不動産投資は、現金よりも相続税評価額を大幅に下げられるため、最も効果的な相続税対策の一つといわれています。
土地は路線価で評価されるため時価より価値が低くなり、さらに賃貸住宅を建てることで貸家建付地として追加の評価減が適用されます。加えて、建物の評価も固定資産税評価額が基準となり、賃貸用であればさらに評価額が下がるため、結果として相続税の負担を大きく軽減できます。
なぜ不動産投資は相続税対策になるのか
不動産投資が相続税対策に向いている理由についてみていきましょう。
① 現金より不動産のほうが評価額が低い
相続税は「相続時点の評価額」に基づいて計算されます。現金は額面どおり100%で評価されるのに対し、不動産は以下のように 相場より低い価格で評価 されます。
計算例
「土地の相続税評価=路線価(時価の約 80%)」とすると、時価1億円の土地の路線価評価8,000万円となり、評価額が低下することがわかります。
※路線価は国税庁が公表する相続税評価の基準
② 賃貸住宅を建てると「貸家建付地」でさらに評価減
賃貸用の建物を建築すると、その土地は 貸家建付地となり、追加で評価が2割程度下がります。
計算例
時価1億円の土地に建物を建築した場合について考えてみましょう。
路線価評価額が8,000万円だった場合、貸家建付地による減額分(20%)1,600万円を差し引くと、最終評価額6,400万円となります。現金のまま相続するより3,600万円も評価額が低下し、相続税額も大幅に軽くなります。
③ 建物は固定資産税評価で計算され時価より大幅に低い
建物の相続税評価は固定資産税評価額を基準としますが、これは時価の約6割程度です。さらに賃貸住宅の場合、借家権が発生するため3割前後評価額が下がります。
建物評価のイメージ
時価5,000万円の建物について、固定資産税評価額が3,000万円のとき、賃貸用とすればさらに評価減となり、評価額はおよそ2,000万円となります。不動産全体で大きな圧縮効果があるといえそうです。
賃貸経営を行うことで得られる追加メリット
建物を賃貸アパートとして活用することで、さらなるメリットを得ることができます。
① 家賃収入が得られ老後の安定収入にも貢献
相続税対策だけでなく、賃貸経営にすることで毎月の家賃収入を確保できます。「節税+老後資金確保」のダブルメリットは不動産投資の大きな魅力です。
② 経費が多く計上できるため所得税対策にも有利
賃貸にかかる費用は経費として計上できます。
- 建設費・建築費
- ローン利息
- 管理費
- 修繕費
- 共用部電気代
- 管理会社への委託料
経費が増えれば所得が下がり、結果として所得税や法人税の節税効果も期待できます。
不動産投資における空室リスクと対策
メリットがある一方、不動産投資には空室リスクが伴うのも事実です。空室が発生すると家賃収入が途絶え、ローン返済が難しくなることがあります。
このようなときに備えて、サブリース契約を締結するという選択肢もあります。サブリース契約には満室保証・家賃保証があるため、空室でも一定の収入が確保できます。
不動産投資の選択肢「サブリース契約」のメリット
サブリース契約を活用すると、次のようなメリットを得ることができます。
空室でも家賃が入る
サブリース会社がオーナーから物件を一括で借り上げるため、空室が出ても一定額の家賃が保証されます。収入が安定し、ローン返済の不安を大きく軽減できます。
入居者募集を任せられる
募集広告や内見対応、契約業務をすべてサブリース会社が代行します。自分で入居者を探す必要がなく、手間をかけずに稼働率を維持できる点が大きな魅力です。
クレーム対応もすべて業者が対応
入居者からの騒音・設備不具合などのクレーム対応はすべてサブリース会社が行います。オーナー自身が直接対応する必要がなく、精神的負担も大幅に軽減されます。
管理が楽で副業としても最適
物件管理・入居対応・家賃管理のすべてを任せられるため、本業が忙しい人でも負担なく運用できます。副業として不動産投資を始めたい人に特に向いています。
サブリース契約のデメリット
サブリース契約はメリットばかりではありません。次のような点に注意して、慎重に仕組みを活用するようにしましょう。
管理会社が受け取る分、通常家賃よりやや下がる
サブリース会社は管理業務や家賃保証の対価として一定割合を差し引くため、オーナーが受け取る家賃は相場より低くなります。収益性がやや下がる点は理解しておく必要があります。
まとめ
不動産投資は、相続税の評価額を下げたり賃貸経営で安定収入を得られたり、所得税の節税も期待できるという複数のメリットがあります。
ただし空室リスクや費用負担、サブリース契約条件など把握すべき点も多いため、投資前に専門家へ相談し、自分の状況に合ったプランを立てることが重要です。










