相続税申告には専門知識が不可欠ですが、1人の税理士だけに任せるのはリスクがある場合もあります。このため近年、相続分野でも 「税理士のセカンドオピニオン」 を利用する人が増えています。
相続税は金額が大きく、申告ミスがあると数百万円単位の損失になることもあるため、「今の税理士で本当に大丈夫?」と不安を抱える方に向けて説明していきます。
セカンドオピニオンとは
医療分野でよく使う言葉ですが、相続や税務の世界でも同様に「主担当とは別の専門家に意見を求めること」を指します。
特に相続では、特例の使い方で税額が大きく変わったり、評価方法に幅があったり、税理士によって得意分野が異なったりしますから、あえて複数の税理士の意見を比較する意義が非常に大きいのです。
相続でセカンドオピニオンが必要な理由
税理士といっても、専門分野は大きく4つに分かれます。
- 法人税・所得税(企業会計中心)
- 相続税・事業承継(高度な専門領域)
- M&A(企業買収・再編の専門分野)
- 資産運用・国際税務
相続税は中でも「経験の差が税額にそのまま表れる」極めて専門性の高い分野ですから、税理士にも専門的な知識や経験が求められます。
相続で税理士選びを失敗した例
- 普段は法人税中心の税理士に相続税申告を依頼した
- 特例(小規模宅地評価・納税猶予など)を使いこなせない
- 財産評価の見落としで税額が高額になる
- 事業承継を扱ったことがない税理士に相談してしまう
こうしたトラブルを防ぐためにも、別の専門税理士の意見を聞くことは非常に合理的です。
税理士のセカンドオピニオンが有効な場面
どういった場面で、税理士のセカンドオピニオンが役立つことになるのでしょうか。
【1】今の税理士の説明が不十分・不安がある
たとえば税理士Aに対する以下のような不安がある場合を考えてみましょう。
「本当にこの計算で合っている?」
「特例が使えると言われなかった」
相続分野に強い税理士Bにセカンドオピニオンを求めることによって、不安解消のきっかけをつかむことができるかもしれません。
【2】相続財産の評価額がとても高い
相続税専門税理士ほど、財産評価の引き下げに熟練しています。
【3】事業承継や自社株を評価する必要がある
一般的な税理士では対応できない高度業務であるため、税理士のセカンドオピニオンが役立ちます。
【4】M&Aや国際資産を含む複雑な相続がある
専門分野ごとに得意な税理士が違うため、複数の税理士からセカンドオピニオンをもらうといいでしょう。分野ごとの専門税理士の意見が役立つはずです。
税理士のセカンドオピニオンを選ぶポイント
では、どのような税理士にセカンドオピニオンを求めればいいのでしょうか。
①相続税の申告件数
相続専門事務所ほど申告実績が多く、経験値も段違いです。
②得意分野を必ず確認
ホームページの業務内容はあくまで「宣伝」です。実際にどの分野を多く扱っているか確認しましょう。
③説明のわかりやすさ
専門用語ばかりで理解できない税理士は避けるべきです。
④料金体系が明確か
「報酬が高すぎた」というトラブルは非常に多いです。相続税申告は数十万〜数百万まで幅があるため、事前の見積りが欠かせません。
相続で税理士からセカンドオピニオンを受けるメリット
- 現在の税理士に不満を伝える必要はない
- 書類一式をコピーして別の税理士にチェックしてもらう
- 必要な部分だけ部分依頼も可能(財産評価だけ等)
- 相談だけの「スポット契約」も一般的
税理士選びに失敗しないためには、比較することが最大のリスクヘッジになります。
まとめ
相続税申告は一度提出すると原則として修正が難しく、税理士の力量がそのまま税額に直結します。だからこそ、以下のようなポイントに注意することがとても大切なのです。
- 相続に強い税理士を選ぶ
- 複数の意見を聞く
- 専門特化した事務所を比較する
「今の税理士の計算で本当に良いのか」と少しでも不安がある場合は、相続取り扱い経験豊富な税理士にセカンドオピニオンを求め、最適な選択ができるようにしましょう。










