元配偶者に財産管理を任せるのが不安
離婚した元配偶者との間に未成年の子がいる場合、親である自分が亡くなると、未成年の子が相続人になります。そして民法上、未成年が相続した財産は、親権者(=元配偶者)が管理するのが原則です。
しかし実情としては、元配偶者に財産管理能力がなかったり浪費癖があったり、子の財産を使い込む可能性があるなどの不安要素があることから、「子の財産を元配偶者に任せたくない」という相談は少なくありません。
遺言書で「財産はこう管理してほしい」と希望を書いても、当該親権者がその通り行う保証はない、との不安感から、未成年の子の相続を心配しているのです。
家族信託で子の財産相続を親以外の信頼できる人に依頼
こうした不安を確実に解消できるのが家族信託です。家族信託を活用すると、次のような仕組みを構築できます。
家族信託の基本構造
- 委託者(財産を託す人):被相続人(自分)
- 受託者(財産を管理する人):信頼できる親族
- 受益者(利益を受ける人):自分→自分の死後は未成年の子
- 第二受益者(自分の死後の死亡後の受益者):未成年の子
- 信託監督人(任意):受託者の不正防止のために設定。司法書士・弁護士などを選ぶことが多い。
- 帰属権利者(信託終了後に財産を受け取る人):子が成人した時点で子本人に引き継ぐ
家族信託が機能する流れ
では、未成年の子の相続を信頼できる親族に任せたい場合、どのようにして家族信託のしくみを作り上げればいいのでしょうか。
自分(委託者)と受託者で信託契約を結ぶ
相続させたい財産を「信託財産」として受託者に託す。
自分の存命中
受託者が自分のために財産を管理。
自分の死後
未成年の子のために受託者が財産を管理。この時、親権者(元配偶者)は子の相続財産を管理できません。
子が成人した時点で信託終了
財産は子に完全に引き継がれる。
家族信託を使うメリット
未成年の子がいる場合で、元配偶者に相続手続きを任せたくない場合は、家族信託を活用することも検討してみましょう。以下のようなメリットを得られます。
① 元配偶者が相続財産に手を出せない
信託財産は受託者が管理するため、親権者は一切手を触れられません。
② 子の生活費・教育費を必要に応じて支出できる
受託者が信託契約に基づき、適切な範囲で支出できます。
③ 受託者の不正を防ぐ仕組みも設定できる
信託監督人を置けば、受託者の管理状況を定期的に確認できます。
④ 遺言よりも実効性が高い
遺言は遺言者の意思を伝えるものですが、法的な強制力はありません。家族信託であれば、法律上の拘束力があり、元配偶者による介入を防ぐことができます。
未成年の子がいる相続は家族信託が有効
- 元配偶者に財産管理を任せるのが不安
- 一人親で未成年の子を育てている
- 子が成人するまで財産管理を確実に行いたい
- 子の生活や教育費を安定して確保したい
- 親族間で揉める可能性がある
これらに当てはまる場合、家族信託は非常に有効です。
まとめ
家族信託を利用すれば、未成年の子の相続財産を、安全に・確実に・元配偶者の影響なく管理できます。親権者による浪費・横領リスクを防ぎ、子が成人するまで生活を支える仕組みを生前に整えることが可能です。
弊社では、ご家庭の事情に合わせて最適な信託スキームを設計します。「元配偶者に財産を預けたくない」「子の将来が心配」という方は、ぜひご相談ください。










