相続でマンションを取得した場合、最優先で必要になるのが「名義変更(相続登記)」です。名義変更をしないまま放置すると、売却や賃貸ができないだけでなく、管理費・修繕積立金だけを負担し続けるリスクも発生します。
この記事では、マンション相続における名義変更の手続きと必要書類、発生する費用、活用法などについて説明していきます。
マンション相続が増えている理由と特徴
近年、マンションを相続するケースが増加しています。
マンションは敷地が比較的小さく、土地評価が抑えられやすいため、戸建てより相続税評価額が低くなる傾向があります。さらに、そのまま住む・賃貸として運用する・売却する、といった選択肢があり、柔軟に活用できる不動産という点で注目されています。
相続したマンションは名義変更(相続登記)を
マンションを相続した場合、必ず行わなければならないのが法務局での相続登記(名義変更)です。
相続登記が必要な理由
マンションの相続登記が必要な理由として、以下を挙げることができます。
- 名義が被相続人のままだと売却できない
- 賃貸契約も原則できない
- 将来的に相続人が増えたときに権利関係が複雑化する
- 相続登記は義務化(罰則あり)である
つまり、名義変更は避けて通れない手続きなのです。
マンション名義変更に必要な主な書類
相続登記には、以下のような書類が必要です。
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍一式
- 相続人全員の戸籍謄本
- 遺産分割協議書(または遺言書)
- 相続人の印鑑証明書
- 登記事項証明書(マンション)
- 固定資産評価証明書
※書類が1通でも欠けると手続きが進まないため、早めの戸籍収集が重要です。
マンション相続で発生する「管理費・修繕積立金」
マンションを相続すると、所有した瞬間から以下の費用負担が発生します。
- 管理費
- 修繕積立金
- 固定資産税・都市計画税
たとえ空室で収入がなくても、毎月数万円単位の支出が続く点が大きな注意点です。
空室・経費負担・住民トラブルのリスク
マンションの入居率が低下すると、家賃収入が減少しますし、管理費や修繕費の負担が増加したり家賃値上げによる住民トラブルが起こったりすることもあります。空室状態では、経費はすべて相続人の自己負担になるため、収支の見通しを必ず確認しましょう。
相続マンションを賃貸に出す場合の注意点
賃貸運用も一つの選択肢ですが、マンション相続で注意したいのが、
- 家賃の入金管理
- 相続人間での分配方法
- 原状回復費・修繕費負担
など、金銭トラブルの火種になりやすい点があるということです。特に、共有名義の場合は、あらかじめ分配ルールを書面で決めることが必須です。
マンションを「代償分割」で相続する場合
代償分割とは、1人がマンションを相続し、他の相続人に現金を支払う方法です。公平性は高いですが、多額の現金が必要になったり住宅ローンが残って資金負担が重くなったりするデメリットもあります。
相続マンションを売却する場合の注意点
相続人全員の合意があれば、マンション売却も可能です。
ただし、
- 共有名義だと 全員の同意が必要
- 売却益には 譲渡所得税が課税される
- 売却までの 管理費・固定資産税は相続人負担
といった点に注意が必要です。
マンション相続は「相続放棄」も視野に入れるべき
管理が難しい、赤字になる、将来の負担が重すぎる、といった場合は、相続放棄という選択肢も検討すべきです。
ただし、マンションだけを放棄することはできず、すべての財産と負債をまとめて放棄することになるため、プラスの財産とマイナスの財産を慎重に比較する必要があります。
まとめ
マンション相続は、「相続したら終わり」ではなく、相続後こそが本番です。もし判断に迷う場合は、行政書士・司法書士・税理士など専門家への早めの相談が、将来の大きなトラブルを防ぐ最善策となるでしょう。










