日本の法律の中で、私たちの暮らしに最も密接に関わっているのが民法です。民法は、人と人との関係に関するルールを定めた法律で、日常生活のほぼすべての場面に関わっています。

 

民法とは?私たちの生活に最も身近な法律

民法は大きく分けて以下の5つの編で構成されています。

 

  • 1編 総則 :法律行為・意思表示・代理などの共通ルール
  • 2編 物権:財産や権利(所有権・抵当権など)に関する規定
  • 3編 債権:契約・損害賠償・債務などに関するルール
  • 4親族:婚姻・離婚・親子関係などの家族法
  • 5相続:相続人・遺言・遺産分割などのルール

 

このうち、日常生活で特に関係が深いのが「親族」と「相続」です。

 

相続は必ず発生する「人生の法律問題」

人が亡くなれば、必ず発生するのが相続です。相続とは、亡くなった人(被相続人)の財産や権利・義務を、家族(相続人)が引き継ぐ制度をいいます。

 

民法は「私人間(個人と個人)」の法律関係を定めており、相続もその代表的な一分野です。財産を受け取る側だけでなく、借金などの債務を引き継ぐ場合もあるため、民法上の手続きに従って慎重に進める必要があります。

 

相続の仕組みはなぜ複雑なのか

相続のルールが複雑に見えるのは、家族構成や事情が人それぞれ異なるためです。

 

相続人が1人の場合

被相続人に相続人が1人しかいなければ、相続するか放棄するかの判断で済みます。以下のように、家族構成・関係性によって相続の形が変わるため、民法では細かいルールを設けているのです。

 

複数の相続人がいる場合

相続人が2人以上いる場合は、遺産分割協議によって話し合い、財産をどのように分けるかを決めます。

 

相続人の一部がすでに亡くなっている場合

被相続人の子が先に亡くなっている場合、その子(孫)が代わりに相続する代襲相続が発生します。

 

相続させたくない人がいる場合

被相続人の意思で相続人から外したい場合には、遺言書による廃除相続欠格などの手続きを行う必要があります。

 

遺言書と相続の関係

被相続人の意思を反映させる最も有効な方法が遺言書です。民法では、遺言書が法的に有効である場合、その内容が優先して適用されます。

 

遺言書がある場合

遺言書に従って財産が分配されます。ただし、遺言書の形式や署名・押印などが法律の要件を満たしていないと、無効になることもあります。

 

遺言書がない場合

民法で定められた法定相続人と法定相続分に基づいて財産が分けられます。

 

遺留分の請求

遺言によって特定の相続人の取り分が極端に少なくなった場合、相続人には遺留分侵害額請求権が認められています。請求には期限(原則1年)があるため、早めの対応が必要です。

 

民法で定められた相続のルールと期限

民法では、相続に関する手続きにそれぞれ期限が定められています。

手続き内容

期限

根拠法条

相続放棄・限定承認の申述

相続開始を知った日から3か月以内

民法915

遺留分侵害額請求

相続開始と侵害を知った日から1年以内(最長10年)

民法1048

遺産分割請求

制限なし(ただし長期間放置は不利)

期限を過ぎてしまうと、相続放棄ができなかったり、遺留分を請求できなくなったりすることがあります。そのため、相続が発生したら早めに法的手続きを確認することが大切です。

 

民法は「人と人とのトラブル」を防ぐためのルール

民法は、親族関係や相続をはじめ、日常の人間関係で生じるトラブルを防ぐためのルールです。

 

世の中のあらゆる人間関係において、「誰が・いつ・どのような権利を持つのか」を明確に定めています。相続をめぐる争い(遺産分割トラブル・遺留分争いなど)は、法律の知識があれば防げるケースも少なくありません。

 

「知らなかった」「期限を過ぎてしまった」という理由で損をしないためにも、基本的な民法の仕組みを理解しておくことが重要です。

 

法律知識は身近な生活のリスクを防ぐ力になる

「法律」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、民法は私たちの生活そのものに関係しています。近年では、インターネットや書籍でもわかりやすい解説が増えており、一般の方でも基礎的な知識を得やすくなっています。

 

特に相続に関しては、

  • 相続人の範囲
  • 相続分の計算方法
  • 遺言の作り方
  • 遺留分の権利

などを理解しておくことで、後々のトラブルを防げます。

 

相続は「誰にでも起こる法律問題」です。自分や家族の将来のために、早めに準備をしておくことが安心につながります。

 

まとめ

民法の「相続」分野は、一見難しく見えますが、身近な家族の出来事に直結する重要なルールです。少しずつ理解を深めることで、相続トラブルを防ぎ、家族の絆を守ることにつながります。

 

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