「亡くなった高齢の叔父の財産をその娘に相続してもらいたいが、亡叔父とその娘との関係性が非常に悪い状態である。相続手続きを進めるにはどうしたらいいか?」

このようなご相談がありました。ご相談者様はご親族を被相続人とする相続手続きでお困りの様子。当行政書士事務所へのご相談のきっかけから問題解決まで整理していきます。

 

ご相談にいたる背景事情

【ご依頼者様とご親族状況】

  • ご相談者様:Aさん女性(50代・会社員)
  • 被相続人:母の兄(80代・Aさんの叔父)
  • 相続人:被相続人の娘(50代)
  • 状況:被相続人である亡叔父の遺産を娘に相続してもらいたいが、被相続人とその娘との関係性が悪く相続手続きに難儀している様子です。相続手続きについてどう対応したらいいかとご相談をいただきました。

 

【ご依頼のきっかけ】

  • 検索でホームページを見つけた

被相続人の法定相続人は誰か

法定相続人の第1順位は子であるため、関係性が悪かったとされる娘が相続人となります。一方、亡叔父には、相談者の母を含め存命の兄妹が2人(相談者の母と母の兄)おり、親(相談者の祖父母)はすでに亡くなっている状況です。したがって、仮に亡叔父の娘が相続放棄した場合は、第3順位である相談者の母とその兄が相続人となります

 

相続人の順位は法的に決まっており、具体的には以下の通りとなります。上位の相続人が死亡または相続放棄(始めから相続人ではなかった状態)した場合、次の順位の相続人が遺産を相続するのです。

  • 常に相続人:配偶者
  • 第1順位:子など直系卑属
  • 第2順位:親など直系尊属
  • 第3順位:兄弟姉妹など傍系血族

 

今回の場合、被相続人に配偶者がおらず第1順位の子と第3順位の兄妹がいる状況ですので、何も問題がなければ子が相続人となります。しかし、もし子が相続放棄した場合は、相続権利が第3順位の兄妹に移ります。

 

財産状況はどうなっているか

【財産状況】

  • 自宅敷地×1
  • 自宅建物×1
  • 預金×金融機関口座1件

 

ご相談における問題点

【問題点】

本来であれば亡叔父の娘に相続して欲しいが、被相続人との関係性が悪く相続手続きに協力的ではない。しかし、あまり強く言うと揉め事になりそうで心配している。

 

被相続人と娘との関係性

ご相談者様からお話をうかがったところ、亡叔父とその娘の関係はもとから良好だったわけではないようです。被相続人の娘さんは厳格で頑固な性格だった父親(亡叔父)への反発も昔から強く、やがて根強い拒否感に変わっていった様子。

 

娘さんがひとり立ちしてからは、父親(亡叔父)との連絡もやや疎遠になっていたようで、距離を取ろうとしていたことがわかります。

 

娘さんに相続手続きを行って欲しいのはやまやまですが、そういった背景事情がある以上、無理強いはできない状況でした

 

当行政書士事務所による提案

【当行政書士事務所からのご提案】

当行政書士事務所として戸籍収集を行い、被相続人の娘に意向確認を代理することを提案

 

当行政書士事務所の判断と提案

被相続人と娘さんとの確執があった以上、相続手続きについて強く求めることは逆効果であると判断しました。また、親族から相続について伝えるよりも、中立的かつ専門的な立場の当行政書士事務所が間に入った方が、揉め事になりにくいとも考えられます。

 

そこで、被相続人の娘さんに対する「相続の意思確認」を当行政書士事務所が代理で行い、相続手続きしなかった場合と相続手続きを行った場合の未来について、客観的な事実をお伝えすることをご提案しました。

 

相続手続きを放置した場合の未来

  1. このまま相続手続きせず放置した場合、3ヶ月経過すると自動的に父親の財産を相続することになること。
  2. 財産に不動産が含まれているため相続登記が必要になり、その後も不動産の維持管理や固定資産税の支払いを引き受ける必要があること。
  3. 本人が相続する場合、遺産に不動産が含まれているため登記に係る司法書士報酬などを支払う必要があること。

 

相続放棄した場合の未来

  1. 本人が相続放棄した場合、娘の叔父叔母(被相続人の兄弟姉妹)2人が相続人となり、財産の相続手続きすること。

 

これらの事実をお伝えしたうえで、娘さんにどちらを選択するか決めてもらい、誰が相続人となるか」を明確にするところから始める必要があると、当行政書士事務所は考えました。

 

問題解決!実際の流れ

【解決のポイント】

当行政書士事務所が戸籍収集と被相続人の娘さんへの意向確認を代理。

 

問題解決の流れ

ご相談者様のお母様と叔父様(被相続人の兄妹)に許可をいただいたうえで、当行政書士事務所が戸籍収集と財産調査を行い、これをもとに現相続人である娘さんへの意向確認を代理することとなりました。具体的な状況は以下の通りです。

 

【具体的な状況】

  • 職権で戸籍収集を行い財産調査を実施した
  • 被相続人の娘さんに相続の意向確認を行った結果、被相続人との関係性は深刻であり相続放棄するとの回答を得た
  • 相続順位を説明し、娘さんに代わり叔母(相談者の母)と叔父が相続人となることを説明し了解を得た


遺産は、相続順位にしたがって手続きしていかなければならないので、娘さんの意向確認は避けられません。そこで、意向確認を行うところまでを代理しました

 

娘さんが相続放棄した場合、叔母(相談者の母)と叔父による相続手続きが必要となりますが、弊事務所に相続手続きをご依頼されるかどうかは別途検討してもらうことにしました。

 

今回のご依頼内容とお申し込みプラン

【ご依頼内容】

  • 相続人調査(戸籍調査)
  • 相続人住所調査
  • 相続人意向確認

 

【お申し込みプラン】報酬および実費総額・お支払い方法

  • 合計:90,750円

    相続人調査(戸籍調査):33,000円

    相続人住所調査:33,000円

    相続人意向確認:16,500円

    消費税:8,250円

  • お支払い方法:当行政書士事務所口座への銀行振込

 

担当者による感想

千田 大輔

千田 大輔


Senda Daisuke

どんなに親子関係が悪化していたとしても、法律上は親子であることに違いなく、その関係性が消滅することはありません。したがって、被相続人である親が亡くなり、親の配偶者もいない今回のようなケースでは、自動的に子が相続人となるのです。

 

しかし、もともとの親子関係が非常に悪く、親の財産の相続もスムーズに行かないような場合もあるでしょう。そのようなときはまず、「相続する未来と相続放棄する未来の両方を理解してもらい、どちらかを選択してもらうこと」が重要であると判断しました。

 

このようにリアリティのある未来を理解していただくことで、ご本人様は自分にとって望ましい選択をされます。今回のケースでは、娘さんが相続放棄されるという選択を行いました。これにより、ご相談者様のお母様と叔父様(被相続人の兄妹)は、相続を自分事として捉え向き合っていくことができるようになったのです。


親子と言っても人間同士ですから、関係性が悪いこともあるでしょう。そのようなときは無理に相続させようとせず、「相続するか、相続放棄するか」などと選択肢を提示してあげるのも1つの方法です

 

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