一人暮らしの高齢者が亡くなると、葬儀・行政手続き・医療費や家賃の精算・遺品整理など、膨大な「死後事務」が一気に発生します。身寄りがない場合や、親族に迷惑をかけたくない場合、これらを自動的に行ってくれる人はいません。
そのため、死後事務委任契約・財産管理委任契約・任意後見契約・遺言書などを組み合わせ、自分の死後の対応を第三者に正式に託す「生前対策」が強く求められています。
ここでは、一人暮らしの高齢者が亡くなった場合の手続きの流れと、元気なうちに行っておくべき生前対策について説明していきます。
一人暮らしの高齢者が死亡したときの手続きの流れ
一人暮らしの高齢者が死亡し、それが「孤独死」とみなされたばあい、警察と自治体が対応することになります。
たとえば、一人暮らしの高齢者が自宅で亡くなった場合、発見者が警察に通報し、警察は現場検証・検死を行って「死体検案書」を作成します。
一人暮らしの高齢者に親族がいなければ、自治体が火葬・納骨まで対応します。札幌市の場合は以下の流れで故人を弔います。
- 自治体委託先が遺体を収容
- 納棺・火葬
- 遺骨は2年間保管し、引取者が見つからなければ無縁仏として合同納骨
ただし、これはあくまで最低限の対応であり、生前の本人の希望はほぼ反映されないことを理解しておきましょう。
身寄りのない高齢者の財産はどうなるのか
身寄りがなく相続人がいない場合、財産は民法にもとづきすべて国庫に帰属します。
せっかく貯めた財産を、
- お世話になった人へ残したい
- 団体に寄付したい
- 葬儀費用として使いたい
と思っていても、何も準備しなければ一切叶いません。
これを防ぐには、以下の生前対策が必須となります。
一人暮らしの高齢者に必要な「4大生前対策」
身寄りがなく、一人暮らしをしている高齢者としては、自身の死後のさまざまな手続きや遺産の扱いを考慮して、できるだけ以下のような生前対策を講じておくことが大切です。
① 財産管理等委任契約
入院や認知症などで判断能力が低下したときに備え、財産管理や生活支援を代理人に任せられる契約です。
- 銀行手続き
- 家賃や公共料金の支払い
- 重要書類の管理
などを任せることができ、生活が安定します。
② 任意後見契約
将来的に判断能力が衰えたときに備える法的契約です。後見人が財産管理・介護施設入所の手続きなど、総合的に支援します。
③ 遺言書の作成
遺言がなければ財産は国庫に帰属することになります。遺言書で財産の行き先を指定すれば、自分の意思を確実に反映させることができます。
- お世話になった人への遺贈
- 公益団体・寺院へ寄付
- 葬儀方法の指定
④ 死後事務委任契約
身寄りのない一人暮らしの高齢者の「死後対応」を確実に行うための最重要契約が、死後事務委任契約です。この契約により、受任者は本人死亡後に以下を実行することになります。
受任者が執り行う主な死後事務
- 葬儀の手配・火葬・納骨
- 死亡届の提出
- 病院・施設の精算
- 家賃・水道光熱費・各種契約の解約
- 遺品整理の立ち会い
- 年金や保険の手続き
これらは相続人ではない第三者が行うことは本来困難ですが、死後事務委任契約を公正証書で結ぶことで可能になります。
まとめ
身寄りのない一人暮らしの高齢者が亡くなった場合、行政による極めて簡素な対応がとられ、葬儀・遺品整理・財産処分など、本人の希望はほぼ反映されません。
そのため、
- 財産管理等委任契約
- 任意後見契約
- 遺言書
- 死後事務委任契約
この4つを組み合わせて備えておくことが、「自分の死後を自分で決める」方法となってきます。
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