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家族信託だけではなく他にどんな制度を使えばよいのかわからない、任意後見や遺言などどう使い分ければいいのか、といった不安を抱く方は非常に多いです。家族信託は万能に見えますが、単独ではできないことが多い制度でもあるので、他のしくみとの併用も検討してみましょう。

ここでは、家族信託と併用すべき選択肢とそれぞれの役割をわかりやすく整理します。

 

家族信託でできること・できないこと

家族信託は非常に強力な制度ではあるのですが、財産管理に強い反面、身上監護(医療・介護の意思決定)や死後の事務、未信託財産の承継には対応できません。そのため、遺言・任意後見・見守り契約を併用することで、認知症・入院・死後の手続きまで一気通貫で備えることができます。

 

項目

家族信託でできる

できない

財産管理(現金・不動産)

認知症後の財産処分

身上監護(入院手続き・施設入所)

×

死後の事務処理

×

未信託財産の承継

×

二次承継(次の次の受益者)指定

家族信託はあくまで財産管理のしくみであり、生活面や死後の事務には対応できません。その不足を補うために、他制度との併用が必要になります。

 

併用すべき制度 ①遺言書

家族信託と遺言書を併用する場合について考えてみましょう。

 

併用の目的

信託しなかった財産の承継先を指定することができます。家族信託には遺言の効果がありますが、それは信託した財産のみが対象となるものです。実際には、次のような財産が信託から漏れるケースが多いので注意しましょう。

  • 預金の一部
  • 家具などの動産
  • 信託設定後に取得した財産

 

そこで、家族信託と遺言を併用し、「信託した財産を家族信託で承継」「信託しなかった財産を遺言で承継」といったように分けることで、財産管理・承継がよりうまくいくことになります。

 

併用すべき制度 ②任意後見契約

家族信託と任意後見契約を併用する場合について考えてみましょう。

 

併用の目的

認知症後の「生活・医療・介護」意思決定を補完することができます。

 

家族信託は財産管理には強いですが、

  • 施設入所契約
  • 医療同意
  • 介護サービス契約
  • 行政手続き

といった身上監護は行えません。

 

任意後見契約を併用すれば、認知症後に後見人が代理して手続きが可能になります。たとえば「家族信託で財産管理を」「任意後見契約で身上監護を」という分担がとても効果的です。

 

併用すべき制度 ③見守り契約

家族信託と見守り契約の併用について考えてみましょう。

 

併用の目的

後見開始のタイミングを適切に判断することができます。

 

任意後見契約は契約してもすぐには効力が発生しません。認知症が進行したタイミングで家庭裁判所に申立てが必要です。見守り契約があることで、

  • 定期訪問
  • 健康状態・生活状況の確認
  • 変化があれば任意後見監督人の選任へつなぐ

といったサポートが可能になり、後見開始のタイミングを逃しません。

 

併用の判断基準

どのような状況下にいる人がどういった併用を行うべきか、組み合わせの例を挙げてみましょう。

状況

推奨される併用

認知症対策を万全にしたい

家族信託 + 任意後見

財産全体の承継漏れをなくしたい

家族信託 + 遺言

一人暮らしで不安がある

家族信託 + 見守り契約 + 任意後見

障害のある子の将来が不安

家族信託 + 任意後見 + 遺言

不動産管理・売却をスムーズにしたい

家族信託を必ず組み込む

 

家族信託・任意後見契約・見守り契約で万全の備えを

もっともバランスがよいのは、家族信託+任意後見契約+見守り契約の組み合わせです。

役割

担当制度

財産管理・不動産対策

家族信託

生活・医療・介護の判断

任意後見

判断能力低下の発見

見守り契約

認知症・入院・死後まで抜けなく備えられるため、専門家もよく採用する構成です。

 

まとめ

家族信託は単独でも有効ですが、以下のような弱点があります。

  • 身上監護ができない
  • 未信託財産を扱えない
  • 死後の事務に対応できない

家族信託+遺言+任意後見+見守り契約という組み合わせで将来設計しておけば、大変強固な生前対策になるでしょう。

 

「何を併用すべきかわからない」という方は、まずは専門家へ相談し、あなたの家族構成や財産状況に合わせて最適な組み合わせを設計してもらうと確実です。

 

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