家族が亡くなったら、役所に対して期限内に死亡届を提出しなければなりません。国内で亡くなった場合と国外で亡くなった場合とで期限は異なりますが、本人死亡後の諸手続をスムーズに済ませるためにも、死亡届について正しく理解しておきましょう。

 

【この記事の要点】

  • 死亡届の様式と罰則
  • 期限内に死亡届を提出しなかったときのリスク
  • 葬儀社は「使者」として死亡届を提出できる

 

この記事では、死亡届が果たす役割や期限に遅れてしまうことのリスクについて説明していきます。家族の死後、葬儀などの手配とともに真っ先に行わなければいけない手続きになりますので、いざというときに慌てない心構えが大切です。

 

死亡届を期限内に提出しなかった場合の注意点

期限内に死亡届を提出しなかった場合、以下に挙げるようなリスクが生じる可能性が出てきます。いずれも、故人の死後の手続きとして重要なものばかりなので、本人の死後は速やかに届出を行いましょう。

 

火葬・埋葬の許可がおりない

本人の死後、死亡届を提出する際に「火葬(埋葬)許可申請書」を合わせて提出します。特に不備がない限りその場で火葬(埋葬)許可証が発行されますので、忘れず手続きしましょう。なお、死亡届と火葬(埋葬)許可申請書の提出は、後に述べるように葬祭業者が代行してくれるケースも多々あります。

年金受給停止手続きができない

故人が生前に年金を受給していた場合は、その受給停止手続きを行わなくてはなりません。

【期限】

  • 厚生年金受給者:死後10日以内
  • 国民年金受給者:死後14日以内

年金受給停止手続きを行わなかった場合、本人が亡くなっているにもかかわらず年金を受給することになります。多く受け取った分は返納しなければいけません。

 

また昨今、「本人がすでに亡くなっているのに親族などがその死亡の事実を意図的に届け出ず、引き続き年金を受給してしまう」という事案も散見されています。これは不正受給にあたり、処罰の対象となりますのでくれぐれも注意しましょう。

 

介護保険喪失届の手続きができない

死亡した者が以下に該当する場合は、死後14日以内に介護保険喪失届を提出しなければなりません。

 

  • 介護保険第1号被保険者または第2号被保険者

 

死亡届を提出した後に行う手続きであるため、死亡届の届出が遅れた場合、介護保険の未納分の納付をしたり過納分の還付を受けたりすることができなくなる可能性が生じます。

 

住民票の抹消・世帯主の変更ができない

住民票の抹消や世帯主の変更は、死亡届を提出することにより役所側で手続きされます。したがって、死亡届の提出を行わなかった場合、亡くなった人の住民票は抹消されず世帯主も故人のままとなってしまいます。世帯主の変更届は死後14日以内に行わなければ、住民基本台帳法の定めにもとづき5万円以下の過料に課せられることになります。

 

ただし、以下の家族構成の場合は世帯主の変更届は不要です。

  • 故人のみの世帯
  • 2人世帯(自動的に同居者が世帯主になる)
  • 15歳以上の人1人と15歳未満の子で構成される世帯(15歳以上の者が自動的に世帯主になる)

 

死後7日以内の手続きが必要な「死亡届」

戸籍法では、本人の死亡の事実を知った日から7日以内に、死亡届を作成して役所に提出することと定めています。これにより死亡の事実が法的に認められます。ただし、死亡届の期限が7日間なのは本人が国内で死亡した場合に限られ、仮に国外で死亡した場合はその期限が3ヶ月以内となります。

 

戸籍法に基づく罰則に注意

期限内に正当な理由なく死亡届を出さなかった場合、戸籍法に基づき5万円以下の過料に処される可能性があります。

 

死亡届と死亡診断書

死亡届は医師が作成する死亡診断書と一体になった書類で、一枚の用紙の半分が死亡届・半分が死亡診断書となっています。死亡診断書には、亡くなった人の主治医や死亡を確認した医師により次の事柄が記載されます。

  • 死亡日時
  • 死亡場所
  • 死因(病名)
  • 死亡にいたるまでの詳細な過程

現代では病院で亡くなるケースが非常に多いため、遺族が死亡届・死亡診断書の手配を行うことはなく、病院側が発行する書類を受け取って手続きを進めることになるでしょう。孤独死などは、警察が介入することになるため、遺体に触れず警察の到着を待って死体検案書の交付を受けます。

 

死亡届を提出できる人

死亡届を提出できる人は次の通り戸籍法に定められています。特に以下の人物が順序として上位に来ます。

  1. 同居していた親族
  2. その他の同居者
  3. 家主や地主または家や土地の管理人

 

ただし、必ずしも順序通りの人物が届出をしなければいけないというわけではなく、上記にあわせて以下の人物も届出を行うことができるとしています。

  • 同居していた親族以外の親族
  • 後見人・保佐人・補助人
  • 任意後見人および任意後見受任者

 

葬儀社に死亡届の提出を依頼できるか

家族の死後、混乱のさなかにある遺族に代わり、葬儀社が死亡届を役所に提出し火葬(埋葬)許可証を入手するケースは多々見られます。ただし、死亡届への記入は家族・親族など定められた人物が行うことになっています。

 

葬儀社は「使者」として死亡届を提出することができる

葬儀社は遺族に代わり、「使者」として死亡届を提出することができます。使者とは、依頼や命令を受け使いをする人のことをいいますので、意思決定の権限は持ちません。したがって、死亡届の記載事項に誤りなどがあった場合、訂正ができませんので注意が必要です。

 

まとめ

死亡届には、故人の生年月日や住所、本籍、死亡した場所の住所などの記載が必要です。また、届出人の本籍地も記入しなければなりません。住所については把握しているかもしれませんが、たとえば親の本籍地をよく記憶しておらず、いざというときに慌ててしまうことは少なくありません。あらかじめ死亡届の記載事項をきちんと把握しておくことができれば、混乱を回避することができるでしょう。

 

また、家族の死亡によりさまざまな手続きや届出が必要になる一方で、相続手続きも同時に進めていかなければなりません。家族の死後は精神的に負荷がかかる状況であるだけでなく、具体的にどのような手続きを行っていけばいいか慌ててしまいがちです。当行政書士法人では、ご家族の死後の相続手続きについてご相談を承っておりますので、まずは無料相談をご利用いただき「やるべきこと」の整理から着手していくといいでしょう。

問い合わせバナー
無料相談受付中予約カレンダー
無料相談受付中
予約カレンダーメールでのお問い合わせ電話でのお問い合わせLINEでのお問い合わせ