親が亡くなり、遺された公正証書遺言を確認してみたら自分が遺言執行者として指定されていた、といったケースがあります。本人が遺言執行者の指定をまったく想定していなかった場合、非常に大事な役割を任されたことに対して困惑してしまうこともあるようです。

 

【この記事の要点】

  • 遺言執行者としての業務一覧
  • 遺言執行者としての業務を第三者に依頼できる「復任権」とは
  • 復任権の解釈は法改正前後で異なる点に注意
  • 当行政書士法人における遺言執行者としての業務

 

ここでは、遺言のなかで自分が遺言執行者に指定された場合どう対応すべきか、について説明していきます。遺言執行者に指定されていたとしても、遺言作成日によっては専門家に遺言執行の代理を依頼できるケースもありますので、遺言執行者の業務や法的責任などについてよく確認しておきましょう。

 

遺言執行者に託されている業務

遺言者の死後、その遺言書に記載された内容について手続きを行う人のことを遺言執行者といいます。民法第1012条でも、「遺言執行者は遺言内容の実現のために、相続財産の管理を含む遺言執行に必要な一切の権利義務を持つ」旨が明記されています。

 

この定めにしたがい、遺言執行者は次の業務を行うことになっています。

 

1.相続人確定を目的とした戸籍収集

遺言執行者は、相続人確定を目的とした戸籍謄本の収集を行います。相続人を確定させるためには、被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍謄本などを取得しなければなりません。なお、遺言書と身分証明書をもって手続きすれば、被相続人の戸籍謄本をスムーズに取得することができるでしょう。

 

2.遺言執行者就任通知書および遺言書の写しを相続人に送付

戸籍謄本を収集し相続人を確定させることができたら、すべての相続人に対して「遺言執行者就任通知書」と「遺言書の写し」を送付します。民法第1097条には「遺言執行者はその任務の開始にあたり相続人に遺言内容を通知しなければならない」と明記されています。

 

3.財産調査・財産目録作成

遺言執行者は、次に相続財産の調査と財産目録の作成に着手しなければなりません。遺言者(被相続人)が遺した財産の種類や評価額を正しく調べて財産目録を作成し、完成したらこれをすべての相続人に送付します

 

4.遺言書に基づく財産処分

民法第1014条では「特定財産承継遺言」について、その登記手続きを相続人もしくは遺言執行者単独で行うことができるとしています。「特定財産」には預貯金や不動産など遺言内で指定された財産が含まれますので、預貯金が対象財産である場合は口座の解約など、不動産が対象財産である場合は登記手続きが可能です。

 

また、民法第1012条に基づき、遺言執行者が指定された遺言で遺贈が行われる場合は、その履行は遺言執行者に限り可能とされています

 

5.業務終了の報告

相続財産の処分や登記手続きなど遺言執行者としての業務が終了したら、業務完了した旨の報告を相続人に対して行います

 

「復任権」で遺言執行者を専門家に依頼可能

遺言書で自分が遺言執行者に指定されたとしても、具体的にどのような業務を行えばいいかわからない、遺産の種類や評価額・相続人の人数が多いなど業務遂行に不安がある、といったケースも出てくるでしょう。一方、指定された人物が病気や海外転勤などの事情を抱えていない限り、遺言執行は遂行可能とみなされその役目を辞任することができません。

 

そのような場合は、遺言執行者が持つ「復任権」を活用し、行政書士などの専門家に遺言執行者としての地位を依頼することも検討してみましょう民法第1016条には、遺言執行者はその責任のもとで第三者に遺言執行者としての任務を行わせることができるとしています。(ただし、遺言者が遺言内で復任権を制限している場合は遺言者の意思が優先されますので注意しましょう。)

 

法改正前後での復任権の違いに注意

現行法における復任権の行使は遺言執行者の裁量に任されているとも言えそうですが、民法改正前は「やむを得ない事由」がない限り第三者に任務を行わせることができませんでした

 

法改正が行われたのは令和元年(2019年)7月1日ですので、この日以降に作成された遺言書であれば、遺言執行者の復任権は問題なく認められます。この日より前に作成された遺言書で遺言執行者に指定された場合は、遺言執行者としての業務その第三者にそのまま移転することはできませんが、口座解約や不動産名義変更といった個別案件として専門家に依頼することは可能です。

 

遺言執行者の辞任には裁判所での手続きが必要

遺言執行者としての地位を専門家など第三者に移転するためには、まずは自分自身が裁判所で遺言執行者の辞任手続きを行う必要があります。裁判所から許可が下りたら、すべての相続人に対して通知を行い、相続財産に係る管理および処分の権利を相続人に移行させます。

 

当法人における遺言執行者関連業務について

当行政書士法人では、遺言書における遺言執行者の引受だけではなく、遺言者死亡後の遺言執行者の引受にも対応しています。

 

当行政書士法人を遺言執行者に指定したい場合は、まず当法人があらかじめ遺言執行者としての業務引受を承諾していることが前提になり、遺言書作成後には定期的な関係性を維持できることが大切になります。

 

実際に「遺言執行者」として指定をお受けするのは当法人の代表行政書士です。ただし、万が一、代表行政書士が業務遂行できない場合に備えてグループ法人を予備的遺言執行者として指定させていただきますのでご了承ください。

 

遺言者死亡後の遺言執行者ご指定には裁判所手続きが必要

遺言者が亡くなった後、新たに遺言執行者としての業務を当法人にご依頼いただく場合は、家庭裁判所に対して「遺言執行者の選任手続き」を行う必要があり、司法書士または弁護士の協力を得る必要が出てきますので、その点についてご了承ください。なお、司法書士・弁護士については当法人からご提案することが可能です。

 

ただし、遺言内容・相続について争いが存在するケースについてはお引き受けをお断りする場合があります。その場合、提携する弁護士など紛議に対応可能な専門家をご紹介させていただきます

 

まとめ

法改正前は遺言執行者としての地位を専門家に依頼することはできませんでしたが(個別業務の依頼は可能)、法改正後はこれが原則として認められるようになりました。ご自身が遺言執行者として指定を受けた場合、当該遺言書が何年何月何日に作成されたものかによって対応の可否が変わってくることになりますので、十分注意して確認しましょう

 

復任権を認めるための「やむを得ない事由」についてご不明な場合を含め、個々の遺言書および相続事情でお困りの場合は、ぜひ当行政書士法人の無料相談をご利用ください。

 

また、数多く遺言執行経験を持つ当法人を遺言執行者にご指定いただけると、遺言作成時から遺言執行手続きにいたるまでの流れのスムーズ化が期待されます。現在遺言書を作成中で遺言執行者をお探しの方もぜひご検討ください。

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