相続税の税務調査は、相続財産の申告漏れや名義預金、不自然な資金移動がないかを確認するために行われます。特に相続税は金額が大きく、税務署が重点的に調査する税目であるため、曖昧な申告や「隠しても分からないだろう」という判断は非常に危険です。
正しい知識をもとに、調査対象になりやすいポイントを理解しておくことが最大の防御策となります。
相続税の税務調査の目的とは
相続税の税務調査の目的は、相続税の申告内容が正しいかを確認し、申告漏れや過少申告を是正することにあります。被相続人が亡くなると、死亡届が市区町村に提出され、その情報は税務署にも共有されます。税務署はこの情報を起点に、相続税が課税される可能性のある案件を把握します。
税務署はどのように相続を把握しているのか
税務署は、次のような情報を総合的に収集・分析しています。
死亡届の情報
被相続人の死亡事実は行政機関を通じて税務署に共有され、相続発生が把握されます。
固定資産税評価額の情報
不動産の所有状況や評価額は市区町村から税務署に通知され、相続税が発生しそうか判断されます。
過去の所得・資産状況
生前の所得、預貯金残高、不動産保有状況などと申告内容の整合性がチェックされます。
相続税は税務調査されやすい税目
相続税は、所得税や法人税と比べても税務調査の対象になりやすい税金とされています。理由は以下のとおりです。
- 一度の調査で高額な追徴税額が見込める
- 財産の把握が比較的容易
- 名義預金など形式と実態が異なるケースが多い
そのため、「相続税は必ず調査される可能性がある」と考えておくことが重要です。
税務調査で指摘を受けやすいポイント
以下の点は税務調査で指摘を受けやすいと考えられますので、十分注意しましょう。
被相続人の預貯金の動き
被相続人の死亡前3〜5年程度について、多額の引き出しが頻繁にある場合は、資金の行き先を詳しく確認されます。隠し口座や名義預金への移動がないかが重点的に調査されます。
親族名義の預金(名義預金)
子や配偶者名義の口座であっても、
- 被相続人が資金を出していた
- 管理・運用を被相続人がしていた
といった場合は、被相続人の財産(名義預金)として相続税の課税対象になります。
生命保険の調査
契約者が別人であっても、保険料を被相続人が負担していた生命保険は相続税の対象となる場合があります。死亡保険金の非課税枠の適用漏れや過少申告がないかも確認されます。
家族間のお金の移動・贈与
「生活費の援助」「教育資金」などの名目であっても、贈与契約書がなく継続的・高額な資金移動がある場合は、贈与や名義預金と判断されるリスクがあります。
税務調査が入った場合のペナルティ
申告漏れが発覚した場合、次のようなペナルティが課される可能性があります。
- 過少申告加算税(10~15%)
- 無申告加算税(5~20%)
- 延滞税
- 悪質な場合は重加算税(最大40%)
結果として、本来納めるべき税額より大幅に負担が増えるケースも少なくありません。
相続税の税務調査を避けるための対策
- 財産を正確に洗い出し、名義と実態を一致させる
- 不明瞭な資金移動は事前に説明できるよう整理する
- 相続税に強い税理士へ申告を依頼する
「隠さない・曖昧にしない」ことが、最大の調査対策です。
まとめ
相続税の税務調査は、預貯金・名義預金・生命保険を中心に厳しくチェックされます。相続税は高額になりやすく、申告ミスや隠蔽は必ず発覚すると考えるべきです。正確な申告と事前準備こそが、税務調査リスクを最小限に抑える最善策といえるでしょう。










