マイナンバーと預金口座の紐付け

マイナンバー制度は、社会保障・税・災害対策を目的として12桁の番号で個人を管理する制度です。これに加えて導入されたのが、預金口座とマイナンバーを結びつける「預貯金口座付番制度」です。

この制度により、

  • 相続時の口座調査の迅速化
  • 給付金の支給の円滑化
  • マネーロンダリング防止

が可能になります。

 

預貯金口座付番制度とは

預貯金口座付番制度とは、マイナンバーを任意で金融機関の預貯金口座に登録し、国が口座の存在を把握できる仕組みです。相続時の口座照会や給付金支給、税務手続きの迅速化、マネーロンダリング防止を目的とし、20254月から本格運用が始まりました。

 

現在は義務ではなく、本人の同意により登録します。

 

預貯金口座付番制度は相続にどう影響するか

マイナンバーに口座情報が紐づけられることにより、相続手続きを行ううえでどのような影響があるのでしょうか。

 

相続時の口座探しが簡単に

自分が被相続人となり相続が開始すると、相続人は財産調査を進めることになります。このとき、自分のマイナンバーが金融機関に登録されていれば、どの金融機関に口座があるかを一括照会でき、手続きをスムーズに進めることができるでしょう。

 

また、相続人が被相続人の口座を見落としたり相続手続きが長期化したりすることを抑制する効果もあります。

 

相続税申告・税務調査が正確に

相続税申告では、預貯金残高の申告漏れは重加算税の対象になることもあります。口座が紐付けされていれば、税務署は預貯金の全体像を正確に把握することができ、申告漏れはほぼ不可能となります。

 

預貯金口座付番制度は強制なのか

現在のところ、マイナンバーと預貯金口座の紐付けは任意となっています。

 

口座開設時または既存口座に対し、本人の同意があれば登録可能ですが、登録しなくても口座の利用自体に支障はありません。

 

現金(タンス預金)で管理するリスク

「マイナンバーに紐付けたくないから現金管理」という選択をする場合、手元で資産を管理できるメリットがある一方、大きなリスクがあることも理解しておきましょう。

 

相続税の申告漏れ・追徴課税のリスク

タンス預金は金融機関の記録に残らないため、申告漏れが非常に起こりやすいです。税務調査で発覚すると、過少申告加算税・重加算税・延滞税が課されるおそれがあります。

 

税務調査で高確率で発覚する

死亡前後の多額の出金履歴・生活実態・収入との不整合から、「タンス預金の存在」は税務署に容易に推認されます。実際には、自宅の現地調査(臨宅調査)が行われることもあります。

 

 盗難・火災・紛失のリスク

金融機関と違い、盗難や火災が起こって金銭を失っても補償が一切ありません。災害・空き巣・処分ミスにより、一瞬で全額を失う危険性もあります。

 

マネーロンダリングや不正資金と誤解される

タンス預金の金額が大きいと、出所不明の資金=不正資金の疑いを持たれ、金融機関への入金すら拒否されるケースもあります。

 

相続対策として今できるマイナンバーの備え

相続対策として重要なのは、どの口座に預金があるのか・マイナンバーを登録しているか・相続人が照会できる体制があるか、を生前に整理しておくことです。

 

そのためには、次の生前対策が有効ですので、元気なうちから備えておきましょう。

  • 口座一覧をエンディングノートに記載
  • 相続人に最低限の情報を共有
  • デジタル遺品対策とセットで管理

 

まとめ

相続においてマイナンバーと預貯金口座の関係は、今後ますます重要になります。現在は登録が任意ではありますが、相続手続き・税務申告・財産把握のすべてにおいて強力な影響力を持つ制度です。

 

「登録すべきか」「タンス預金にすべきか」で迷った場合は、相続と税務の両面に詳しい専門家へ早めに相談することが、将来のトラブル回避につながるでしょう。

 

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