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空き家になる実家の売却を実現するための家族信託事例

親が認知症になるなどして判断能力に影響があると認められた場合、親名義の資産は原則として凍結されることになります。金融機関からお金を引き出すこともできず、不動産を売却することも叶わないため実家が空き家になる可能性も出てきます。

 

このような状況に陥る前に家族信託を活用する人が増えてきました。ここでは、具体的事例を挙げながら特に空き家問題にフォーカスし家族信託について説明していきます。

家族信託の活用で見えてくる空き家問題の解決策

もし、「自分に何かあったときに備えたい」という意思が親自身にある場合、実家が親名義であれば、最も信頼のおける存在である子供と家族信託契約を交わすことが勧められます。不動産の名義を子供に変更しておくことで、将来的に親が認知症などになり著しく判断能力が低下したと思われるときでも、信託契約により受託者となった子供が実感不動産を売却してお金に換えるなどの対処が可能になります。

 

ただし、一般的に委託者である親は受益者でもあるので、子供が実家不動産を売却して得たお金は親のものです。信託契約によって、受託者である子供には受益者の財産を管理・運用する義務が生じるため、適切に金銭を管理し、親の生活費や医療費、施設入居費用など「親のため」に財産を使うことが求められます

 

あるいは成年後見制度を利用するという方法があり、この場合も子供が後見人となることが最良とされます。しかし、後見人には制度上の制限が儲けられていて親の財産の運用まではできないため、実家不動産を売却したお金で施設利用料を支払う以外の行動をとれないのです。不動産売却して得たお金を運用したり相続対策を行ったりしたい場合は、後見人制度よりも家族信託の方が向いているということになります。

将来を考えて親の不動産売却と財産運用に関する家族信託契約を結んだ事例

75歳の男性は家族を持つ息子と離れて独居生活を送っていましたが、調理中に火元から離れたり物忘れがひどくなったりしてきたため、自分の将来を案じて高齢者施設への入所を決めました。施設に入ることになれば実家は空き家となるため、できるだけ早い段階で売却したい考えです。

 

査定をしてもらったところ実家不動産の価値はそれなりに高く、相続税を納めなければならないほど多額の資産となることがわかりました。そこで、男性は自分の施設利用料の支払い以外に運用をしたいとも考えており、また相続税対策も本格的に行うべきだと思うようになったのです。男性は検討の結果、息子を受託者とした家族信託契約をかわして、自分の希望を実現したいと考えています

 

家族信託の設計(スキーム)

本件における家族信託の設計は次のように整理することができます。本件で注目したいのは、不動産という難しい財産を扱うことから信託監督人として行政書士を指名している点です。これにより、不動産売却や売却後の運用などについて専門的なサポートを受けられるようになります。

 

 

不動産売却や運用に関するあらゆることは、信託監督人の許可がなければ実行できないように契約書に明記しています。このことは、常に法律の専門家が関わるということを意味するため、男性および息子は安心して財産管理と運用を実行することができました。

まとめ

本件の事例のように、空き家対策にも家族信託を活用することができます。親に健康面での不安が出てきたがまだ元気な状態であるうちに、実家不動産を家族信託により子供名義にしておくことで、万が一のことがあったときでも不動産売却や実家の管理を子供に一任することができるようになるのです。そうすることで親自身の生活は守られますし、亡くなった後は財産の相続または運用についても信託契約で決めておけるので、健在なうちから死後にいたるまで連なった計画を実行に移していくことができます

 

一方で、すでに親が認知症になってしまってからご相談にお越しになる方は少なくありません。家族信託は非常に有効な手段ではありますが、それは本人が健在で判断能力が十分あるうちに契約するから高い効果を発揮するのです。認知症になってしまうと一般的に契約事はできなくなるので、家族信託を選択肢に数えることができません。

 

そのような事態を避けるためにも、ぜひ、お早めに当事務所までご相談に来られることをお待ちしております。

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