死後への不安から献体希望者が増加する背景
昨今、「死後事務委任契約公正証書を作りたい」という相談が増えています。特に、子どもがいない方や近い親族に頼れない方、生涯独身のおひとりさまからの相談が多く、自分の死後の葬儀・遺品整理・役所手続きを誰に頼めばいいか不安になっている、という点で共通しています。
こういった不安から、本来とは異なる目的で「献体を希望する」という方もいます。「病院が火葬までしてくれるなら安心」という誤解も生じているようです。
献体は「医学の発展」が目的のしくみ
献体とは、医学部などの教育・研究のために遺体を提供するしくみです。本来の目的は「医学の発展への社会貢献」であり、死後の事務処理を機関が引き受ける制度ではありません。
献体登録をしても手配が必要なこととは
献体登録をしても、以下は別途必要です。
- 死亡届の提出
- 病院から大学への搬送連絡
- ご遺体の搬送手配(家族が行うことが多い)
- 献体を受け入れられなかった場合の葬儀手配
献体受け入れ不可のケースに注意
献体として「受け入れできないケース」が一定数あります。たとえば以下のような場合がこれに当たります。
- 感染症の保有
- 交通事故などによる損傷
- 解剖学的実習日程との都合
- 病院からの搬送体制が整わない場合
「献体すれば病院が全部やってくれる」という誤解は危険ですので、十分注意しましょう。
献体希望者が誤解しやすいポイント
献体希望者の多くが、次のような誤解を抱えています。
誤解①:献体すれば葬儀や火葬まで病院側が全て行ってくれる
実際は、家族や第三者が動く必要があります。
誤解②:身寄りがなくても献体すれば安心
医科大学は「死後の生活サポート」をしてくれるわけではありません。
誤解③:死後の事務全般を大学が代行してくれる
死亡届、賃貸の退去、遺品整理、公共料金の解約などは本人側の誰かが行う必要があります。これらは献体制度の範囲外です。
死後の手続き・葬送を任せたいなら「死後事務委任契約」が必要
死後に必要になる手続きは以下の通り非常に多いので、不安に思う人もいるでしょう。
- 死亡届
- 入院費の清算
- 賃貸の退去・遺品整理
- 光熱費・携帯・ネットの解約
- 葬儀・火葬の手配
- 年金の停止
- 埋葬先の決定 など
これら死後事務を第三者に法的に依頼できる唯一の制度が「死後事務委任契約」です。行政書士など専門家に依頼すれば、契約内容どおり確実に実行してもらえます。
【実務例】弊社における死後事務委任契約の対応
弊社でも、実際に死後事務委任契約した委任者の方が亡くなり、発生した以下の死後事務について受任者として対応しています。
- 葬儀社の選定・手配
- 病院から遺体の引き取り
- 公共料金の解約
- 賃貸の明け渡しと遺品整理
- 役所への死亡届
- 相続人不明の場合の対応
弊社のような専門家は、「頼れる人がいない」方にとって、非常に実務的な安心材料となるのではないでしょうか。
まとめ
献体は尊い社会貢献ですが、「死後の不安を解消する目的で利用する制度」ではありません。亡くなった後の手続き・葬送・身辺整理まで確実に任せたい場合は死後事務委任契約が必須になります。
弊社では、死後事務委任契約や遺言、任意後見や見守り契約など、おひとりさまに必要な生前対策を総合的にサポートしています。無料相談も実施しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。










