病気の影響で父の認知能力に不安が出てきたため、今のうちに不動産の名義を父親から娘に移行することはできるのだろうか?」このようなご相談がありました。ご相談者様はお父様の健康状態悪化に備えて、資産凍結リスクを回避したいとのこと。当行政書士事務所へのご相談のきっかけから問題解決まで整理していきます。

 

ご相談にいたる背景事情

【ご依頼者様とご親族状況】

今回、当行政書士事務所が提案した家族信託契約における関係性をまとめます。

 

  • ご相談者様:Nさん女性(50代・会社員)
  • 家族信託における委託者兼受益者(予定):ご相談者のお父様(70代)
  • 状況:貸倉庫と共同住宅およびその底地を有しているお父様の認知能力低下を心配し、今のうちに所有権を自分に写しておきたいというご相談者様とそのご家族。父親に認知能力低下の不安が感じられる場合、どう対応したらいいかとご相談をいただきました

 

【ご依頼のきっかけ】

  • 検索でホームページを見つけた

 

家族信託契約の仕組み

家族信託契約では、信託財産を有する者が委託者となり、財産管理を託される者が受託者となって信託財産の所有権を形式的に譲渡することで、委託者の指示のもと受託者が信託財産の管理・運用・処分を行うものです。当該財産から生じた収益は受益者に帰属しますが、委託者が受益者となるケースがほとんどです。

 

Nさんご家族の場合、委託者・受託者・受益者・信託財産の関係性は以下の通りとなります。

  • 委託者:Nさんのお父様
  • 受託者:Nさん
  • 受益者:Nさんのお父様
  • 信託財産:不動産(建物および土地)

 

今回の場合、Nさんが最も心配されていたのは、認知能力低下が見られ始めたお父様について、契約事ができない状態となる前に、資産凍結を避け財産の所有権をNさんに移しておきたい、という点になります。

 

信託財産の内訳

【財産状況】

  • 土地3筆
  • 建物(共同住宅)
  • 建物(倉庫)

 

家族信託契約を締結した時点から、受託者となったNさんは委託者となるお父様のために、これら不動産の管理・運用・処分を行うことが求められます。また、不動産に保全・修繕・改良が必要になったときには、Nさんがこれに対応することになります。

 

不動産は共同住宅と貸倉庫であることから、賃料が発生しますので、不動産の名義変更を行うことでそれら家賃収入もNさんが管理することができるようになるのです。

 

不動産が信託財産である場合の金銭の信託について

なお、信託財産が不動産である場合、先に述べたようにNさんは管理や修繕などさまざまな対応義務を負うことになります。これらの業務には金銭的出費を伴うことから、今回契約では1,900万円の金銭も信託することになりました。

 

実際、不動産信託の場合は金銭も一定程度信託すべき」という方針は、公証人からも指摘されているもので、信託する金銭は信託専用口座を用意してそこに預け入れる必要があります。これは、委託者の金銭と受託者の金銭を分けて管理することが求められるからです。このことは契約書にも明記しています。

 

信託用に口座を開設する方法もありますが、今回はNさんがあまり使用していなかった口座の残高をゼロにして、これを信託専用口座として使用することになりました。当該口座への入金に際し、Nさんとお父様がお二人で銀行に出向き、二人の同意として1,900万円を入金しています。

 

問題解決!実際の流れ

【解決のポイント】

契約締結にあたり、行政書士によるお父様への丁寧な説明がポイントになってくると判断しました。そこで、当社はNさんとの連絡を密にするとともに、お父様への説明をできるだけわかりやすく行い、本人が理解できるように配慮しています。

 

家族信託契約の準備と契約締結までの流れ

【具体的な状況】

  • 家族信託契約締結のためにどのような準備が必要かお父様に説明
  • Nさんとラインを介した密な連絡体制
  • 契約当日には関係者が全員Nさんご家族宅に集まるよう手配

 

面談の過程

令和5年(2023年)8月に、Nさんから初めてのご相談をいただきました。お父様の認知判断能力低下が心配される状態であるため、すぐにでも財産(不動産)の所有権を移転し資産凍結を回避したいが、現在のお父様の状態でも契約は可能なのか、という点についてご不安を抱いておられました。

 

お話を聞く限り、お父様の認知判断能力の低下は、契約締結が可能なギリギリのラインにあったと考えられました。そこで当社としては、お父様の状況を確認したうえで家族信託契約のしくみを利用することを提案したのです。

 

2回目の面談

Nさんのご希望もあり、当社スタッフ2名が自宅を訪問しました(2回目の面談)。実際にご家族に会って話したところ、お父様の現状はNさんがおっしゃるとおりであり、財産の所有権移転についてもご家族皆様が頭を悩ませておられたのです。

 

さて、当社スタッフはお父様の現状を確認すべく、お父様に直接「氏名・生年月日・信託の仕組み・お父様の意思として信託するつもりあるか」などお尋ねしてみました。結果として、お父様はいずれの質問に対しても明確に回答されたのです。

 

当社の行政書士千田は、類似事例について豊富な経験を有することから、今回ケースにおけるお父様の状況は家族信託契約が可能なものであると判断し、家族信託契約の準備に取りかかることとしました

 

今後の手続きについてお父様に説明

訪問面談の際、お父様に説明しご理解いただいた事柄は次の通りです。

 

  • 家族信託契約締結までには2~3ヶ月を要すること
  • 必要書類としてお父様の戸籍謄本を取得すること
  • 財産調査を行い評価額や権利関係を明確にすること
  • 信託契約書案を作成し了解を得たうえで正式に契約書を作成すること
  • 不動産を対象とした契約であるため司法書士に対し取り次ぎ調整すること

 

以上についてご理解ご納得いただき、提示したお見積書の金額のご入金(通常1週間前後でのご入金)を確認後、実務に入った

 

契約締結当日の動き

家族信託契約締結および公正証書作成の当日は、病身のお父様に配慮し、当社からは行政書士とスタッフの計2名でNさんのご自宅を訪問。また公証人や司法書士も同日集合し、契約手続きと公正証書作成に臨んだのです。

 

全員の都合を合わせ同日に集まるよう調整することは決して簡単ではありません。当社としてはNさんご家族およびお父様の状況を鑑みて、関係者がご自宅に集まって契約締結を行うことが最善と判断しました。事前に関係各所とやり取りを繰り返して日程を調整し、病身のお父様に負担をかけず落ち着いた状況下で大事な契約事に臨めるよう努めました

 

弊所は1時間早めに到着し事前説明を実施

当日は11時集合のところ、当社行政書士とスタッフは1時間早くNさん宅を訪問しました。重要な契約について事前に契約内容や当日の手続きの流れなどをあらためて説明することで、いざ手続きが始まってからお父様が混乱しないよう十分に配慮を尽くしたのです

 

契約終了後の信託財産について

信託契約では契約の終了について定めることができます。Nさんのケースでも終了事由を定めましたが、なかでも重要になってくるのが「もしお父様に万が一のことがあったとき残された信託財産をどうするか」、という点でしょう。

 

そこで「帰属権利者」としてNさんを指定し、お父様がお亡くなりになった場合は信託財産をNさんに譲る旨が契約書にも明記されました。

 

解決にかかった期間

初回ご相談が令和5年(2023年)8月であり、その後様々な確認作業・準備作業を経て令和5年(2023年)11月に家族信託契約を締結しています。別途、不動産の名義変更業務を司法書士に取り次ぎ、12月には所有権移転登記も完了しました。

 

今回のお申し込みプランとサービス内訳

【お申し込みプラン「家族信託フルセットプラン」内訳】

  • 信託契約案の作成及び公証人との調整
  • 信託契約書に記載する財産の目録作成と財産調査(5件まで)
  • 信託契約当事者及びご家族へのご説明及び受託者への継続的サポート(3年間)
  • 信託設定に伴う登記関係調整(司法書士と対応)
  • 信託設定に伴う税務関係調整(税理士と対応)

 

契約に先だって、Nさん及びご家族様に対する家族信託契約のしくみについてご説明しました。

 

特に、契約締結以後、不動産の管理・運用・処分を担う受託者Nさんに対しては、無料の3年間サポートをおつけしています。これには、自分名義となった不動産について、納税や売却などわからないことが多々発生するであろうことを見越してフォロー体制を整える意味がありました。

 

「契約業務を行って終わり」ではなく、当事者のその後まで考えて対応にあたるのが当社の方針です

 

また、受託者となったNさんは、信託財産である賃貸倉庫や共同住宅から収益(賃料)を得ていくことになります。この場合、税務署への届出が必要になりますので、税理士と連携してNさんをサポートする必要があります。幸い、Nさんご家族側には税理士との繋がりがありましたので、当該税理士に今回の流れを説明し取り次ぎを行いました

 

【報酬及びお支払い方法】

  • 家族信託フルセットプラン:660,000円(信託財産額5千~1億未満)
  • 加算報酬(出張あり):15,000円
  • 加算報酬(土地調査):10,000円※
  • 各種証明書料:別途
  • 郵便料:別途
  • 公証人手数料(出張):別途(約5万円~6万円)
  • 司法書士費用(信託登記2件):別途(1件8万円~10万円)
  • 登録免許税:別途(土地評価額×3%、建物評価額×0.4%)
  • 消費税:68,500円

計 753,500円

 

※「加算報酬(土地調査)」について

Nさんのお父様は、当初申告された以外にも土地をお持ちでしたが、権利証がなく固定資産税も課税されていなかったため、現在の土地の状況について知る術がありませんでした。当社としては、別途業務として名寄せを利用し当該土地の詳細について調査したものです

 
  • お支払い方法:当行政書士事務所口座への銀行振込
 

【実費のご請求】

  • 戸籍謄本:450円×2通
  • 除籍謄本・改正原戸籍謄本:750円×3通
  • 戸籍附票:350円×2通
  • 不動産登記閲覧:7通2,324円
  • 公図:1通362円
  • 郵便料金等:2,922円

計9,458円

 

以上の実費については、不動産の名義変更手続きが完了した令和5年(2023年)12月時点でお支払いいたきました

 

担当者による感想

千田 大輔

千田 大輔


Senda Daisuke

このようなご相談はよくあります。当社に家族信託のご相談ご依頼をいただくケースの半分近くが、認知判断力が衰えてきており、今すぐにでも家族信託等の対策を取らないと資産凍結されてしまうようなケースです。

 

このようなケースは時間との勝負ですし、また、家族信託契約を締結することができるだけの判断力の見極めが求められます。

 

私は多くの実務を経験してきたため、どんなことで契約ができなくなってしまうのか、また、どのような状況であれば契約ができるのかを判断することができます。

 

家族信託という制度は一般の方には馴染みのないものですので、相続対策も見据えた財産管理の仕組みをご検討の方は、ぜひ当社までご相談ください。

 

→ 無料相談のご利用はこちら

 

基本プラン料金とサポート内容

今回は「家族信託フルセットプラン」のご依頼を承りました。ご依頼者様それぞれのご事情やご要望などに応じてサポート内容や金額が変動する可能性がありますが、基本プランは以下の通りです。

家族信託フルセットプラン⭐おすすめ⭐

家族信託フルセットプラン基本料金表

信託財産額 料金
1000万未満 381,150円
1000万~3000万未満 508,200円
3000万~5000万未満 635,250円
5000万~1億未満 762,300円
1億~2億未満 889,350円
2億~3億未満 1,016,400円
3億以上 同上(以後、1億円毎に税込127,050円増)

(税込表示 令和8年3月1日改定)

サービスとご利用料金についての詳細はこちら

 

無料相談の流れ

相続について希望がある、遺言書を作成したいなど、ご相談者様はさまざまなご不安やご要望を抱いておられます。専門家に相談または依頼したいものの、無料相談時にどこまで先の見通しを付けることができるのかも気になるところでしょう。ここでは、当事務所における無料相談の流れを整理していきます。

 

ご相談は60分~90分まで無料です。以下をご確認いただき、お気軽にご利用ください。

 

ヒアリング

ご相談者様のお話を丁寧に伺っていきます。個々のケースに照らし合わせながら、相続や遺言、死後事務委任契約や家族信託契約など、該当する各手続きの全体像をお話しし、ご本人様の場合はどうなるか、イメージを持てるように説明していきます

 

ご希望に応じて、お聞きした内容をまとめた相談シートの写しもお渡ししています。後からご自宅でヒアリングシートをご確認いただくことで、無料相談の内容や手続きの流れ、費用概算について整理することができるでしょう。

お見積書の作成

無料相談時には、ご相談者様のケースに合わせたお見積書をその場で作成しお渡ししています。概算費用の説明はもちろん、最大費用の範囲までお伝えしますので、費用面でのイメージをしっかりと掴むことができます。

 

相談し見積書の提示を受けたからといって、依頼しなければならないということはありませんのでご安心ください。よくご検討いただき、結果としてご自身でお手続きされても良いですし、一部だけ当事務所にご依頼・すべて当事務所にご依頼いただく、ということも可能です。

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