相続開始後に自分で戸籍を収集する方法
相続手続きにおいては、亡くなった方(被相続人)の生まれてから死亡までのすべての戸籍を市町村役場に請求し、つなげて取得する必要があります。以下の方法で進めると、効率的にご自身でも戸籍を集めることができます。
市町村役場の窓口で戸籍を取得する場合
被相続人の死亡の記載のある戸籍・除籍・改製原戸籍を本籍地のある市町村役場で請求します。
窓口にある請求書様式の欄外に「相続手続きで使用するため、被相続人●●の取得できる戸籍をすべて交付ください」と記載し、口頭でも伝えます。担当者が戸籍の読み取りを行い、その市町村で取得できる戸籍をすべて交付してくれます。
さらに出生まで遡る戸籍を取得したい場合は、どの役所に請求すればよいかを尋ねると案内してもらえます。
本籍地が遠方の場合や市町村が消滅している場合
戸籍の中には、すでに存在しない旧市町村が記載されている場合があります。
その際はインターネット検索で旧地名を調べると、現在の市町村名や合併情報を確認できます。確認後は「請求する市町村名+戸籍郵送請求」で検索し、ホームページにある郵送請求方法と請求様式を利用します。請求書にも同様に「相続手続きで使用するため、被相続人●●の取得できる戸籍をすべて交付ください」と記載します。
郵送請求時のポイントと手数料
郵便局で定額小為替(1通750円)を購入し、封筒に同封して支払います。除籍謄本・改製原戸籍は1通750円が全国一律のため、多めに4枚程度同封しておくと安心です。
また、送られてきた戸籍の範囲が分からない場合に備えて、請求書に「被相続人のいつからいつまでの範囲の証明書なのか教えてください」と記載しておくと、役所が丁寧に回答してくれることが多いです。
郵送でしか戸籍が取れない場合
被相続人の本籍地が現住所地と異なる場合は、最初から郵送請求となることがあります。この場合も、上記と同じ方法で問題ありません。
相続開始後に自分で預貯金・有価証券の手続きを行う場合
相続では多くの方が預貯金口座を持っており、ほぼ必ず相続手続きが必要になります。中には、被相続人の死後すぐにお金を引き出してしまう方もいますが、これは遺産分割でトラブルになることがあるため注意が必要です。やむを得ず下ろす場合でも、葬儀費用などの必要最低限にとどめましょう。
家庭裁判所で相続放棄を予定している場合は、口座には一切手を付けないことが重要です。
預貯金・有価証券の相続に必要な書類(遺言書がない場合)
- 被相続人の生まれてから死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本 各1通
- 相続人全員の戸籍謄抄本 各1通
- 相続人全員の印鑑証明書(発行から3~6か月以内) 各1通
- 金融機関・証券会社所定の相続手続依頼書
遺産分割協議書は必須ではない
遺産分割協議書がなくても、金融機関での相続手続きは可能です。ただし、トラブル防止のためには作成しておくことが望ましいでしょう。
覚えておくと便利なポイント
- 戸籍関係証明書は原本返却されることが多く、件数分の取得は不要。
- 法定相続情報証明制度を利用すれば、戸籍原本の提示が不要に。ただし、手続き数が少ない場合は不要。
- 印鑑証明書も返却される金融機関が多く、1人につき1~2枚で十分。早めに取りすぎないよう注意。
自分で相続手続きを行うための相談先
費用を抑えるため、自分で相続手続きを行いたい方も多いでしょう。ただし、以下の2つの場面では専門家(士業)の関与が多く見られます。
不動産の相続登記は法務局の無料相談を活用
不動産の相続登記は司法書士の専門分野ですが、法務局で無料相談を行っています。書類の作成方法などを聞きながら、何度か足を運ぶことで自分で登記することも可能です。
相続税申告は税務署の無料相談を利用できる場合も
税務申告は難易度が高いですが、現金・預貯金のみで相続人が少ない場合は、税務署で無料相談が利用できます。内容がシンプルなケースでは、専門家に依頼せずとも手続きできる可能性があります。
まとめ
相続手続きは複雑そうに見えても、正しい手順と注意点を押さえれば自分で進めることができます。特に戸籍収集や預貯金の相続などは、役所や金融機関のサポートを受けながら十分対応可能です。
一方で、不動産登記や相続税申告など専門知識が必要な場面では、法務局・税務署の無料相談を上手に活用しながら、必要に応じて専門家へ相談するのが賢明です。










