亡くなられた方(被相続人)が誰かの保証人になっていた事が発覚した場合、その保証債務は相続されるのでしょうか?事例を上げて説明していきましょう。
保証人と連帯保証人の違い
保証債務には、連帯保証人の債務と、保証人の債務があります。
連帯保証人
連帯保証人は、保証人に比べて、債務者(例えばお金を借りている側)に連帯しているわけですから、実際の債務者と同じくらいの責任が問われる事になります。
保証人
次に保証人は、連帯保証人と比べて、債権者(例えばお金を貸している側の人)から債務者のお金を払って下さいと言われても、自分は保証人だから、先に、債務者や連帯保証人に払うように言って下さいよと主張する事が出来ます。
しかし、どちらにしても保証人として保証しているわけですから、債務者が支払えなくなった場合は、連帯保証人や、保証人が支払う必要がある事から考えると、どちらも重い責任が課せられていると言っても過言ではないでしょう。
被相続人が連帯保証人だった場合の相続
被相続人の死亡によって、相続が開始された時、残された財産を確認する上で、現金などのプラスの財産を受け継ぐのだとイメージされる方も少なくないと思われます。ただし、相続にはマイナスの財産と言って、借金などのマイナスの財産を相続する場合もあります。そのマイナスの財産の中の1つに含まれるのが連帯保証人です。
連帯保証人の義務も相続対象
亡くなった父が連帯保証人である場合、財産を相続するのであれば、その連帯保証人も相続する事になるわけです。よくある事例で考えますと、親が会社を経営しており、その会社の借入について親が連帯保証人になっているケースです。このような場合であっても、相続をするのであれば、連帯保証人と言うマイナスの財産も相続しなければなりません。
連帯保証人とは、借金をしている本人と連帯する形で保証しますと言う事ですので、もしも実際に借りてはいない人であっても連帯保証人となっているのであれば、借りている人とほぼ同様クラスの責任が問われる事になります。
連帯保証人の被相続人から相続する例
父が生前、誰かの保証人になっていたとします。父が亡くなり相続が開始すると、息子2人は、父が100万円の保証人になっていた事を知ります。息子2人が、父の遺産を相続する場合、この保証債務も相続する事になります。形としては、100万円の保証ですので、2分の1ずつ、つまり50万円ずつ保証する債務を負う事になります。
ちなみに、父以外にその債務に保証人が存在している場合は、半分の50万円分の範囲を息子2人で、その他の保証人と保証債務を負います。
相続放棄で連帯保証人の引き受けを拒否できるか
このように、連帯保証人の義務はマイナスの財産に区分することができます。このような連帯保証人などのマイナスの財産を取得したくないと言う場合には、相続放棄をすると言う選択肢があります。
または、限定承認という相続の方法を取るしかありません。
相続放棄するとすべての財産の相続権利を失う
相続に関する権利を放棄するわけですから、プラスの財産は貰えない代わりにマイナスの財産も承継しなくてすみます。したがって、相続放棄すれば、連帯保証人というマイナスの財産(地位と義務)を継がずに済むことになります。
死亡保険金は相続放棄に関わらず受取人のもの
なお、相続放棄をした場合であっても、被相続人がかけていた生命保険金の受取人を、相続放棄した人にしている場合には、この保険金を貰う事が可能となります。これは、亡くなった被相続人の財産ではなく、受取人側のものとなるからです。
相続放棄手続きの期限
また、連帯保証人を承継しないと判断し、相続放棄をする場合には期限があります。その期限は、亡くなった時(相続開始時)から3か月以内となっています。被相続人が死亡した時は、悲しみの上に財産がどのくらいあるのかや、相続人がどれだけいるかを調べる行為や、葬式から遺品整理まで、かなり忙しい状況が想像される中、放棄をするのかしないのかを3か月以内に決定し、申請しなければなりません。
ですので、プラスの財産で賄えると判断するのであれば、相続した方が良いかもしれませんが、その連帯保証人となっている保証の範囲で考え、負担となると言う事であれば放棄を選択すると言う事になるでしょう。










