自分が亡くなった後の身辺整理や事務手続きを任せるために、死後事務委任契約を交わす人が増えています。しかし、この契約は「契約発効時には本人がすでに亡くなっている」という特性上、契約書の作成には高度な注意点があります。
ここでは、契約書作成時の注意点や死後事務委任契約のメリット、合葬墓での納骨トラブル事例について説明していきます。
死後事務委任契約とは
人が亡くなると、以下のように非常に多くの事務手続きが発生します。
- 死亡届の提出
- 葬儀・火葬・納骨の手続き
- 賃貸物件の退去
- 遺品整理
- 公共料金やネット等の解約
- 役所・年金・健康保険の手続き
- 親族や関係者への連絡 ほか多数
これらを信頼できる第三者に任せるための仕組みが死後事務委任契約 です。
死後事務委任契約のメリット
元気なうちに死後事務委任契約を締結しておくことで、自分の死後、次のようなメリットを得ることができます。
親族の負担を大きく軽減できる
10か月以内に行う相続手続きに加え、大量の身辺整理が必要となるため親族の負担は非常に重くなります。受任者が引き受けてくれることで、家族は相続に集中できます。
委任者の希望どおりの身辺整理が可能
「何を残すか・何を捨てるか」「PCデータの扱い」「葬儀の形式」など、細かな希望を事前に反映できます。
契約書にもとづき漏れなく死後事務を遂行できる
書面化することで依頼内容が明確になり、受任者の迷いを防ぎます。
独り身でも依頼できる
家族がいなくても行政書士など第三者と契約できますので、安心して老後を迎えられます。
契約書作成時の重要な注意点
死後事務委任契約は「契約発効時に委任者が死亡している」ため、以下の点は必ず押さえる必要があります。
民法653条対策を施しておく(委任者死亡で契約失効)
民法では、委任者が死亡すると契約は終了すると規定されています。このため、契約書には「死亡後も効力を有する」という特約を必ず記載する必要があります。
家族・親族から事前に同意を得る
第三者が「親族を差し置いて身辺整理を進める」ことに、家族が不信感を抱き揉めるケースがあります。このような事態を避けるためには、死後事務委任契約締結に先だって家族に事情を説明し、了承を得ることが不可欠です。
委任内容はできるだけ詳細に書く
委任者本人は既に亡くなっているため、契約書が唯一の指示書になります。誰に連絡するか(氏名・住所・電話番号)、葬儀の方法はどうするか、遺品の処分方法はどうするか、どのサービスを解約するかなど、できるだけ詳細に指示を記載しておきましょう。
【実例】受任者が親族でないと納骨できないケース
死後事務委任契約書があっても、「相手先が受任者を認めないケース」が実際に発生しています。十分注意が必要です。
契約書作成段階で相手先との調整を行っておくことが重要
札幌市で死後事務委任契約の受任者として委任事項の遂行を行うにあたり、たとえば納骨がスムーズにいかないこともありました。
市内の合葬墓は人気が高く、受任者が親族でない場合は納骨申請を拒否される状況があったからです。結局は、弊社行政書士が直接霊園に確認を採り、無事に納骨を済ませることができたのです。
契約書があれば何でもできるわけではない
死後事務委任契約は強力な契約ですが、実際の手続き先(自治体・霊園・施設)が受任者を認めるかどうかは別問題、という一面があるのも事実です。したがって、契約書作成段階で、各手続き先に事前確認しておくことがとても重要になってきます。
まとめ
弊社では、ご相談者様のご事情についてじっくりとヒアリングを行い、その後、事案ごとに生前対策の全体像を提示させていただきます。費用については、その時点における明朗な金額を算出してお見積書を作成し、手続きにかかる日数その他のアドバイスなどご納得いただけるよう説明します。契約を急がせることはありませんし、ご依頼されるかどうかは相談後に決めていただいて結構ですのでどうぞご安心ください。










