民法とは?日常生活と最も深く関わる法律

私たちの生活の中で、売買・契約・結婚・離婚・相続など、人と人との関係に関わるあらゆる場面で適用されるのが民法です。民法は「私人間のルール」を定めた法律であり、社会生活を円滑に保つための基本法といえます。

 

このような個人間の法律関係をまとめて「私法」と呼びます。

 

民法はその中でも最も中心的な存在であり、「人と人とのトラブルを公正に解決するためのルール」を定めています。

 

民法の2つの柱:「財産法」と「家族法」

民法は大きく分けると、財産法家族法2つから成り立っています。

 

財産法

土地・建物・金銭・契約・債権など、経済的な権利関係を規律する分野

※例:売買契約、賃貸借契約、債務不履行、権利侵害など

 

家族法

婚姻・親子・養子縁組・相続など、家族関係に関する分野

※例:婚姻届の効力、離婚時の財産分与、遺産分割、遺留分など

 

相続は「家族法」に属するもので、人が亡くなったときに、その財産や権利義務を誰がどう引き継ぐのかを定めた制度です。つまり、民法の考え方の中に、相続も位置づけられています。

 

相続と関係する民法の基本原則

民法には、あらゆる法律関係に共通する「基本原則」があります。これらの原則は、相続の場面でも非常に重要な役割を果たします。

 

公共の福祉の原則|財産権にも社会的制限がある

民法では「個人の権利は尊重されるが、公共の福祉に反してはならない」と定められています。

 

たとえば、相続した土地が公共事業で立ち退きを求められる場合、個人の権利よりも社会全体の利益が優先されることがあります。これは、相続によって財産を得ても、その使い方には社会的責任が伴うという考え方です。

 

信義誠実の原則|相続人同士の誠実な対応が求められる

民法では、「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない」と定められています。これは信義誠実の原則(信義則)と呼ばれ、相続においても、遺産分割協議や遺留分の交渉などで極めて重要な考え方です。

 

たとえば、

  • 他の相続人を騙して有利な遺産分割を進める
  • 被相続人の意思を無視して財産を独占する

こうした行為は、信義則に反し、最終的には無効や損害賠償の対象となることがあります。

 

権利濫用の禁止|相続権の行使にも限界がある

民法では「権利の濫用は、これを許さない」と定めています。つまり、自分の相続権を他の相続人に対して不当に利用することは認められません。

 

例えば、

  • 相続財産を故意に独占し、他の相続人に開示しない
  • 遺留分侵害額請求を報復目的で乱用する
  • 無理な請求で遺産分割を妨害する

こうした行為は、法的には「権利の濫用」と判断されることがあります。相続でも「正当な権利の範囲を超えた行為」は保護されません。

 

契約自由の原則|遺産分割協議の自由と責任を負う

民法では「契約を結ぶかどうかは自由」とされています。相続においても、相続人全員の合意による「遺産分割協議」は契約行為にあたります。

 

誰がどの財産を受け取るかは自由に決められますが、一度合意した遺産分割協議書には法的拘束力が生じるため、後から「やっぱり取り消したい」とはできません。

 

したがって、協議の前に財産内容を十分に調査し、冷静な判断をもって署名押印することが大切です。

 

民法を理解することは「相続トラブル防止」につながる

民法の原理は難しく感じるかもしれませんが、実は相続トラブルの多くが、これらの基本原則を軽視した結果から起こります。

  • 信義則を守らず話し合いが破綻
  • 権利を乱用して家族間が対立
  • 契約の重みを理解せずトラブル化

 

民法は単なる条文の集まりではなく、人と人との関係を円滑にし、家族が公正に財産を分け合うためのルールです。その根底にあるのは、「公平・誠実・調和」という理念です。

 

まとめ

相続は「お金の問題」であると同時に、「人と人の関係の問題」です。だからこそ、民法の原理である「信義・誠実・公平」を理解することが、相続争いを防ぎ、家族の絆を守るための第一歩となります。

 

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