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個人事業主と会社(法人)の特徴や違いについて
これから事業を興そうとする場合、個人事業主として開業するか法人を設立するかを決めなければいけません。ここでは、個人事業主と法人の特徴・両者の違いについて説明していきます。
個人事業主と法人の特徴とは
まずは個人事業主と法人の特徴について概要を理解しておきましょう。
個人事業主とは
事業立ち上げに際し、法人化せず個人で事業を営む形をとる人を指して個人事業主とよびます。個人事業主になるためには、税務署に開業届を提出すればそれで独立したことになります。
法人とは
法律に基づき人格を認められた組織を法人とよび、株式会社などがこれにあたります。法人として事業を営み、そこから生まれた利益を株主や社員に分配するため、営利団体とされています。
個人事業主と会社の立ち上げ方
個人事業主になるためには、税務署に対し開業届を提出すれば完了しますが、法人の場合は手続きや準備がやや煩雑です。
法人の立ち上げ手続と費用
法人の設立に際し必要な費用項目を挙げてみましょう。
- 登記にかかる費用:合同会社10万円以上、株式会社25万円程度
- 印鑑:会社印の購入(3本で数千円から数万円)
- 保険:社会保険への加入
- 資本金:1円から会社を設立することができますが、会社としての体力を備えるためにも一定程度の資本金は用意しておきましょう。目安は、3カ月間まったく利益が出なかったとしても事業存続できるだけの金額です。
費用だけでもある程度まとまった金額が必要なことがわかりますが、設立のための申請書類も多く時間と手間を要することを覚えておきましょう。
納めるべき税金
個人事業主か法人化によって、納めるべき税金の種類が変わります。
【個人事業主】
- 所得税
- 住民税
- 消費税
- 個人事業税
【法人】
- 法人税
- 法人住民税
- 消費税
- 法人事業税
個人事業主と法人の経費の扱い
事業を営むうえでかかった費用は基本的に経費として扱うことができます。
個人事業主の場合
個人事業主の場合、自宅兼事務所として事業に取り組むことが多いため、家賃や水道光熱費、通信費などがプライベートと共有になります。どこまでが事業として使用した分でどこまでがプライベート用だったのか、線引きを行うことは難しいため、「按分」という考え方に基づき経費を算出しなければなりません。
【按分の対象となる経費例】
- 家賃
- 水道光熱費
- 通信費
- 自動車関連の費用(ガソリン代や駐車場代など) ほか
この他、取引先との打ち合わせを飲食店で行ったときの費用や取引先に対する慶弔費など、幅広く経費として認められます。ただし、業務遂行上当然と考えられる按分費用以外のものについては、税務調査の対象となってしまう可能性もあるので、経費とプライベート費用は慎重に分けるようにしましょう。
法人の場合
法人になると、個人事業主として計上していた費用以外にも、従業員や自分の給与や賞与なども経費として扱うことができます。個人事業主の場合は事業所得が事業者の収入になり、給与という概念がないため、この点は大きく違ってくるのです。
法人と個人事業主では社会的な信用の違いがある
事業規模や経費の扱いなど、法人と個人事業主の間にはいくつもの違いが存在します。とりわけ大きな違いとして考えることができるのは、事業主としての社会的信用度だといってもいいでしょう。
個人事業主は開業届1枚で事業を始めることができるため、権威付けとしてはやや弱い傾向になります(開業年数が長くなり売り上げが十分額ある場合を除く)。その点、法人の場合は法律に基づく厳格な手続きを経てようやく事業開始できることもあり、その分社会的信用が高くなりやすいといえます。
まとめ
個人事業か会社か、どちらの形で事業を開始すべきかお悩みの場合は、ぜひ経験豊富な当事務所までご相談ください。贈与や相続で事業を引き継ぐ場合を含め、事業立ち上げや運営にかかわるさまざまな事柄について、助言はもちろん関係業務のご依頼を受けることができます。