遺言内容をめぐる相続トラブルとは
相続は遺言があれば円満に進むとは限らず、遺言の作成状況や内容によっては深刻な争いに発展することがあります。実際に起こりやすい典型的なトラブル事例を確認しましょう。
被相続人(相続させる側である亡くなられた方)の死亡によって相続の開始が起きますが、その際に遺言の内容でトラブルとなるケースが多々あります。まず、被相続人が生前認知症だったとし、財産を誰にどのくらい分け与えるかの判断がつかないと言う場合があります。
認知症の被相続人に遺言を書かせたケース
判断能力が低下している状態で作成された遺言は、無効が争われやすく、相続人間の紛争の原因となります。
この際に、相続人となる中の人間が、相続財産を自分だけ増やしたいなどの理由にて、無理やり被相続人に遺言を書かせるなどの事件が発生する事があります。この場合は、無理に書かせたと言う事が認められれば、裁判にて、相続分を多くさせる為に無理に書かせた相続人に勝つ事ができます。とんでもない話ではありますが、実際にこのような話は存在するのです。
法定相続人以外への相続指定によるトラブル
遺言では法定相続人以外の人物に財産を渡すことも可能ですが、その内容によっては相続人の感情的対立を招きやすく、争いに発展することがあります。
次に実際あるトラブル事例は、法定相続人ではない人に相続分を渡したいと遺言されている場合です。被相続人が生前に体が不自由などの理由によって、お世話になっていたヘルパーさんなどに財産の一部を渡したい旨が記載されている場合があります。
法定相続人の不満と感情的対立
法定相続人の立場から見ると、第三者への遺贈は納得しがたいものとなり、紛争の引き金になります。
法定相続人とは、法律によって、被相続人から相続を受ける事ができる相続人が決まっており、配偶者や、一定の範囲の親族となっています。ですので、残された相続人の中には、他人なのになぜ相続分の一部をあげないといけないのか、あげなければ自分たちの相続分が増えるのになどと考えてトラブルとなるケースもあります。
被相続人の処分自由と注意点
被相続人の意思は尊重されますが、遺言内容次第では実務上の問題が生じることもあります。
確かに、親族でもない他人に渡すと書かれていれば、自分の分が減る事を懸念しないとしても、なぜだと疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。ただし、被相続人が相続させる財産分は、被相続人が自由に処分する事が可能となっている為、このような事例も存在してくるわけです。
トラブルを避けるための財産指定の工夫
遺言の書き方次第で、相続人と第三者の間に無用な共有関係が生じるおそれがあります。
ですので、このような場合については、なるべくトラブルを避ける為にも、他人に相続させる部分を現金などにしておくと良いでしょう。法定相続人と同じ物を相続させるなどと書いた場合、つまり不動産など簡単に分け合う事ができない物ですが、他人と共有する事にもなりかねず、トラブル原因となります。
遺言書の形式不備による無効リスク
遺言内容に問題がなくても、形式的な不備があるだけで遺言が無効になることがあります。特に日付の記載には注意が必要です。
その他の事例として、被相続人側のミスで起こりやすいのが、遺言書を作成した正確な日付の記載がない場合です。高齢の方にありがちな事なのですが、◯月吉日などと書かれていた場合、月はわかりますが日にちがわかりません。せっかく書いた遺言書なのに、これでは無効となる可能性があり、遺言書に書かれていた相続内容が無意味になる事があります。
遺言が無効となった場合の影響
遺言が無効になると、被相続人の意思とは異なる相続結果になる可能性があります。
この場合、法律による法定相続分で分ける事になる為、遺言書に書かれていた財産分より減る相続人も出てくるかもしれません。このような小さな事でもトラブルとなりますので、注意が必要な項目と言えるでしょう。










