アパート相続は共有にすると将来必ずトラブルが起きるため、家族信託を使って管理者を一人に決め、収益は全員で受け取る仕組みにしておくことが最も安全です。
不動産が相続財産の大半を占めるケースでは「平等な相続」と「適切な管理」の両立は非常に難しく、共有は避けるべき選択肢です。家族信託を活用することで、管理を任せつつ公平な承継を実現できます。
アパート相続で「平等な相続」が難しい理由
1つの例について考えてみましょう。
平等な不動産相続が難しい例
Xさんはアパート1棟を所有し、3人の子(Aさん・Bさん・Cさん)へ平等に相続させたいと考えています。しかし、相続財産の多くが不動産の場合、平等な相続は構造的に難しいことが課題です。
不動産を1人に相続させると不公平になり、3人で共同相続すると今度は管理や処分でトラブルが起こりえます。
アパートの耐用年数が過ぎるまでは管理を続けてほしいというXさんの希望もあり、「誰に相続させて、どう管理するのか」という問題は重くのしかかります。
不動産を共同相続すると起きる典型的なトラブル
不動産を複数名で相続すると「共有状態」になります。共有には以下のような深刻なリスクがあります。以下のような理由から「アパートの共同相続」は避けるべき代表例だといえるでしょう。
不動産を管理するには持分過半数の同意が必要
修繕・維持管理といった通常の「管理行為」でも、共有者の過半数の賛成が必要です。意見が割れると何も進みません。
売却や建替えなど「処分・変更」には全員の同意が必要
共有者が1人でも反対すると売却できず、建替えや大規模修繕も進みません。
時間とともに共有者が増え続ける
共有者の1人が亡くなればその子・孫が共有者になり、10年・20年後には収拾がつかないほど増える危険性があります。
不動産相続の解決策は家族信託による管理の一本化
Xさんが望む以下の条件は、家族信託の仕組みであれば実現することができそうです。
- アパートの管理はAさんに任せたい
- 収益は3人で公平に分配したい
- しかし相続争いは避けたい
アパート相続に家族信託を使う場合の仕組みを確認しておきましょう。
① 不動産を「信託財産」にする
家族信託で管理する対象の財産(アパート・土地)を信託財産に設定します。
② 委託者
アパートの所有者であるXさんが「委託者」となり、管理を信託で任せます。
③ 受託者
管理を任せたい長男Aさんを「受託者」として設定します。必要に応じて法律の専門家を「信託監督人」に置くこともできます。
④ 受益者
生前の収益を受け取るのはXさん(受益者)、死亡後はA・B・Cさんの3人(第二受益者)とします。
⑤ 帰属権利者
信託が終了したときの財産帰属は相続人3名に設定することで、最終的に公平な相続が可能となります。
家族信託を活用するとどう管理が変わる?
家族信託の仕組みを活用した場合、不動産は以下のように管理することができます。
- Xさん(委託者)とAさん(受託者)が信託契約を結ぶ
- 不動産名義が受託者Aさんへ変更され、管理を一任
- 収益は3名で分配(受益権ベースで公平に分配可能)
- 売却時は帰属権利者へ分配されるためトラブル防止になる
このように仕組みを作り上げれば管理は一本化され、収益は公平に行きわたります。共有トラブルを根本から避けられる仕組みだといえます。
まとめ
アパート相続は、平等な分割が難しく、共有すると管理が進みにくく、共有者が増えて収拾がつかなくなる、など問題が発生しやすい相続の形だといえます。しかし、家族信託を活用すれば、管理を任せつつ、公平な財産承継を実現することができます。
弊社では、事情に合わせた家族信託スキームを作成しており、不動産相続に関するトラブル防止策にも力を入れています。トラブルを起こさないためにも、早めに弊社の無料相談をご利用ください。










