高齢者の詐欺被害を防ぐには
高齢者を狙った詐欺事件は後を絶たず、特に一人暮らしや判断能力の低下が見られる高齢者が被害に遭いやすい傾向にあります。「自分の親も狙われるのでは?」と不安を抱える家族も少なくありません。
そこで近年注目されているのが、家族信託を活用した詐欺対策 です。
高齢者が詐欺被害に遭いやすい理由
高齢者が狙われやすい背景には以下の事情があります。
- 相談できる家族が近くにいない
- 判断能力の低下により騙されやすい
- 孤独感や不安が強く、詐欺師の手口に反応しやすい
また、まとまった財産を家族に預けておく方法もありますが、多額の財産を渡すと生前贈与扱いになる恐れや贈与税の発生といった問題があります。
任意後見制度では詐欺対策として不十分な場合も
判断能力が低下した際に利用する制度として任意後見制度や法定後見制度がありますが、任意後見制度では以下の問題点があります。
任意後見制度のデメリット
- 任意後見監督人(弁護士等)に定期的な報酬支払いが必要
- 契約が発効するまでに時間がかかるため、詐欺被害を完全に防ぎきれない
そこで、より柔軟で実務的な対策となるのが「家族信託」です。
家族信託を活用した詐欺対策が有効な理由
家族信託は、高齢者が財産を持ち続けたまま、管理だけ家族に任せるしくみです。
詐欺を防ぎやすくなる理由
- 財産名義が受託者(家族)になるため、高齢者本人が財産処分できない
- 多額の現金を本人が所持しないため、詐欺師の狙いから外れやすい
- 本人は必要なお金だけを受託者から受け取るため、安全性が高い
家族信託の設計例(詐欺対策型)
- 信託財産:不動産・預貯金など
- 委託者(財産の持ち主):高齢者本人
- 受託者(管理者):信頼できる家族
- 受益者(財産を使う権利者):本人
- 年金口座は信託財産から除外 し、受け取った金銭を小分けで信託口座へ移す
- 不正監視のため希望により 信託監督人(専門家) を設定
このような仕組みにより、本人が騙されて高額なお金を引き出す事態を防げます。
家族信託でできないこと
ただし、家族信託では 身上監護(施設入居契約など) は行えません。施設入所などの身上行為は、必要に応じて成年後見制度と併用することも検討しましょう。
まとめ
家族信託を利用すれば、
- 高齢者の財産を家族が安全に管理できる
- 詐欺師に狙われるリスクを大幅に減らせる
- 認知症対策としても役立つ
という多面的なメリットがあります。高齢者の財産を守るための実効性ある対策として、家族信託は非常に有効です。
弊社では、個別事情に合わせた家族信託設計を行っています。詐欺対策や財産管理のご不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。










