自宅等に保管することが多く、発見が難しいケースが多いです。
主な探し場所としては、以下が考えられるでしょう。
- 金庫・机の引き出し・書斎の棚などの「本人が大切に保管していた場所」
- 銀行の貸金庫
- 重要書類ファイル
- 親しい友人・親族が預かっているケースもあるため、聞き取りも有効
法務局の保管制度にも注意
近年増えている法務局の自筆証書遺言保管制度を利用している場合、法務局で検索・閲覧できます。
遺産分割協議後に遺言書が発見された場合の扱い
遺産分割協議が終わった後に遺言書が出てきた場合、その遺言書が法律的に有効であれば協議内容は原則無効になります。
ただし、例外として、【共同相続人全員が「協議通りでよい」と同意すれば、遺言書と異なる内容でも有効】になりますので、覚えておきましょう。
自筆証書遺言が発見されたときの注意点
また、遺言書が自筆証書遺言の場合は次の点に注意が必要です。
- 勝手に開封してはいけない(家庭裁判所の検認が必須)
- 無断開封は5万円以下の過料(民法1005条)
- 隠したり破棄したりした場合は相続欠格(相続人としての資格喪失)
見つかった遺言書が無効だった場合
後から見つかった遺言書に次の問題がある場合は無効となります。
- 自筆証書遺言の要件(全文自筆・日付・署名押印)が欠ける
- 公正証書遺言の方式違反
- 内容が不明確
- 被相続人の判断能力が疑わしい時期の作成
無効の場合は 先に行われた遺産分割協議が有効になります。
まとめ
遺言書が見つからない場合でも、公証役場照会・自宅の徹底探索・法務局検索など多くの確認手段があります。後から遺言書が出てきた場合は協議のやり直しになる可能性が高いため、遺産分割協議の前にしっかり確認しておくことが極めて重要です。










