不当な遺言内容だった場合の手立てはあるか

被相続人が遺言書を残していた場合、原則として遺言は最優先されます。

 

しかし、自分だけが極端に不利な内容だったり特定の人だけに全財産を与える内容だったりするなど、明らかに不当と感じる遺言が存在するケースも少なくありません。

 

このような場合、法的に争う手段も用意されているので、状況を正しく見極めながら対処することが大切です。

 

法律で保障されている遺留分を確保する

民法では「自己の財産は自由に処分できる」という原則があり、被相続人は誰に財産を渡すかを基本的に自由に決められます。そのため、たとえ内容が不公平でも、被相続人の意思が最優先され、有効な遺言書があれば原則その通りに相続が行われます。

 

ただし、この自由を制限する唯一の制度が「遺留分」です。遺留分とは、最低限保障されている相続分のことで、遺言によっても奪うことはできません。

 

この遺留分が侵害されている場合、 「遺留分侵害額請求」 により金銭での回復が可能です。

 

遺言書が無効だった場合

不当な内容でも、まず遺言が有効か無効かを必ず確認します。以下に一つでも欠けると「無効」になる可能性があります。

  • 認知症が進行していた時期の作成
  • 代筆された自筆証書遺言
  • 日付未記載・特定できない
  • 脅迫・強要による作成
  • 内容が著しく不自然(全財産を第三者に)など

これらは遺言無効確認訴訟の対象になります。無効と判断できれば、遺言はなかったものとして「法定相続分」で相続します。

 

遺言書が有効だった場合

遺言が有効でも、遺留分を侵害されていれば、相手方に対して「遺留分侵害額請求」や金銭での支払い請求が可能となります。

※ 現物(不動産など)は原則請求できず、金銭請求のみです。

 

【相続関係別】遺留分の割合

相続人の関係性によって相続の優先順位が決まりますので、遺留分を請求する場合も、認められるのは次の割合になることを理解しておきましょう。

 

配偶者+子の場合

  • 配偶者:2分の1
  • 子:2分の1

 

配偶者+親の場合

  • 配偶者:3分の2
  • 親:3分の1

 

配偶者+兄弟姉妹の場合

  • 配偶者:4分の3
  • 兄弟姉妹:4分の1
    兄弟姉妹には遺留分はありません

 

遺留分侵害額請求の期限に注意

遺留分侵害額請求には厳格な期限があります。

  • 相続開始と侵害を知った日から 1年以内
  • 相続開始から 10年以内

これを過ぎると、一切請求できなくなるため注意が必要です。

 

まとめ

不当な遺言でも、遺言の無効確認や遺留分侵害額請求により法的に争うことが可能です。有効性の確認と請求期限の管理が最重要ポイントです。

 

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