個人事業主は、事業の維持と生活が近接しているため、相続発生時に「想定外の相続税負担」が起こりやすいという特徴があります。また、法人に比べて節税手段の選択肢が少ないことから、生前の計画的な相続税対策が極めて重要です。

 

ここでは、個人事業主が実践できる相続税節税のポイントを体系的にまとめます。

 

個人事業主に相続税対策が必要な理由

個人事業主が相続でトラブルになりやすい理由は次の通りです。

  • 事業用資産と自宅用資産が混在している
  • 資金繰りにより現金が少なく、相続税を一括納付できない
  • 事業用財産の評価が複雑
  • 後継者がいない場合、事業の継続が困難になる

さらに、個人事業主は法人のような退職金制度がないため、相続税対策と老後資金形成を同時に行う必要があります。

 

個人事業主が実践すべき相続税の節税対策

個人事業主は、相続税の節税対策として具体的にどのような手を打っておけばいいのでしょうか。

 

① 青色申告の活用による課税対象額減

青色申告には次のメリットがあります。

  • 最大65万円の青色申告特別控除
  • 家族への給与(専従者給与)を必要経費にできる
  • 赤字の繰越控除

所得税・住民税の負担を軽減できるため、本業資金を確保しながら将来の相続税負担もやわらげます。

 

② 死亡保険金の非課税枠利用

個人事業主は現金が少ないことが多く、相続税の納税資金が不足しがちです。そのため生命保険を相続対策に組み込むと効果的です。

  • 死亡保険金は「500万円×法定相続人」の非課税枠あり
  • 相続税納税資金として確保できる
  • 特定の相続人へ現金を渡す調整手段としても有効

生命保険は、相続税節税と納税資金の確保の両面で使える重要な対策です。

 

③ 小規模企業共済で節税と相続税対策を同時に実現

小規模企業共済は、個人事業主の最強の節税制度といえます。具体的なメリットとして以下を挙げることができます。

  • 掛金は全額所得控除(最大84万円)
  • 受取時は「退職所得扱い」で税率が軽い
  • 死亡時に支払われる共済金は相続税の非課税枠(500万円×法定相続人)適用可能

所得税・住民税・相続税の3つに効果がある唯一の制度です。

 

④ 生前贈与で相続財産の計画的削減

生前贈与は早めにスタートするほど効果的です。

  • 暦年贈与(年110万円まで非課税)
  • 相続時精算課税制度
  • 教育資金贈与(非課税枠あり)
  • 住宅取得資金贈与(要件付き非課税枠)

相続開始前3年以内の贈与は持ち戻し対象のため、長期的な計画が必須です。

 

⑤ 事業用資産の評価引下げ策を検討

個人事業主の相続税で特に重いのが次の資産です。

  • 事業用土地
  • 事業用建物
  • 営業権(のれん)
  • 在庫の評価

 

事業用資産の評価引き下げに効果的な3つの方法も押さえておきましょう。これらを適切に活用することで、事業用資産にかかる相続税を大幅に軽減できます。

 

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例は、被相続人の自宅や事業用の土地を相続する際、最大80%まで評価額を減額できる制度です。要件を満たせば相続税を大幅に軽減でき、特に事業用地・居住用地を引き継ぐ相続人にとって非常に重要です。ただし適用要件が細かく、同居・生計一要件や特例面積の上限などに注意が必要です。

 

事業承継税制

事業承継税制は、中小企業の後継者が株式を承継する際、相続税・贈与税を最大100%猶予・免除する制度です。事業継続のための税負担を大幅に軽減できる強力な支援策です。適用には認定支援機関と事前の計画提出が必須で、5〜10年間の事業継続や雇用確保などの要件にも留意が必要です。

 

不動産の法人化

不動産の法人化は、個人が所有する賃貸物件などを法人へ移し、法人税率の低さや経費計上の柔軟性を活かして節税を図る方法です。所得分散により相続税対策としても有効で、株式評価を調整することで将来の相続税圧縮が期待できます。ただし移転時の譲渡税や登録免許税が発生するため、総合的なシミュレーションが不可欠です。

 

まとめ

個人事業主の相続税対策は「今すぐ始める」が正解です。具体的には、以下の相続税対策の実行を検討してみましょう。

  1. 青色申告で節税+資金確保
  2. 生命保険で相続税負担を軽減し納税資金を準備
  3. 小規模企業共済で老後資金と相続税対策を両立
  4. 生前贈与で計画的に財産を減らす
  5. 事業用資産の評価引下げを検討する

これらを組み合わせることで、相続税対策・事業安定・老後資金確保のすべてが実現できます。

 

弊社では、行政書士・税理士・司法書士が連携し、個人事業主の相続税対策をトータルでサポートしています。お困りの場合は、ぜひ無料相談をご利用ください

 

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