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任意後見契約における本人の判断能力低下を測る基準と対策

任意後見契約は本人の判断能力低下を想定して結ばれる委任契約です。しかし、本人の判断能力低下を証明する方法が指定されていないため、家庭裁判所に任意後見監督人の選任申立てを行うタイミングに迷うことがあるかもしれません。ここでは、任意後見契約で本人の判断能力が低下したことを測る基準と疑義が生じた場合について説明していきます

 

本人の判断能力低下はどのように判断すべきか

任意後見契約は本人の判断能力低下が認められたときをもって、家庭裁判所に任意後見監督人選任申立てを行い、契約発効にいたります。しかし、契約締結に際し、本人の判断能力を医学的に示す診断書などの添付は必須ではないことから、ときに判断能力低下を明確に確認できないまま任意後見契約が実行されることもあり得るのです。

 

任意後見契約に関する法律の第十条でも、明確な基準は示されていません

 

(後見、保佐及び補助との関係)

第十条 任意後見契約が登記されている場合には、家庭裁判所は、本人の利益のため特に必要があると認めるときに限り、後見開始の審判等をすることができる。

2 前項の場合における後見開始の審判等の請求は、任意後見受任者、任意後見人又は任意後見監督人もすることができる。

3 第四条第一項の規定により任意後見監督人が選任された後において本人が後見開始の審判等を受けたときは、任意後見契約は終了する。

※e-Govより抜粋

 

このため裁判所としては、本人の判断能力の状態について、診断書や本人の生活状況、公証人の見立てなどを根拠として決定する傾向にあるようです。

 

認知症と判断能力の関係

加齢による判断能力の低下に限らず、問題となるのは認知症の症状が確認された場合です。代表的なのがアルツハイマー型認知症で、記憶障害や動作の障害、見当識障害などさまざまな症状がみられます。

 

認知症が疑われた場合、任意後見契約そのものの有効性が問われることになりますので、下記のような備えを行ったうえで契約に臨むといいかもしれません

 

 

本人の判断能力に問題があるとみなされた場合

さまざまな理由をもって、契約時の本人の判断能力に問題があったと見なされた場合、どのようにして本人の生活や財産を保護すればいいのでしょうか。

 

判断能力の有無を図るわかりやすい目安として以下を挙げることができます。

 

 

契約時点での本人の判断能力が問題なければ、契約は有効ですので、任意後見契約の即効型利用により本人の保護に務めます。一方、契約時点での本人の判断能力に問題があった場合、任意後見契約は効力を発揮しませんので、速やかに法定後見制度を利用すべきでしょう

 

まとめ

本人の判断能力をどう評価するかは、決して簡単な問題ではありません。前述のとおり、契約前に「判断能力に問題がないこと」の証明を行っておくなど、事前の対策が功を奏するでしょう

 

ご本人としても、万が一自分の判断能力が著しく低下したことを想定し、心から信頼できる相手に財産管理をお願い(任意後見人となってもらう)べきだといえます。

 

当事務所では生前対策に力を入れており、実際に任意後見契約の受任者を務めた経験もございます。法律家という公平公正な立場にあることから、当職が受任またはご相談にのることは、財産管理や諸手続きを行ううえで大きな安心につながるものと自負します

 

任意後見契約についてご検討中の方やご不安をお持ちの方は、ぜひ一度当事務所までお気軽にご相談ください。

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