「養子として大切に育てられ、いとこ(養父の姪)には大変良くしてもらった。自分には2人実兄がいるが疎遠であり、自分の財産はすべていとこに渡したい。また、病気である自分の葬儀ではいとこの手を煩わせたくない。」
複雑な背景事情のなか、いとこの手を煩わすことなく財産すべてをいとこに渡したい、というご相談がありました。ご相談者様は重篤な病気を煩っていることもあり、自分の葬儀や各種手続きを当行政書士事務所に任せ、財産をすべていとこに渡せるような相続手続きをご希望。死後事務委任契約と相続手続きの両プランをご利用いただいた事例です。
ここでは、当行政書士事務所へのご相談のきっかけから問題解決まで整理していきます。
ご相談にいたる背景事情
【ご相談者様とご親族状況】
- ご相談者様:Aさん女性(60代・会社員)
- 被相続人:Aさんご本人(ご自身の死亡に備えたご相談)
- 相続人:被相続人の実兄2人
- 状況:法定相続人である実兄2人ではなく、いとこ(養父の姪)に全財産を渡したい、いとこには葬儀や死後事務の手間をかけさせたくない。
【ご依頼のきっかけ】
- 検索でホームページを見つけた
実兄ではなく「いとこ」に全財産を渡したい理由
Aさんは重篤な疾病を抱えており、自身が亡くなったときの葬儀や死後の各種手続き、および相続手続きについて事前に準備しておきたいとのこと。しかし、Aさんは養子に出されていたことから実兄と疎遠であり、相続においては亡養父の姪で良好な関係性にある「いとこ」に全財産を渡したいと考えていました。
また、自分の死後の葬儀や各種手続きについて、いとこを煩わせたくないという思いから、これら一切の死後事務を任せたいという考えもお持ちでした。
このことから、当行政書士事務所に対してAさんからは、死後に起こる各種手続きの相談に加えて、法定相続人ではない人物への相続手続きについてもご相談をいただいたのです。
Aさんの財産状況
面談時におけるAさんの財産状況は以下の通りです。不動産・預貯金だけではなく、4件もの生命保険に加入しておられました。これら財産の合計額は約4,000万円です。
- マンション×1室:評価額約600万円
- 金融機関口座×2件:合計約500万円
- 生命保険×7件:合計約900万円
財産合計:約4,000万円
当行政書士事務所による面談内容
当行政書士事務所では、面談におけるヒアリングに重点を置いており、適宜関係各所に確認を取りながら、ご相談者様に適切なアドバイスを行っています。
当行政書士事務所とAさんとの面談
Aさんとの面談内容を、相続関係・Aさんのご希望・当社からの提案・生命保険金に分けて整理していきます。
Aさんの相続関係
Aさんの実の両親・養父母ともにすでに亡くなっているため、Aさんの死後は疎遠の実兄2人が法定相続人になります。
しかし、Aさんは幼い頃に養子に出されたため、実兄とは長く疎遠でした。一方、養子に出された先では、いとこ(養父の姪)と非常に良い関係性を構築し、深い愛情と感謝の気持ちをお持ちです。
ところが、Aさんご自身は、今後完治することのない重篤な病気を患っていました。このまま何の対策もせず自分が亡くなった場合、葬儀や各種死後事務の手間をいとこが負い、財産は法定相続人である実兄2人が受け取ることになるのではないかと、大きな不安をもっておられたのです。
Aさんのご希望
Aさんは自分の死後のことでいとこを煩わせたくなかったため、自分が亡くなった後の葬儀・各種手続きなどを当行政書士事務所に任せたいと考えていました。また、財産については次のように希望されておられました。
- 財産は法定相続人の実兄ではなくすべていとこに渡せるようにしたい
- 所有するマンションも売却してお金にし、いとこに渡したい
- 生命保険金もすべていとこが受け取れるようにしたい
当行政書士事務所からは、Aさんの希望を叶えるためには死後事務委任契約と公正証書遺言の両手続きを進めることが望ましいとお伝えしました。Aさんはこれに同意し、病気の治療入院が始まる5月には必要な手続きを終わらせておきたいとご要望をいただきました(面談時令和6年2月)。
当行政書士事務所の提案
Aさんの希望を叶えるべく、当社としては公正証書遺言を作成する案と死後事務委任契約案を締結する案をご提案しました。また、生命保険金の受取人についてもアドバイスさせていただきました。
【死後事務委任契約】
当社行政書士を受任者とする死後事務委任契約をご提案しました。
これにより、Aさんの死後は、当社行政書士が葬儀手配および葬儀契約代行、埋葬事務、保険や年金などの届出(社会保険労務士が対応する部分あり)、各種解約手続きを含む死後の事務手続き一式を代行することになります。
◆死後事務委任契約で可能な事務手続きは次の通り
⑴ 葬儀に関する事務
⑵ 納骨、埋葬、永代供養に関する事務
⑶ 宗教者の手配
⑷ 家財の処分に関する事務
⑸ 関係者への連絡事務
⑹ 別紙「事務手続き一覧表」の事務
⑺ 行政機関等への諸届け事務
⑻ 後見開始していた場合の後見事務の未処理事務
⑼ 以上の各事務に関する費用の支払い
【公正証書遺言】
当社行政書士を遺言執行者とする公正証書遺言の作成をご提案しました。
これにより、Aさんの死後は当社行政書士が遺言執行者となり、財産調査や不動産調査、財産目録作成、預貯金解約や不動産名義変更(司法書士が対応する部分あり)などの業務を行うことになります。
なお、Aさんは、いとこにかかる負担を気にしておられましたので、いとこが相続した財産について相続税がかかることになった場合は、税理士を入れてサポートする旨をお伝えしご安心いただきました。
保険金の受取人
通常、生命保険金の受取人は親等の近い者がなりますから、今回のケースではご依頼者様の実兄2人が対象になります。しかし、Aさんは保険金もいとこにすべて渡したいと希望していることから、当社としては遺言書を使った方法を提案しました。
【保険法の定めを利用する】
保険法の第44条では、「保険金受取人の変更は遺言で行うこともできる。」としています。このことから、遺言書でいとこを受取人として指定し、保険金を渡す方法もあるとアドバイスさせていただきました。もちろん間違いがあってはいけませんので、念には念を入れ、Aさんが加入するすべての保険会社に電話し確認を取るところまで行いました。
面談時のお見積り提示
面談時には詳細なお見積りも提示し「何にいくらかかるか」「どのタイミングでどの費用が発生するか」「なぜこの費用が必要か」をご納得いただけるようきちんと説明いたします。
手続きの性質上、業務期間が長くなることが想定され、立替金が発生することも多々あることから、報酬は原則として前金で頂戴する旨もお伝えしています。事例のAさんについては、公証役場における手続き終了後に、現地で実費分を直接お支払いいただきました。
Aさんへのお見積り内容
ヒアリング内容から、Aさんに必要なのは死後事務委任契約と公正証書遺言の作成であると判断しましたので、そのお見積りを作成し提示しました。
なお、死後事務委任契約に関し、Aさんの死後に発生する葬儀や病院関連費用の精算など実費分については、契約時にお支払いいただく報酬から当行政書士事務所が一旦立て替えて支払うことを提案しております。遺言書に「遺産で立替分を補填する」旨を記載してもらうことにより、立替分の精算を完了させる方法について、Aさんからはご納得いただきました。
同様に、亡くなった後に発生する遺言執行報酬についても遺産からお支払いいただくこととなりました。
死後事務委任契約のお見積り
Aさんとの面談時には、死後事務委任契約について以下のお見積りを提示しました。
- 死後事務委任契約フルセットプラン:220,000円(受任者引受あり)
- 死後事務受任報酬:330,000円(死後の事務手続き一式代行)
- 各種証明書手数料・郵便料:別途
- 葬儀代・病院の精算等の預かり金:別途
- 公証役場手数料:別途
- 消費税:55,000円
なお、実際に死後事務委任契約書に記載された事柄は以下の通りです。
- Aさんの死亡時における事務を当社行政書士が受任する旨
- Aさんの希望により直葬とし、参列者・宗教家手配・戒名は不要である旨
- 指定された納骨先に納骨する旨
- 本件死後事務の処理に必要な費用はAさんから預かる旨
- 預かった金銭で足りなかった場合はA産の相続人もしくは遺言執行者に請求できる旨 など
公正証書遺言作成のお見積り
また、同じくAさんとの面談時に、公正証書遺言作成について以下のお見積りを提示しております。
- 公正証書遺言作成フルセットプラン:220,000円(目的価格4,000万円~5,000万円未満)
- 遺言執行者引き受け:55,000円
- 遺言執行報酬:死亡時財産額が4,000万円以上5,000万円未満の場合:660,000円(税抜)
- 各種証明書手数料・郵便料:別途
- 公証役場手数料:別途(約4万円~5万円)
- 消費税:27,500円
なお、実際に公正証書遺言に記載された事柄は次の通りです。
- 遺言者のいとこに一切の財産を遺贈する旨
- 財産内容:預金・不動産(マンション)・保険
- Aさんよりもいとこが先に亡くなった場合は、いとこの法定相続人に遺贈する旨
- 当社行政書士を遺言執行者として指定する旨
- 遺言執行者は、遺産である預金等について、相続人の同意を要することなく、単独で、名義変更、名義書換、払戻し、解約請求等一切の処分、取引を行うほか、貸金庫・保護預かり契約がある場合には、これを開扉の上、内容物を収受し、又は貸金庫・保護預かり契約を解約するなど、本遺言を執行するために必要な一切の行為(代理人の選任及び事務代行者の指定を含む。)をする権限を有する旨
- 遺言執行者の報酬・実費は相続財産で補填する旨 など
ご依頼後のサポートについて
ご依頼を受けた後のサポートが実は大変重要です。ご相談者様・ご依頼者様はご不安を抱えておられますので、当社ではできるだけ密に連絡を取るよう心がけております。原則として「月1回の進捗報告」を当社から行いますが、それ以外にもLINEでの直接連絡など積極的に繋がるよう努めています。
Aさんにとって今回のご依頼は人生で一度の非常に大きな手続きであり、自分の希望を叶えるための大切な道のりでもあります。一方、未知の領域でもあるため不安も大きくなりやすいといえるでしょう。だからこそ、進捗報告以外でもAさんの疑問・不安に思うことをLINEなどで随時やり取りしていくことは、とても大切なサポートになってくるのです。
不安が生じてもその時々で解決していける、心強いサポーターがいる、という大きな安心感は、双方のこまめな連絡から生まれると私たちは考えています。また、特にSNSでのやり取りの内容はそのまま進捗記録にもなるため、後で確認できる点も大きなメリットだといえるでしょう。
面談からご依頼、手続き完了までの期間
Aさんとの面談は令和6年2月に行われそのままご依頼となりましたが、5月には死後事務委任契約および公正証書遺言作成の手続きを完了したいとご希望をいただきました。ご相談からご依頼、手続き完了まで実質約3ヶ月かかることになります。
Aさんのお考えや方向性がすでに定まっており、面談時点でやるべきことをある程度見通すことができ、また実務上も無理がないと判断できましたので、ご希望を承り予定通り5月には手続き完了となりました。
担当者による感想
千田 大輔
Senda Daisuke
当社は家族信託や生前対策、相続や遺言専門の行政書士事務所として、毎日のように遺言や死後事務委任契約、家族信託契約等の生前対策に関する相談、書類作成、お手続き代行サポートを行っております。
【今回の感想】
独身でお子様がいなく、親も兄弟姉妹もいない方はご自身の死後にいったい自分の葬儀や納骨、また各種事務手続きや相続、物の整理処分などがどうなるのかを気にされる方が多く、今回のご依頼者さまも同様に悩まれていました。
また、こういう煩雑なことを親戚に任せて迷惑をかけたくないというお気持ちも多くの方が抱かれており、ご依頼者さまもやはり同じ想いを抱えているようでした。
このような時に第三者(私たちのような士業が多い)が死後事務や相続をサポートしてくれるということを当社ホームページで知り、それをきっかけにご依頼いただきましたが、面談終了時には大変にすっきりして帰られたことが強く印象に残っています。
同様なお悩みや心配事を抱えている方は、是非一度当社に思い切ってご相談してみてください。ご心配事を私たちが解消できるようしっかりとサポートさせていただきます。
基本プラン料金とサポート内容
今回は「死後事務委任契約」と「公正証書遺言の作成」のご依頼を承りました。ご依頼者様それぞれのご事情やご要望などに応じてサポート内容や金額が変動する可能性がありますが、基本プランは以下の通りです。
死後事務委任契約プラン
◆公証役場手数料が別途かかります。
◆「死後の事務手続き10件」の内訳は以下の通りです。
- ①葬儀社手配(官公署への死亡届含む)
- ②親族への連絡
- ③宗教家手配
- ④火葬埋葬に関する事務(納骨、墓地管理者に対する手続き)
- ⑤年金の死亡届(遺族年金の手続きは別途、社会保険労務士への依頼が必要です。)
- ⑥居住宅の解約手続き
- ⑦居住宅の遺品整理立ち合い(病院や施設内の整理を含む)
- ⑧官公署への各種還付手続き(介護保険や健康保険の還付請求)
- ⑨水道・電気・ガスの解約手続き
- ⑩インターネット・携帯電話・固定電話の解約手続き
遺言作成フルセットプラン⭐おすすめ⭐
遺言作成フルセットプラン基本料金表
| 遺言者の財産総額(遺言時点) | 料金 (公正証書) |
料金 (秘密証書) |
料金 (自筆証書) |
|---|---|---|---|
| 1000万未満 | 152,460円 | 114,390円 | 76,230円 |
| 1000万〜3000万未満 | 190,530円 | 142,890円 | 95,260円 |
| 3000万〜5000万未満 | 254,100円 | 190,530円 | 127,050円 |
| 5000万〜1億未満 | 381,150円 | 285,780円 | 190,530円 |
| 1億〜2億未満 | 444,620円 | 333,410円 | 222,310円 |
| 2億〜3億未満 | 508,200円 | 381,150円 | 254,100円 |
| 3億以上 | 同上(以後、1億円毎に63,470円増) | ||
(税込表示 令和8年3月1日改定)
無料相談の流れ
遺言書を作成したい、相続について希望があるなど、ご相談者様はさまざまなご不安やご要望を抱いておられます。専門家に相談または依頼したいものの、無料相談時にどこまで先の見通しを付けることができるのかも気になるところでしょう。ここでは、当社における無料相談の流れを整理していきます。
ご相談は60分~90分まで無料です。以下をご確認いただき、お気軽にご利用ください。
ヒアリング
ご相談者様のお話を丁寧に伺っていきます。個々のケースに照らし合わせながら、遺言や死後事務委任契約、家族信託契約など生前対策の全体像をお話しし、ご本人様の場合はどうなるか、イメージを持てるように説明していきます。
ご希望に応じて、お聞きした内容をまとめた相談シートの写しもお渡ししています。後からご自宅でヒアリングシートをご確認いただくことで、無料相談の内容や手続きの流れ、費用概算について整理することができるでしょう。
お見積書の作成
無料相談時には、ご相談者様のケースに合わせたお見積書をその場で作成しお渡ししています。概算費用の説明はもちろん、最大費用の範囲までお伝えしますので、費用面でのイメージをしっかりと掴むことができます。
相談し見積書の提示を受けたからといって、依頼しなければならないということはありませんのでご安心ください。よくご検討いただき、結果としてご自身でお手続きされても良いですし、一部だけ当社にご依頼・すべて当社にご依頼いただく、ということも可能です。

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