被相続人が亡くなり、その遺産に被相続人名義の不動産が含まれていた場合、相続人は相続登記を行って不動産を取得しなければなりません。取得した不動産を売却するときは、相続手続きとは別に販売活動を行う必要があります。

 

【この記事の要点】

  • 相続土地の種類
  • 相続土地の名義によって異なる注意点
  • 数次相続の問題
  • 相続不動産の売却の流れ

 

この記事では、相続した不動産を売却・相続登記する場合の注意点について説明していきます。相続する土地の種類を理解したうえで、名義変更から売却の流れまで押さえていきましょう。

 

相続する土地の種類を理解する

遺産に含まれている土地にも種類があります。大きく分けて、居住用宅地・事業用宅地(建物あり)・事業用宅地(土地のみ)・遊休不動産・農地の5種類がありますので、それぞれの特徴について整理していきます。

 

居住用宅地

被相続人が暮らした自宅が建っている土地を居住用土地といいます。居住用土地を相続した場合は、相続人が移り住むか売却することが多いです。賃貸住宅や事業用土地として貸し出すケースも見られます。

 

事業用宅地(建物あり)

被相続人名義の土地に事業用(事務所や店舗、倉庫など)の建物を建てており、賃貸借契約により貸し出していた場合は、相続人が土地を相続した後も借主の賃借権は守られますので、引き続き事業用宅地として使用されることになります。どうしても土地を売却したい場合は、借主との丁寧かつ慎重な協議が必要になってくるでしょう。

 

事業用宅地(土地のみ)

被相続人名義の土地を事業用の賃貸借契約により貸し出していた場合、借主の賃借権が守られますので、引き続き事業用宅地として使用されることになります。どうしても土地を売却したい場合は、借主との丁寧かつ慎重な協議が必要になってくるでしょう。

 

遊休不動産

現在何の用途にも使用されていない土地を遊休不動産といいます。遊休不動産を相続した場合は、土地活用を検討したり売却したりするなど、さまざまな選択肢を検討することができます。

 

農地

農地を相続した場合は農地以外の目的で使用することができません。どうしても農地以外の目的で使用したり売却したりしたい場合は、農業委員会による許可を得る必要がありますので注意しましょう。

 

土地の名義に関する注意点を理解する

相続した土地を活用したり売却したりする場合、その土地がどの相続人の名義かによって注意点が変わってきます。

 

単独名義で土地を相続する場合

遺言書で土地の相続人指定を受けた場合や遺産分割協議で土地を単独相続することになった場合などは、相続登記を行えば自由に土地活用・土地売却することができます。ただし、他に相続人がおり土地の単独相続に不満を見せているようであれば、よく話し合って納得してもらうことが必要です。

 

共有名義で土地を相続する場合

複数の相続人がそれぞれ共有持分を持った状態で土地を相続する場合は、土地の活用や売却など何らかの行為を行うたびに「すべての相続人による同意を得る」必要があります

 

すべての相続人が協力的であり全員の同意を得やすい状況であれば問題ないように思えますが、複数の相続人すべてに対して事情を説明し同意を得るのは大変骨が折れる作業になるでしょう。もし、同意しない相続人がいる場合は揉め事に発展する可能性もあり得るため注意が必要です。

 

すべての相続人から同意を得て土地を売却し、得た利益を法定相続割合に応じて分配した方が平和的解決を望めるかもしれません

 

名義変更を放置していた場合の注意点

相続不動産が過去に名義変更を放置していた場合は、いくつかの問題点に注意すべきとされています。

 

特に問題となりやすいのは数次相続が起こったときです。相続人同士は血縁者であっても、「相続人の相続人」のように代を超えるほど関係性が薄くなる傾向にあるため、遺産分割協議や共有名義財産の処分などについて、スムーズに話し合いや手続きを進めにくい点に注意しましょう。そのような事態を回避するためにも、自分が不動産を相続する時点でしっかりと登記を済ませることが大切です。

 

相続不動産を売却する流れを理解する

相続した土地を売却するときの流れを理解しておきましょう。相続した土地を売却して換価分割するケースについて整理していきます。

 

※「換価分割」とは

不動産を売却して得た金銭を法定相続割合に応じて分配する方法を「換価分割」といいます。被相続人が親、相続人が妻と子2人のケースで、土地の売却益が3,000万円だったときについて考えてみましょう。法定相続割合は妻1/2、子1人あたり1/4ずつですので、妻は1,500万円、子は1人あたり750万円ずつ分配を受けることになります。

 

1.遺産分割協議を行う

遺言書がない場合は、すべての相続人が集まって遺産分割協議を行い遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書はその作成において以下の点がポイントになります。

 

  1. すべての相続財産とそれぞれの財産を相続する相続人を明記する
  2. すべての相続人が署名・押印を行う
  3. 遺産分割協議の日付を明記する

 

遺産分割協議書を当事者のみで作成することもできますが、法的な効力を持つ文書ですので本文や形式などに間違いがあってはいけません。できるだけ行政書士など専門家に依頼することをお勧めします。

 

2.相続登記を行う

元の不動産所有者から当該不動産の相続人に所有権を移行する手続きを相続登記といいます。必要書類を管轄の法務局に提出することで名義変更を行い、これに伴い所有権が相続人に移ります。

 

3.相続土地を売却する

土地の相続登記が済んだら、相続した土地は相続人のものとなりますので、相続人の意思で売却することができるようになります。一般的には不動産会社に仲介してもらい、土地の広告宣伝や買主探しなどを任せることが多いといえます。

 

できるだけ早く現金を手にしたい場合は、不動産会社に土地を買い取ってもらう方法を採ることもできます。売却に比べると価格はやや下がる傾向にありますが、相続税の申告・納税期限である10ヶ月間以内に金銭を用意する方法として、買取を選択する人も多いようです。

 

4.売却利益を相続人で分ける

相続登記を済ませて土地を売却したら、ようやく金銭が手元に入ってきます。売却で得た金銭は、単独相続であればその相続人が、共有相続であれば関与するすべての相続人が法定相続割合に応じて受け取ります。

 

まとめ

相続した不動産を売却するときの注意点について説明してきました。単独相続であれば、土地の所有者は1人であるため単独で売却手続きができますが、共有相続の場合はすべての相続人による同意がなければ手続きを進めることができません。また、共有名義のまま土地を保持することで、後の土地活用や売却の際に手間と労力が必要になる可能性もあるため、土地を換価して金銭を分け合う方法を選択するのが無難だといえるでしょう。

 

遺産分割協議書の作成や相続登記など、各種の相続手続きには複雑なものも多く、当事者のみで行うにはハードルが高いことが想定されます。相続税の申告・納税期限内にスムーズに売却・金銭の分配を済ませるためにも、専門家に助言を求めるか依頼を検討することが必要になってくるかもしれません

 

当行政書士事務所は相続全般について豊富な経験を有しておりますので、不動産相続を伴うケースにも対応可能です。司法書士や税理士と協力してご依頼者様をサポートしますので、相続登記から相続税納税にいたるまで安心してお任せいただけます。

 

不動産を相続したが売却までの流れがわからない、相談先がわからず困っているなど不安を感じている場合は、ぜひ当行政事務所の無料相談をご利用ください。じっくりと丁寧にお話をうかがい、適切な助言または提案をさせていただきます。

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